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2017年8月

2017年8月19日 (土)

キンチョーの夏

金鳥でなくて緊張、の夏です。京大と東大の注目案件の記事が連続掲載となり、例年の概算の懸案に加えての緊張でした。

2017.8.14の一面トップ「京大、事業化推進で新会社 『指定国立大』強み生かす」
http://newswitch.jp/p/10028

2017.8.15の一面段 「任期なし雇用に転換 若手研究者300人 東大、研究力強化 21年度」
http://newswitch.jp/p/10046

ちなみにこのタイトルは、紙媒体のもの。ウエブで見るためのURLは(新聞の電子版と違って)閲覧制限のない「ニュースイッチ」で紹介です。

京大と東大ですよお。どちらも、先方(取材当事者、広報、そのほか)も気にする案件で、掲載までも、その後も、大変でした。各種の確認のうえ「大丈夫」と判断したわけですが、クレームがくるのではという心配がつきまといました。お盆に当たったので、朝イチで電話がなることはないだろう。でも逆に、3日たってから抗議がくるかも。事務の一斉夏休みは何日までだったかな、と思いつつ、連絡があった時に備えてこの一週間、資料を手元に置いて対応できるようにしていました。幸い、そのようなことはなくてホッ。科学技術の明るい「△を開発した」という記事に比べ、大学運営(経営)ネタは企業経営ものと同様で気を使います。

記者の仕事に限らないですが、いい仕事をしようと思うと、ぎりぎりのところで神経をつかう必要が出てきますよね。面倒をとにかく避けたい、というなら、最初から動かない(取材も記事化も見送る)という選択になってしまう。でもせっかくの、社会的に意味ある情報は、やはりしっかり発信したい。それでキンチョーしながら、となるわけです。見返りの一つは、読者の反応。東大の件は「日刊工業電子版」でのフェイスブックでのシェアが、3037も付いていますから。日本中の大学の幹部にも、個々の若手研究者にも注目してもらいたいですよ~。

今回のブログタイトルですが、少し前に思いつきまして。「リラックスの夏」でなくて、緊張だなんて嫌らしいかな? でも、金鳥とのダジャレはやっぱり、思いついた以上、使いたいか。ということで、このダジャレ披露もまた、がんばった見返りの一つ、とさせてくださいね。

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2017年8月11日 (金)

高齢になっても楽しめる記事と音楽CD

気候のよい時期の連休は外に出かけますが、真夏は悩ましい。では屋内でする片づけを…と長年の懸案だった案件に取り組みました。若かりし頃、しばしば聴いていた音楽のカセットテープのCD化です。すでに絞り込みはすませていたので、助けを借りながら、一日かけて3枚の音楽CDを、レーベル印刷まで入れて完成させました! 

最初に手掛けたのは、「全日本吹奏楽コンクール」の金賞受賞のレベルの演奏です。私は中学校から大学院まで、吹奏楽でトロンボーンをしていたので、これらは当時の憧れでした。30年以上前のラジオ放送から録音した音楽ですが、セレクトしたものだけに今でも「しびれる」。プロのようなすごい技術というのではなくて、響きに一種、異常な「熱」を感じるんですよ。まさに青春をかけての演奏だな、と。きっとこれって、社会人の高校野球ファンが感じるものと似ているのではないでしょうか。

2枚目は、自分の所属していたブラスバンドの、コンクール曲やコンサート曲です。こちらは当時の先輩や仲間の顔が次々と浮かんで…、これも楽しいです。3枚目はブラスではなく好きだったフォークソングやニューミュージックの「マイベスト」って感じです。子供の頃に好きだったものが、今聞いても好きってすごいですね。成長によって離れる楽しみもあるのに、そしてこれも頻繁には触れないものという意味ではそうなのに、ごくたまに触れると幸せに感じる、というところがすごいです。

自分の演奏CDに似たものとして、仕事では自分の新聞記事スクラップですね。A4ノートに、半年で1冊。「今年はものすごくたくさん書いた」と思っても、なかなか年に2冊のレベルは超えない、けどぐっと少ない年がないところも不思議です。先日、大学担当になってからのナンバリングで「33冊目」をおろしたところです。たまには「これ、私が書いたの? こんな取材したっけ」というのもありますが、「何度、読んでもすばらしい」と自己満足に浸れる記事もあって、これも大事ですねえ。記事のウェブでの引き出しもできますが、基本はキーワードや日付での検索になりますからね。「私の記事、すべてカバー」というのは、このスクラップだけです。

将来、高齢になって家で過ごす時間が増えたら、これらを見たり聴いたり、飽きもせずするのではないかと想像します。高齢者施設に入ることになったら、絶対に持っていくことでしょう。そうか…。それには、課題が出てきました。

CDは今回、2枚ずつ焼いたのです。「首都直下型地震など災害が来ても、自宅と職場と両方に置いておけば、どちらかは生き残る可能性があるから」って。記事スクラップノートも、コピーするなり、写真をとるなり、そうした方がいいかしらん? A4ノートが33冊、いや勤続年数を考えると50冊以上。これはちょっと考えなくてはなりません…。

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2017年8月 1日 (火)

新特許庁長官、宗像直子さんの一面記事に驚く

2017.7.28付の弊紙一面に、私の取材ではないのですが、特許庁長官の宗像直子さんのインタビューが掲載されました。まだ私はお会いしたことはないのですが、経済産業省の初の女性局長で広く報道された時から、気になっていました。中央官庁の女性官僚は、厚生労働省で次官が出ていて、文部科学省では文部科学審議官まで(次官の一つ前)あります。その頃に「経産省は局長も女性初なんだ。官庁によってずいぶん、差があるんだな」と思ったのですが、その後に首相補佐官に抜擢、そして特許庁長官(次官級)ですからね。すごいです。どんな方なのかな~。

記事の内容は、中小企業の出願増のこととか、関西に知財拠点を開設することとかです。この記事、驚いたのは「女性」という表現を文中、どこにも使っていないことです。過剰に書くと今時は「おかしい」といわれる、という配慮は皆、しますよね。でも、リード文の「5日に就任した特許庁の宗像直子長官に聞いた」というところに、普通なら「女性で初のトップ」という形容を入れるじゃあないですか。それが、ない。すごい。執筆の経産省キャップの意向か、紙面作成の本社側の意向かは確認していないのですが。

ちょうどこの日、一般紙は政治家の稲田朋美氏と蓮舫氏のトップ辞任を取り上げていました。最初、そちらに目がいった時には、「少し前だと『だから女はだめなんだ』と言われるところだけど、東京都の小池百合子知事が同時にかなりの高評価ゆえ、そういういい方はされないだろうな」というのが感想でした。

それで、弊紙を手にとると、なんと、宗像さんがえくぼをつくって微笑む大きめの写真が載っているではありませんか。んまああ、なんて素敵な…。そして、社会的なリーダーの立ち場の女性に、昇任もあれば辞任もあって、それくらい多様になっているのだということ、その状況が多くの人の目に映る有様に感心しました。

またこの写真がね~、とても素敵なのですよ。稲田氏の「グッドルッキング」問題もあり、容姿について触れるのは難しい。けれど、なんとかこの魅力を表現したい。それで、「素敵」。これは雰囲気の問題だからいいかな、と。それから、「えくぼ」。これは事実の記述かなと。不快に思う人がいる表現を抑えつつ、情報の受け手を引きつける…。その難しいところを、報道マスメディアの関係者こそ、引き受けていかなくてはと思うのです。

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