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2017年7月

2017年7月28日 (金)

ニュースイッチ、ファシリテーターでデビュー

日刊工業新聞の紙面をベースにしたウェブサイト「ニュースイッチ」でファシリテーターとしてデビューしました。数カ月前に、同サイトで「いいねがたくさん付いているよ」といわれて同サイトを気にするようになりまして。以前、「科技の記事のコメント役を」と言われたときは、「個々の技術記事はわからないですよ」と辞退していました。が、今回は「自分の記事を取り上げて、コメントをアップして、議論が始まればファシリテーターとして仕切る役目を」と社内リクエストされて、始めました。

「大学ものは他の記事に比べて相対的に、若い人が見ている(たぶん、博士学生や博士研究員)」と聞いたのが、その気になった主要因です。私の記事は大学の産学連携関係者が好む内容だと思っていたから、それだけでないというのは意外で。それに「若い人が(きちんとした記事を)読んでいる」ということは、日本社会の未来の明るさにつながるでしょう? 潜在力に訴えたい、という気持ちになります。「自分の記事をアピールするので、いいんのかな~?」と思いつつ、自己顕示欲にも駆られて(笑)、始めました。

初回は、2017.7.27の大学面「文科省、新契約モデル試行 産学共有特許の課題解決」。
http://newswitch.jp/p/9833
実は若い人向けにぴったりの原稿を出稿していたのですが、取り置きとなり、ややマニアックな記事になってしまいました。でも、「産学連携」では反応しなくても「ベンチャー」には反応する読者が、とくにウェブでは多いはず、と考えて、紙面よりベンチャーについて強調したコメントを入れました。

このサイトの工夫により、関連の以前の記事を一緒に紹介できるのも魅力です。さっそく「みなさん、ちゃんと読んでくれました?!」という記事を連動させちゃいました。2017.6.10の一面トップ「国立大の株取得緩和 政府 対価拡大し財源確保」です。国立大学は大学発ベンチャーから施設使用料として株を取得して(これまではライセンス対価に限定)、それが上場になったら値が上がるまでじっくり待ってから売る(これまでは、すぐ売る必要あり)ことが可能になる、というけっこうスゴイ話です。でも「本ブログでもニュースイッチでも紹介されていなかった」、つまり「日刊工業の紙面読者の目にしか触れない」状態。それをここに来て、より広い層に伝わる形に変えられたと形です。

不安は、過激な批判コメントなどが来る可能性も高まるかな、ということです。あと「人気が集まるあおった記事にならないように」という点かなあ。ブログだと割合と、”ひっそり”と続けてこれた(ブログは日記だから、自分がよければいいのよ~、笑)。けれど、こちらはどうでしょうか。慎重にしつつも走ってみて、また考える、ということで参ります。

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2017年7月16日 (日)

マイル特典旅行の注意点

皆様、夏休みの予定はいかがですか? この7月の三連休が立案のよい時期になったのではないでしょうか。私も夏休みの飛行機をとりました。今回はマイル特典旅行での手配です。ちょっと変更を経て確定したこともあり、現在かなり、ハイになっております~、笑。

「マイレージは溜めているけれど、特典旅行での活用は頻繁ではない」という人は多いですよね。私もそうでして、「次回も忘れないようにしなくちゃ」と思った点を記します。それは「特典旅行用の席が、あまり用意されていないフライトがある」ということです。このことは以前から頭に入っていたのですが、実際に今回初めて、ウェブで手配しようとして直面しました。

当初の予定では、休みの初日の金曜昼便を希望していたのです。が、金曜は早朝便と夕方、夜便しか、手配可能ではありませんでした。対して翌土曜を見ると、すべての便でOKでした。土曜の方が全般に混んでいて、特典旅行をセットするのが厳しいのではないかと思ったのですが、意外でした。でも考えてみると、金曜昼はビジネス客の利用が多くて、それも個人客と違って変更可能な正規料金の”お得意様”。よって、「タダで乗ってくるマイル特典旅行客はご遠慮、願います」ということなのでしょう。

