数理科学とiPS・再生網膜
2016.6.16付一面に「iPS細胞での再生網膜 数理科学で機能評価 立命館大」を掲載しました。これ、「なになに?」って引きつけられる案件でしょう? 私もそうでした。、主語が京大とか阪大とか慶大でなくって「立命館大」。理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーのが、同大の客員教授をしていて連携です。気になりますよねえ。
iPS細胞で再生させた網膜は、完全なものだと将来の普及を考えると高コストすぎるので、「必要な機能の再生」に絞った人工網膜が必要になってきます。でも、それって「機能が十分なのかな」って心配です。ので、大丈夫かどうかを評価するのに、数理科学を使うというものです。再生網膜と本来の網膜のデータを使ったシミュレーションによって、機能が十分か、実用的な再生網膜となっているかを調べます。私は政府・文科省が「数理科学と、応用の異分野の融合を進める」という記事を少し前に書いていたので、「おおお~、こういう融合事例を実際に推進したいというわけね」と記事化の食指が動きました。
食指が動いた、って表現にしたのはですね、「難しいな。書けるかな」と逡巡しつつだったからです。簡単な案件なら何も悩まないけれど、という意味が入っているわけです。このネタをゲットしたのはちょっとイレギュラーな場で、瞬間的に言葉を交わしただけで、メーンのやりとりは電話取材となりました。先にメールで資料をもらうものの、「うーん、やっぱり難しい」と不安でした。けれども先方の先生の説明が上手で! 「なるほど、そうなのか。これなら書けるぞ」と感激でした。紙面の構成上、ご紹介できませんでしたが、立命館大学情報理工学部の北野勝則教授です。ちなみに計算神経科学研究室ですからね、「どうです、この研究室の名称」って感じでしょ。
もしも先生の説明が上手でなかったら私、記事化を断念していたかもしれません。やっぱり研究は、中身が魅力的でかつ、上手に伝えられるコミュニケーション力が重要ですね。このことを改めて実感いたしました。北野先生、そのうちぜひ、お目にかかれますように!
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