« 免許などに旧姓を記載するノウハウ | トップページ | 卒業を前に恋心を知る? »

2020年2月19日 (水)

取材先の人柄と、取材者の経験値

ニュース記事は通常、取材先の人柄は関係ありません。ニュースの中身が価値のすべてだからです。そんな中で特に人柄に注目するのはインタビューです。「記者の目」というコーナーで、インタビューイーがどんな人かということに触れるためです。取材中に自分で「こんな人なんだ」と感じ取って書くとカッコイイ(相手も感心してくれるはず~)ですが、初対面1時間半ではかなわないことも多い。それで「学長のお人柄も紹介したいのですが、こういった改革の上で▽など、どんな風に対応されているのですか」といった感じで直接、聞いてしまうこともあります。最初は「失礼かな」と思ったのですが、聞いてみるとそれなりの中身で話してくれることが多く、重宝しています。

ところがここへ来て、取材時に「この人、ユニークな考えを持つ人だな。どんな経歴なんだろう」と気になって、インタビュー記事を予定しているわけではないのに、個人的なことを聞いてしまうケースが出てきています。なぜでしょうね。今日、お会いしたのは大学発ベンチャーの女性社長。ベンチャーのキャピタリスト出身と聞いて、前回の最初の取材では身構えたんですよ。MBA系は男女とも怖い人が多いから。競争の激しいビジネスに携わっているせいだと思うのですが。ところが取材後のメールのやりとりで、記事の反響の喜び方など思いのほか、感じがよくて。「どんな人なのだろう」と。今日はその後のVBの進展を聞くのと合わせて、MBA主流派ではない意外なご経歴などうかがい、話が弾みました。このところ手がけている専門職大学のトップ(学長または学校法人の理事長)取材もそうです。専門学校の経営者とか元高級官僚とかで、「理系の大学人」を初めとする取材先ではないから、いつもと異なる刺激があるのかもしれません。

えっ、おしゃべりで油を売っていて大丈夫か、ですって? 大丈夫なんですよ。最近は取材して15分もすると「これはうまく仕立てると、ウエブでも大人気になるな。注目テーマだから解説記事につなげよう」「ちょっとまて、先日のあの取材とくっつけると、社説に書けそうだな」とか、発想がどんどん広がるのです。取材者の経験値が上がると、そういうことができるようになるのでしょう。AIにはできない。研究者は40代あたりがピークというけれど、哲学者は年齢を重ねるほどレベルが上がっていいますよね。記者も若手は瞬発力で勝負だけど、年長者は経験値が効く。ここに相手の人柄や考え方や行動の斬新さが、絡んできて相乗効果です。ユニークで社会的に意味ある「新たな何かをする人」は、本人自身もユニーク、というのもあるのでしょう。

それにしても。こういった変化を感じるのは、ここ1カ月ほどのこと。どうしてかしらん。とあるテーマで、アンテナを立てるようになったことも関係しているのかなあ。仕事が超楽しい(笑)。この取材先との絡み方、よりよい分析できたら、またブログで報告しますね~。

| |

« 免許などに旧姓を記載するノウハウ | トップページ | 卒業を前に恋心を知る? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 免許などに旧姓を記載するノウハウ | トップページ | 卒業を前に恋心を知る? »