結局、悩んだ結果、出発は土曜の昼便に変えました。金曜は休みを取るけれど、自宅での旅行準備に充てることにしました。これなら、休み中の仕事(原稿出稿)が遅れても、木曜の夜まで必死に働ける。翌金曜は休養で、元気を回復してから土曜に出かける、という形です。20歳代じゃないんだから(笑)、めいっぱい遊ぼうとするのではなく、これくらいの”緩衝材”、つまり余裕を持たせることが必要なのですね~。

この3連休中にちょっと自宅で仕事をしなくてはならなくて、また週明けは大物仕事が待っているのですが、平気です。夏休みが待っているから。2カ月先に。ウフフ。がんばりが長く続くことでしょう。そういえば同僚の某氏は、「あと10日で夏休みを取るのだけど、旅行の計画が全然、立っていない」って言っていたっけ。この3連休で動けたでしょうか。労働を促す”にんじん”が8月入りですでになくなってしまうけれど、夏を乗り越えるスタミナの維持は、よろしくお願いします~!

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2017年7月 9日 (日)

”エンジニア”としての大学人の自負

若手研究者を紹介する「拓く 研究人」という弊紙水曜連載で、2017.7.5付に「車燃費改善・クリーン化 日本大学理工学部准教授 飯島晃良氏」を載せました。日大幹部で親しい方に教えていただいての初訪問です。このパターンだと、下調べは多少、しているものの「どんなふうに書けるかな」と思いながらの取材です。でもそれだけに、「これは!」と思う相手との出会いもあります。今回もその形でした。

ポイントは二つです。まず一つは、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)の「革新的燃焼技術プロジェクト」とかかわる視点です。車ではエンジン燃焼の高効率化やクリーン化は、昔も今も圧倒的に重要な研究テーマです。飯島先生はSIPの一員としてこれに取り組みます。一方で最先端の「予混合圧縮着火」(HCCI)にも取り組み、大学ならではのメカニズム解明により、企業が解決できない課題に対するヒントを導き出します。伝統と先端。大学だけど、狭い専門のたこつぼでなく、産業に資する意識。このバランスがいいんですね。

もう一つは、昨今の大学の研究費不足のブーイングの嵐に対して、異を唱えるところです。燃焼室の様子をのぞけるガラス窓設置の実験装置を10万円で、研究室で自作したそうです。学生に考えさせて図面を引かせ、学内の試作工場の担当者とやりとりを繰り返して完成です。この「世界に一つしかない装置で、他で見たことのない現象をとらえられる」と胸を張ります。素敵ですね。SIPの参加メンバーでもあるし、けっしてすごい貧乏研究室というわけではないと思いますが、それはまあ置いておいて(笑)。私は「大型研究費獲得とは異なるエンジニアの醍醐味を大切にする」と飯島先生の人柄を記しました。
一昔前は工学系なら、研究型大学であっても皆、「エンジニア(技術者)の自負」を強く持っていました。企業のような潤沢な研究費がなくとも、秋葉原で部品を買ってきて、装置を作成し、それによってユニークなデータを出す、といった研究をしていました。でも今は多くが、世界トップクラスの「研究者」という過剰意識を持っていて、どうなんでしょうねえ。実際にノーベル賞受賞者だって身近に大勢、出てきていてまんざら夢物語ではない。そのためには一億円の装置も導入したいし、それで大型研究費獲得に血眼になる…。今の先生方の先生の先生くらい(もちろんすっかり鬼籍に入っている世代)の大学研究者は、「大学人でありながら、こんなに金の亡者になってしまって」と嘆いているのではないでしょうか。
では次に、気分を変えて(笑)、この回で「168回」目というこの長寿連載についてです。各研究分野の担当をしている部の仲間は、すごい研究成果の取材からつながったり、ぴかぴかの若手対象の受賞案件から気づいたりして、取材を申し込んでいます。対して私は、大学・産学連携の担当として「企業とのつながりや社会的活動で、ユニークな人をご紹介いただけませんか」と探しています。「それならぜひ、うちの△さんをお薦めします」とのお声がけくださいね。

