風邪薬はストレス解消のために飲む!?
風邪の話なんて時季外れと思うかもしれません。私は今は大丈夫なのですが、8月の概算前に夏風邪を引いてその時の話です。4月にも2回の軽い風邪があって、頻度が多いのが情けなく、気分的に不安定な形で霞が関ビル内の病院に行きました。ちなみにここは職場から近いことから、大変頼りにしているところです。私は内科はもちろん、婦人科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科の各科の受診実績がありますよ、えへん!(と威張ってみます)
心配性の私は、「たいしたことのない病気での薬の副作用で、スティーブンス・ジョンソン症候群になったらどうしよう」という怖れを持っています。初めてこの病気の解説記事を新聞で見た時には、震えあがりました。どうってことのない薬で起こる重篤な副作用です。知らない人が多いんですけれどね。発生確率は低いけれど、それは国民全体で見た時に低いっていうだけの話で、自分にとっては有無の二者択一です。「風邪ごときで失明だなんて、絶対に嫌! それなら風邪薬なんていらないっ!」って思うのです。今回、漢方もやっている女医さんが診察の担当で、私は「喉が痛いかなと思った程度で、注意深く対応するのに必ず風邪を引いてしまう。症候群が怖いので、市販薬も飲んだり飲まなかったりして、そのうち悪化してひどくなる、の繰り返し。でも飲んでも飲まなくても結局、1週間は直らないというのが正しい状況ではないか。そもそも風邪では対症療法しかないと聞く。また市販薬はどれも総合感冒薬で、必要ない成分もたくさん入っていて、ますます副作用が不安。どうしたらいいの!!!」って訴えました。
これに対する女医さんの返答が個性的で、「飲まないのもストレスでしょう」って感じの答でした。ストレス? ストレスってどういうこと? その後の説明で理解したのは、「風邪薬は対症療法でしかない。喉痛、咳、鼻水などの症状が生活の上でストレスとなるので、それを薬で抑えるというもの。だから服用で副作用が心配というストレスの方が強いなら、薬は飲まなくてもなんら問題はない」ということでした。根治しないと大変な大きな病気なら、薬を止めるのは問題だけど、風邪は「薬? 好きにすればいいよ」ってことなのです! これ、目から鱗でした。なんと、今まで100回くらい?風邪を引き続けてきたのに、この年になってようやく到達した悟りの境地…(笑)。
そのうえで、喉が痛みだしたら即、服用して、何度か続けることで風邪に移行するのを抑えられるという漢方薬「小青竜湯」を処方してもらいました。風邪にならずにすむ、とファンが多いそうな。漢方とか天然物とかだって危ないものはあると私も理解していて、でもこれは漢方の中でももっとも安全なタイプだとか。今後、危ない時にこれを服用してうまくいくといいなあ。
でもダメでも、まあいいです。悟りをひらいたから。つまり風邪を引いてしまったら、「その日の仕事(原稿を書いているだけの日と、講演の予定が迫っている日とでは選択が違う)を考えて、仕事の影響を抑えるために対症療法として西洋薬を飲む。病院処方なら咳、鼻と特定の症状だけの薬が用意されているし、ここで漢方薬を選ぶこともできる。あとはもう、低空飛行を1週間から10日間、続けて直るのを待つ。それだけ」。
それにしてもストレス解消のために風邪薬を飲むものだとは。通常の精神的なストレスであれば、お酒とかケーキとか、好きなもので解消を図るもの。でも体にとってのストレスという意味では、風邪の各症状がストレスなんですね。なんか私、一皮むけたかも。さてまもなく下期入り、これからの私は今までとは違うのよ~!