ウエブで読まれた記事、「国立大教員、業績給拡大」と「指定国立大」
- 「自分の記事に対する反響はどうか」という事柄は、ある意味で「記者になってずうっと気になってきたもの」です。が、広く読まれたかどうかが具体的に見えてきたのは、ウエブ記事が一般的になってきてからのことです。弊紙のニュースサイト「ニュースイッチ」でも、ページビュー(PV)がカウントされています。知っていたけれど、年長記者としては「本当に重要な記事とは何か? PVに振り回されてはいけない」との意識がありまして。しばらく距離を置いていて、最近ようやく、確認の仕方を社内で教わったのです。調べてみたのは自分が書いた記事で、最近「読まれていますよ」といわれたものです。
まずは「国立大学教員の業績給を拡大 交付金で連動」の記事です。https://newswitch.jp/p/13889
大学改革はどちらかというと、学長や理事など幹部の問題という面がありますが、これは各教員の給与の問題ですからね。「国立大の教員、6万5000人全員が読んでもおかしくない! 私史上、最も読まれる記事ではないか!」と思っていた(笑)ものです。新聞紙面の一面掲載になったものです。ここから「ニューズピックス」や「ヤフー」など社で契約している一般ニュースサイトに流れて、これを見て反応した人の「フェイスブック」などSNSで広がるのだと聞きました。PVをみると、うーん、「教員6万5000人×家族4人」にはちょっと届かないかな(笑)。でもかなりの数値です。
次に見たのは「専門職大学」の新制度に対する台風の目、「HAL」や「モード学園」を展開する日本教育財団(という名の学校法人)の記事です。
https://newswitch.jp/p/13834
そうかあ、人気と聞いたけれど、PVはこれくらいなのね。たぶん、一般的に自分が目指すべき「ヒット」は、これくらい。目安の数字になるでしょう。
そして「指定国立大」。これは昨年度(2017年度)スタートの新制度で、いろいろな形で何度も書いています。ので、これで検索したらずらっと記事が出まして。これはすごい、どの記事も高いPVとなっています。指定国立大に一般紙メディアはなぜか反応が低くて、最初の採択時に記事になった程度。「どうやら他にない情報ということで読まれているらしい」と思ってはいましたが、こんなだとはね…。ええっ、このPVは何? ケタが違う記事が2本ありました。
最もPVが多いのがこれです。https://newswitch.jp/p/8912
まだ採択される前の2017年のゴールデンウイークの大作り(いつもと違う大きな作りの記事)で、指定国立大とは何かという解説です。これは自信作でしたので、これがトップだなんて超嬉しいです~。
次に多いのがこれ。https://newswitch.jp/p/9572
2017年の6月、最初の3大学が選ばれた時の記事です。このPVは最も多かったPVの半分くらい。きょえー、GW記事はそんなに人気だったんだ…。そういえば、GWというお休み中だったのも効いていると言っていたっけ。実は、この採択時の記事が2位の人気というのはちょっと悩ましいのです。というのは、文科省の発表だったから。発表って、公開情報ですからね。私でなくても例えば、仲間に「この案件、発表リリースが出たら即、記事にしてね」といっておけば、まったくこの案件をしらず、資料通りに書いただけの新人であっても、これに近いPVになったというわけですから…。
以上、四つの記事のうち伝統的に新聞メディアがもっとも重視する、「スクープ」の形だったのが、「国立大教員の業績給与、拡大」です。でも、それよりずっと反応の高い解説記事や発表記事がある…。これは記者の働き方(どんな記事を書くことにエネルギーをかけるか)を変える重要な話です。ショック、でもあります。でも、他メディア記者が反応しない重要案件は、アンテナを張ってさえいれば「発表でも、こんなに読まれる」ことになる。それは「労力対効果」がかなり高いもので、こういうものは落とさずに行きたいところです。
だいぶたくさん、書きました。いきなり飛びつかないでいた「PVトップクラスの記事調べ」は、ワクワクどきどき。さてこれを把握した上で、振り回されすぎずに、よい記事を書いていく意識で参りましょう!
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