女性職員が元気な山口大、東工大は学長が…
山口大学へ、産学連携や広報のコミュニケーション話をしに出向きました。同大は「知財教育」という他大学ぶっちぎりの強みを持っています。6年ほど前から知財を1学年約2000人の学部1年生必修にしているのです。さらに最近はデータサイエンスも1年生必修にしていますが、こちらはともかく、知財の必修(文系でも重要な著作権など含めて)は普通、考えられませんよ~。さらに他大学の教職員に、開発した知財教育の教材を提供し、ノウハウを伝える役割を、文科省認定の共同利用の拠点として担っています。「共同利用・共同研究拠点」は知っていましたが、教育活動でのそんな仕組みがあるって、私もそれまで知りませんでした。
http://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/chizai/?page_id=1956
地方大学ではちょっと親しくなっても、学長が代わったらつながりはそこでお終い、となりがちです。頻繁に地方へ取材に行けない私としては、仕方がない。弊社では普通の案件は、地元支局の記者が担当するためです。でも山大(山形大学も山大といっていた気がするけれど、どうでしょう?)とは法人化前後の、大学の知財が盛り上がった時からのお付き合いです。特許庁出身のため知財や官庁にも強い大学人が私のキーパーソンで、「今こんなことが問題になっている」と時々に教えてくれるのです。しょっちゅうではないけれど。それで山口大の記事を書いたり、ヒントをもらって官庁取材に出向いたり、細く長くで15年ほどのお付き合いとなっているのです。
現地に出向いて今回、感心したのは「教職協働」つまり、教員と職員の距離が近くて、「一緒に改革していこう」という姿勢がよく見えることでした。一般に職員は、教員を「支える」意識から黒子に回って、記者など外部訪問者に対して近づいてこない印象です。でも同大は中堅女性職員が役員男性教員に、「同僚」という雰囲気で冗談を言っている。そして教員が促さなくても自ら、名刺交換で私に声をかけてくれます。まあ取材ではなくて、講演で職員も参加していたからという面はありますが。私立大学に比べて国立大学は、教職協働がやりにくい環境だな、と思っていただけにちょっと驚きました。
どうしてこんな風になるのかな、と考えて、岡正朗学長の人柄だと思い至りました。いつも笑顔。医学部出身とは思えない気さくさ。職員にもさりげない心配り。常に前向き。「北風より太陽」です。大学改革を進めるのに、強権的なトップ(北風)では、部下はコートの襟を立て下を向いてしまいます。でもポジティブシンキングのトップ(太陽)なら、部下は上着を脱いで、腕まくりして「よしっ、一仕事!」となるわけですね。こういう反応は、とくに女性職員で顕著なのではないでしょうか。
それで似た大学を思い出しました。東京工業大学です。益一哉学長も笑顔で気さくです。半年前のホームカミングデー(私の修士時代の母校なのです)では、女性の課長や室長が続々と名刺交換に寄ってきてくれて、びっくりしました。かつて&今の広報課長の女性と親しいことから、私の話が伝わったのだろうと想像しますが、「女性管理職がずいぶんと多いんだな」と感心もしました。
さらに今ひとつ、気になる国立大学が出てきました。学長リーダーシップがすごいと聞いて、初めての出向いた長取材。なんと、学長が声を挙げて笑うではないですか。女も男も愛嬌です。人を相手にする仕事ですからね。さらにフォローの取材をした相手は、とても係長とは思えないレベルです。この背景を探りたい! 秘訣を明らかにしてまた、ご報告いたしますね。
…ところでアップした画面をみると、表示が変ですね。どうしたらいいのだろう…、すみません、とりあえずこれで行かせてください!