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2020年10月

2020年10月29日 (木)

取材先、冷たい相手とはサヨウナラ~

このところ2件ほど、「親しい大学のはずだったのに、冷たく取材を断られた」ケースがありました。一つは学長が、私の記事執筆に前向きなのに、広報担当理事らが反対したケースです。企業と違ってトップダウンが必ずしも進まない大学で、広報担当理事は連携相手の会社がリリースしたいというのに配慮している様子です。もう一つは、官庁事業の採択があったので、その内容を具体的に書いてみようと思ったのに、「もう少し展開してから、発表したいと思うので」という返事でした。どちらも長年、大学として応援しているつもりの先だっただけに、がっかりです。組織力より個人の判断という大学ゆえ、事務方もすぐ移動するしで、コロッと変わっちゃいます…。

こういう相手には啖呵を切りたいですねえ~。「発表したって、どのみちメディアはほとんど取り上げないじゃない。大学ブランドと内容インパクトで、いつもイマイチって思われていること、知らないの?」って。大学のホームページ掲載と、あとあちこちのリリースを集めたウエブの【PRタイムス】とかしか載らない。結果、関係者しか見ない。何の発表にもなっていないと思うことが結構あります。地方大学の案件だと、一般紙の地域面にどっと載るテーマであっても、資金供給元の文科省も大企業も読まないじゃない。だったら! 全国紙の日刊工業で、20年弱の専門を貫く私が書く方が俄然、アピールすると思うのだけどなあ。ウエブ時代だって、その案件をどこかで耳にしないと、だれも検索しないわけで。タダで、しっかりコミュニケーションしてくれる記者(私)を大事にしないなんて、もったいないですねえ、と思います。

でも。捨てる神あれば拾う神あり、笑。今の2大学よりずっとブランド力のある研究大学との、いい関係もちょうど2つありました。一つは、向こうから「学内活動だけではもったいないので」と声をかけてきてくれた件です。もう一つは、親しい先生を通して大学の幹部につながり、初回のウエブ取材・記事掲載も理事ら大勢が喜んでくれて、次の大きな企画提案につながりつつあるケースです。そういえば文科省でも、「山本さんの企画、大歓迎! ぜひ情報発信お願いします」と、ほとんどツテのない大学の窓口を紹介してもらうケースも、これまた2つ出ています。だから、いいんです。うちが嫌なら、サヨウナラ。私も無理しません。弊紙にも取材先にも読者にも、WinWinWin(?)の形を築くことに力を入れていまいります。

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2020年10月20日 (火)

甘いもの好きだから抑制していて

私は甘党ですが、若い頃と違うので、飲食には気を遣っています。ベーカリーのいろいろなパンも好きで、大昔の学生の頃はランチに甘いパン二つ、それだけ、を毎日のようにやっていました。今は「うーん、久しぶりだから今日は買っちゃおうかな。一つはスイーツ風の、一つは栄養を考えたおかず風のもので。その前に持参のグリーンスムージーも飲むし」などと、だいぶ思案したうえで店に入ります。また最近はベーカリーが多いんですよ。郊外の自宅近くでも4件もある。でもサンドイッチを含め、栄養バランスのよいパンというのはなかなか、種類が限られて悩ましいです。その中でいい店を見つけました。文科省から近い霞が関ビル地下一階、「パン工房 ベルベ」です。惣菜パンの栄養バランスがよい感じで、種類が多い。ボリュームと値段のバランスも良い感じです。ランチ用に二つ購入するのに、甘いものではなく惣菜パンだけで二つとしたのは、生まれて初めてかも知れません、笑。同店はこれから時々、活用します~。

もう一つはコーヒーのデコレーションです。クリームたっぷり、躊躇なく手が出せるものではありません。値段も、高級デザートに足を突っ込んでいるレベルです。スターバックスで「秋向け商品、マロンクリームかあ。いいなあ。抱えているorやりとげた仕事を見ての、”ご褒美”購入かな」と思っていたんですよ。お店を見るたび、4回くらい。そしていよいよ、「よし、今日、いっちゃおう!」と足を向けたら…。なんと「ソールドアウト」。もう栗は終わって、さつまいもにシフトしていました。早すぎる…。まあ向こうはビジネスだから、あの手この手で魅力を出し続けているのでしょうけれど。

