「ネタなんてないよ」的な反応には
久しぶりにうかがった元学長に、開口一番「せっかく来てもらったけど、ネタなんてないよ。山本さんには久しぶりにあえて嬉しいけれど」といわれました。えーっ、本当ですか。だって私、メールで「▽の件が面白そうですね。それと△の切り口でコメントをお願いします」って書いてたじゃあないですか。体調不良で低空飛行の日々だけに、「取材になりそうにないなら、その時点でそう返してもらいたかったなあ」とちょっとがくっと来ました。
しかしすでに、ここまで出向いてしまった以上はしょうがない(笑)。「まあ概況をうかがわせてください」と。その後に、新聞記者の習性として「それで今後の動きで、新しいところはどうでしょうね?」と突っ込みます。「うーん。まだ決まっていないんだけどね…」との資料が出てきます。「それおもしろいですね。~する方向、ということで、書いていいですか」と畳みかけます。「うーん今、出すとちょっとねえ」。ここで、事務方からも時期尚早との発言が入ります。…まあ無理することもないか。無理して相手にさえ不評の記事を書いても、ねえ。きっちり書ける段階に、真っ先に記事にさせてもらう、ということにしました。この日は即執筆にはなりませんが、「ネタをしっかりゲット」という中くらいの満足度となりました。
中身がよくわからないまま取材するのに、さほど親しくない相手ではコミュニケーションの難易度が上がります。若手研究者個人を紹介する「研究人」の欄で、取材依頼をした対象的な二人の例を紹介します。一人は、官庁のA氏のお薦めを受けて連絡したものですが、「私を取材しても大しておもしろい話はありませんよ」的な返事です。そこで「取材にどうか、とういのはご謙遜ですよねえ? A氏にいただいた資料では~とのことでしたから、これについての若手としての見方をうかがえれば、おもしろいと思ったのですが」と返信。結果、取材してもそんな具合でした。つまり本人がいうように「派手」な感じではない。けれど、切り口と筆力(?)でそれなりのユニークさを出しました。まあこれは人を描く欄ですので、先のニュース取材とは異なるのですけれどね。
もう一人は逆のタイプです。ある交流会で知り合った若手で、その後のやりとりでかなり積極的な感じと分かり、研究人での取材を提案しました。地方大学なので「東京へいらっしゃる時にどうでしょう」と打診したところ、「自分をとりあげてもらえるなんて、こんなチャンスはめったにないので、いつでも時間をつくって出向きます」との返事。そう、そうですよね! 私だってもし逆の立ち場だったら、「あんな大きく、新聞に写真入りで載せてもらえるの? それならたとえ休日でも私費でも構わないしぜひ、お願いします!」と反応しちゃいますもんね。
さらに、「何か研究関連の小物を手にした写真を撮りたいのですがどうでしょう」と相談すると、「~なんかどうですか」と。それって、直接の研究グッズではないんです。ただ、「研究成果がうまくいった将来には、こんな原料からこんなモノができるでしょう」というストーリーに従った”イメージ写真”という感じです。「この流れを絵に描いて持って行きますよ」との追加も。すばらしいです。メディアにあれこれ提案しちゃう、この社会とつながる意識があるのなら、その当たりの思いを書くと言うことでこの連載記事は楽勝です。実は取材はまだこれからです。今からちょっと楽しみです。
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