母の本「日本語脳から英語脳へ」
今年80歳になる私の母が、本を完成させました。タイトルは「日本語脳から英語脳へ アメリカ人に伝わる英文を書く!」。
著者名は岩城陽子。出版社は発行は丸善ライブラリーです。税込み1620円です。
本をつくる段階までは、自費出版の丸善ライブラリーですが、販売は丸善出版ですので、全国の書店で取り寄せになりますし、もちろんアマゾンでも注文できます。
どういう内容かというと、「日本人の英文はアメリカ人に全然、伝わらないのはなぜ? どうすればいいの?」とライティングにフォーカスしたものです。母はプロの研究者ではないけれど、英語の学びや研究が好きで。自身が58歳から渡米11年間で、異文化コミュニケーションの修士号を取得した(その前に日本でも修士号をとっていたけれど)体験談と、そこでの学術研究を両立させて、帰国後10年で完成させた本なのです。
なぜ伝わらないか。それは日本人が身に付けた日本の文化や思考法やルールのまま、英文を書くからです。例えば接続表現です。島国で単一民族の日本人は接続詞が少なく、言葉の裏側を、相手に読みとらせる。でも論理を重視する多民族国家では、接続表現を多用する。書き手は、読み手に理解してもらい、自らの意見に賛同してもらうためにエネルギーを注ぐからです。このような違いを理解して、日本語脳の日本人は、英語脳に転換したうえで、アメリカ人が理解できるような英文を書くべし。その具体的なノウハウは…。という内容です。専門書ではないので、言葉やコミュニケーションが好きな人であれば、それなりに楽しく読めるものです。
最近、昔の友人に会った時に、「お母さん元気? 英語、勉強していたよね」とかいわれるケースが続きまして。本を出したのよ、とチラと話すのですが、相手が本を読まないタイプというケースも含めて、あまり長々と宣伝してもね…と悩みます。そこで、「ブログに書いたので、見てみて」と伝えればいいやん! と気づいて、ここに記しているのです。
それにしても我が母ながら、よく粘ったことです。仕事をしていなかったので時間はあったのですが、仕事につながらないのにこれだけ熱心にできるというのは、すごいなと振り返ります。今の時代だったら、研究職という職業を選んでいたのでしょうね。ちなみに会社の同期だったフリーライターの友人は10冊ほど出しているのですが、「ビジネス雑誌はウェブで記事を書いて、そこで本の宣伝をちらっといれて、本を買ってもらうのが狙い」だといっていました。
私は幸い、日々紙面(と関連のウェブ、ニュースイッチ)で執筆した記事を発信できています。「本を書きたいな」という憧れは40代半ばに達成(計2冊)したので、「あれだけのエネルギーをかけてまた書くというのは、何か特別なことがないとちょっとね…」という感じです。えっ、母? 母は、勢いづいています。二冊目を書くのだと。まさに人生100年時代、ライフワークとして走っております。