と、今ブログを書いていて思い出しました。この連載、いっとう最初は私の執筆だったことを。たしか東京工業大学の助教のパーマネント職(定年までいることができる)を投げ出して、東京農工大学のテニュアトラック(定年までいられるどうかは業績次第)に応募した先生でした。とても魅力的で、その時もハイになったことをブログで書いた記憶が…。後でそっと確認してみましょう。この連載、そろそろ「拓く研究人 その後(二巡目)」って形にリニューアルするのも手、かもしれません(笑)。

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2017年7月 4日 (火)

卓越大学院で概算100億円、ほか大学もの3記事

卓越大学院で概算要求100億円(2017.6.30の1面トップ)/指定国立大学に東北大、東大、京大(7.3の科技面)/都内23区内定員抑制に対する大手私大の反発(6.30の科技面)という3案件で記事が続きました。いずれも、大学関係者を中心に関心の高いテーマで、続編の記事を計画するなど重要案件であります。

昨日の7/3(月)、取材先に「山本さんが来るから、どんな記事を書いているのかなと調べたら、卓越大学院が出てきましたよ。あれくらい(大きな)額とは知らなかったですよ」といわれました。ありがとうございます。……でも、どうして私が書いたって分かったのかしらん。一面トップをはじめ普通のニュース記事は、記者名が出ていないというのに。

その後、「そうだこのインパクトなら、弊紙サイトの『ニュースイッチ』でも取り上げられているはず」とみたら、昨日の段階でこの3件ともが取り上げられていました。http://newswitch.jp/ 3件ともってすごいです。弊紙の一日200本掲載という記事(うんと小さいお知らせ記事も含めて)の中からのセレクトですからね、このサイト。大学ものは仕事と直接、関係なくても皆、関心持つんだということを改めて感じました。昔は「自分だって大学生だった」って親近感も大きいし。読まれる分野、という意味ではラッキーな担当かもしれません。

そこで、気づいたのが、私の名前の出方です。「この記事はおもしろい」とニュースイッチ編集部や社内のファシリテーターがセレクトする時に、そのファシリテーター名が出ます。でも私は、ファシリテーター役を引き受けてはいないんですよ。ちょっと余力がないからお役目をはずしてね、と以前に断っている。ところが。

「政府が産学官連携で『大学院』、世界最高水準のエリート育成へ 修士・博士一貫の教育課程を編成、すでに70案も」という見出しになったニュースイッチ(紙面と見出しが違っている)における卓越大学院の記事をみてみます。すると最後に「博士教育は専門性に偏った研究室指導、それによる就職先の限定、博士進学率の低迷が課題。今後、これらの課題を解決できる可能性もある」というコメント(これは紙面で書いた文章が、こちらに切り離されて使用)とともに (日刊工業新聞科学技術部・山本佳世子)と載っている…。そ、そう、紹介されているのね。まあ社員ですからね、いじられるのはいいですけれど。これ、自信作でしたからね。もちろん、嬉しくもあります。

でもこれを見て、「中身がイマイチだけど一般受けする(ニュースイッチ転載、さらに拡散すると可能性がある)記事」を書いた場合は、注意が必要だと気づきました。「なんだこれ、山本さんの執筆なの? ずいぶんとんちんかんことを書いているじゃないの?」ってことになったら、まずい。いや普段、そんなのを多発している訳じゃないんですよ。「どうせ誰が書いたか(普通の記事は)分からないんだから、適当に書き飛ばせばいいや」って思っているわけでは、ないんですって。でも、知らないうちに名前が出ていたので、びびったという話です。

指定国立大の記事も、ちょっと違う形で名前が出ました。これも今回の記事は署名なしの普通のニュース記事です。ところがゴールデンウイークに載せた記事、「なぜ7帝大のうち北大と九大は応募できなかったか」といった内容で反響あったもの、が一緒に紹介されているのです。で、そちらの記事には私の署名が。そうか~、こんな風になるんだ~。

もう大丈夫です。こんな風に名前が出ちゃうって、分かりましたから。そしてそれゆえに、よりいい記事を多く出していくエネルギーがわいてきました。概算取材はこれからが本番。私が狙うネタはあれと、それと…。うふふ、がんばります! と、一面トップを書いたことで気が大きくなって宣言してしまう私でした。

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