「少し前のこと」「そんなの知っている」と思っても
「あれっ、髪型が変わりましたね」と声をかけられて最初、すぐに返事ができませんでした。というのは自分にとっては、髪型を変えたのは「少し前のこと」だったからです。でもその人と会ったのは、美容院に行って以来、初めてのこと。だから相手にとっては自然な反応だったわけです。私は、深く考えずに発言してしまうところが「なきにしもあらず」ですが(危ないと自分で分かっている)、この時はなんとか持ちこたえました(笑)。「そうなんです。ミディアムショートに変えたら手入れが超簡単で。朝、起きるのが10分、遅くなったのですよ」と、答えることができました。相手は「10分は大きいですね!」と会話が弾んだ形のよいコミュニケーションになりました。
実はその少し前に、別の相手と逆の立ち場での会話があったのです。仕事をほめられるのは好きなタイプなので、「持ち物はどうかな、コミュニケーションしておこうかな」と思って、「△、変えたのですね」と言ったのです。そうしたら「それ、だいぶ前のことですよ」とストレートな返事が。あっそう。お声をかけて失礼しました。なあに、××××なのに…。口にはしませんでしたが、心の中でひとりごちたわけでした。
取材でもそうです。取材相手の説明が「それちょっと古いんじゃない」とか。「私の方がその案件はよく知っているんだけど」ということがあります。そんな時、話の腰をバチッと折るのは避けたい。でも長くこの話に時間をかけられると、肝心なことを聞く時間がなくなってしまう。それで少し相づちを打った後に、「△さん(学長とか局長とか上のクラス)もそのようにいっていましたよ」と、振ってみます。相手が「この件に付いては山本さんは詳しいんだな」と察知してくれそうな内容をチラと示すわけです。そのうえで、「となると~の件はいかがですか」と、次のテーマにシフトするようにしています。
この「よく知っているんだけど」という表現で、悩ましい相手もいます。情報交換とかおしゃべりのレベルで、こちらが話始めると「はいはいはい」といった表現が出てくる。「よく知っているから、話を切り上げてほしいという意思表示かな?」と最初は思ったけれど、いっつもそうなので、単なる相づちなのでしょう。とはいえ「相手の役に立つ情報と思ったけど、そうではないのかな」と引っ込めた方がいいのか、どうかわからなくて。コミュニケーションが途中で切れてしまう、ということになる相手なのです。
まあ定石はなくて相手を見ながらということですね。仕事でも、友人との交友でも、コミュニケーションは悩みのトップクラスの項目。気にしつつ、悩みすぎずで参りましょう。
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