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2020年4月10日 (金)

テレワーク初体験、働き方改革の厳しさを思案しつつ

新型コロナウイルスで非常事態宣言が東京都などに出ましたが、メディアは業務制限の対象業種ではありません。そのため、久しぶりに本社に顔を出すも、職場の人数など見た目はさほど変わっていない感じでした。一方、文部科学省では感染者が出ていませんが、今週は内閣府で発生するなど、かなり「敵が迫ってきている」雰囲気があります。うちは文科省クラブに主要4記者が詰めています。それもどういうわけか、他メディアのブースに比べて、極めて人口密度が高い(スペースが狭いところに4人が入っている)のです。もしだれかが発症したら、間違いなく4人全員がやられ、「前線、崩壊!」となってしまいます。そこで2グループの交代制にすることになりました。つまり、発生したとしてもその本人と相方で食い止め、もう2人は動ける態勢にしておこうと。テレワークへシフト、です。記者は仕事柄、PCもスマホも業務用の貸与を受けているので、環境的にはあまり問題ありません。その結果、別グループとなる同僚2人とは、ゴールデンウイーク(GW)明けまで顔を合わさないことになりそうです。

やったあ、ついにテレワークです。新しい取り組みですから、関心大です。利点と欠点はちまたで言われている通りだと私も思います。通勤時間がカットできる(往復3時間が浮くと、平日でも自宅で映画一本を見れるくらい?)、自宅の環境が書斎タイプで整っていれば、余計なものにわずらわされずに仕事ができる、などがメリットです。一方で公私の区別が付けにくくてだらけてしまう、周囲とのコミュニケーションによる理解や融通や刺激がなくなる、運動不足になる、などがデメリットでしょう。大学も首都圏はGW明けまで入構できないところが大半で、対面取材の予定が壊滅状態(なぜか神奈川県の某大学だけ、「予定通りで」といっている)で、現状ですでに「PCを前に座りっぱなし」状態なので、気になります。でもまあ、正当な【好奇心】を持つ記者としては、新しいことは楽しみです。

これを機に社会全体で、テレワークはこれでぐっと進んで、雇用や収入の形に影響が及ぶことでしょう。正当な【慎重深さ】を持つ私としては、不安も持っています。というのは、本当に「テレワークで仕事の効率が上がる」というのは、一部の能力が高い人に限られると思うから。そういう人はテレワークも好き放題の「裁量労働制」にシフトして、社員ではなく「高額での業務委託」という形に変わっても、問題ない。でも大半の人はテレワークで公私の区別がつけにくく、だらだら仕事をして、自分の能力を磨く機会もなく、仕事の質は下がると想像するのです。「この程度の質の仕事か。しかも会社にくる必要もないじゃん」とみられる。そうすると将来は、「本社の正社員はごく一部。並以下の能力の人は皆、定額の業務委託(個人事業主、すなわちフリー)で自宅で働いて派遣とも異なる非正規雇用が広がってくるのではないか。もしくは「社員なら、裁量労働制にするよ。テレワークし放題でどうぞ」と。、

「裁量労働制」って能力ある人にはいいけれど、成果が出せない人はいくら努力しても、職場環境をよくするなど別のよさがあっても、認めませんっていう仕組みでしょう。「低収入は自己責任」とされてしまう。日本は他国より労働生産性が低いとのことで、日本型雇用習慣の見直しが進んでいる。だから今回のことで、これらはぐぐっと進むのではないでしょうか。病気を抱えていたり、子育て中だったりという社員も、昔は少なかった。けれど活躍を後押しする社会環境が整って、決して少数派ではなくなってきた。だからもう特別扱いではなく、それなりに競ってもらいましょう、とこれからはなりますしね。

それから今回の件、休業補償や支援給付が充実しているほどいい社会、のような向きがあるけれど、どうでしょうか。巨額になってくると、ねえ。政府が出してくれるって、それは公費ですからね。普通にしていたら全国民が将来にわたって、赤字国債や増税や年金減額で、ぐっと苦しくなりますよ、という話でしょう。

とまあ、暗い話にしてしまってすみません。年齢的に自身の働き方をあれこれ考えるようになっていて、合わせて下の世代はどうなっていくのかなと想像するものですから。高度成長期が典型だけど、皆がハッピーな社会をつくるにはやっぱり経済成長が必要なのかあ~~。というわけでイノベーション創出、でしょうか。自らを含め多くの人がイノベーティブになって、恩恵を社会全体に還元できるようにならなくては、いけないのだなと再認識しています。

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