それで思い出しました。取材先の年長の先生が「夕食は炭水化物制御でご飯を抜いている。白ごはん、大好きで。食べ過ぎちゃうから」といっていたことを。それを聞いた時は、「変な先生だな」と思ったんですよ。私も今よりもちょっと若かったから、わからなかったんですね。でももはや、その悩ましい思いはよく分かる。辛党の年長者にも、病気によってお酒をセーブしている人がいるし。嗜好はそれぞれ違うにも関わらず、そっと悩みを共有できる世代になりました。

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2020年10月10日 (土)

忙しくなるも、自分らしく進められる自信

ノーベル賞やら、日本学術会議やら、10月下期入りを機に忙しくなってきました。ノーベル賞、今年は外国人のみでしたが、3日目のゲノム編集は、大物テーマで各紙も1面に据えていました。弊紙も日本人決定時に準ずる量で展開となりました。おかげで久々の激しい疲れ方、朝は布団から体が持ち上がらないくらい、ぐったりでした。「そうだったなあ、コロナで働き方の調整がしやすくなる前は、時々こうだった。これでは50歳代後半の仕事はおぼつかない…と不安になっていたなあ」と思い出しました。

でも。もはや社会は、コロナ前の状態に完全に戻ることはありません。働き方改革が大きく動いているし、私の場合は今春からの社内職位の変化があったことも幸いです。社内の別部署に協力する業務依頼が複数、出てきているのは、コロナで停滞していた企画が、ここへきて動きだしているせいもあるのでしょう。大丈夫。自分らしいやり方・ペースで、それぞれの仕事の質の高さを求めることができる、という自信が芽生えています。

自分のペースと言えばノーベル賞のゲノム編集で、紙面制作が錯綜した時もそうでした。全体を仕切る幹部が声を張り上げ、厳しい注文を出しています。科学技術部の経験の浅い記者は反応はなんだか自信なげだけれど、ベテラン勢がそれを援護射撃します。私はノーベル賞についてはサブ要員のつもりでしたが、打ち合わせで幹部の問いかけに、他からすっと答えが出てこない時、「あっ、これは私なら答えられる」とパッとと発言し、よく聞き取れるように立ち位置も、さっと幹部の方に近づきました。2,3回、そんなことがあって。サブ要員でも「役に立たないシニア」じゃあないし、「昔のやり方で若手を押さえつけるベテラン」でもないし、なかなかいい位置を確保できたなあと振り返りました。

後日、仲間とのおしゃべりで、「ああいう場でリードする人は、アドレナリンが出まくってエンジンをふかすのが得意なタイプが向いているんだね」などと話していて。そうしたら相手が「山本さんは落ち着いていて、いいですね。いい意味で、余裕があって」とほめてくれたんです。そうか。そんな風に見てくれたんだ~。嬉しかったです。

記者は社外の信頼を得て、いいネタを採ってくるのが重要な仕事。担当にもよるけれど、私の場合はほとんど、個人で動きます。だからこんな切り口の褒め言葉をもらうのは珍しいんです。私でさえそうなのだから、やっぱり若い人はほめられると頑張るだろうなあ。上司は部下をほめたりしかったり、人材育成が仕事。だけど1ベテラン記者も先輩として、若手・中堅のやる気を刺激する褒め言葉を、もっと意識してコミュニケーションしていこうと思ったのでした。

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2020年10月 5日 (月)

会見場からの通信にもう、慌てない

東京大学の次期総長候補者の案件は、久しぶりに(概算以外で)瞬発力を発揮する案件でした。前日、広報に電話するも、あまりはっきりしたことをいわないので、本社のデスクとのやりとりも微妙です。「当日、昼すぎに会見の案内を文科省記者クラブに張り出す」というので、それを待つしかない状態でした。「東大の会見が夕方遅くなら、別の記者懇談会に出て、そこからまわろう」と思案しつつでした。そして当日11時半頃、案内が判明。次期候補者の略歴まで入っています。数日前の一般紙記事であがっていた藤井理事、生産技術研究所長時代から少しやりとりのあった相手です。即、第一弾の執筆を決めて連絡をし、さっと執筆。1時間たたずに出稿! これで昼食を抜かさずに済みました、笑。別の記者懇談会の広報さんにはドタキャンを謝る電話をかけて、移動します。

東大の会見は、この一週間ほどずっと騒いでいた、「候補者を数人に絞る段階の経緯がおかしい」という学内反発の件で、終始するに違いないと踏んでいました。それで質問は真っ先に、目立つように挙手して、最初をゲット。理事としての担当が財務と産学官協創で、東大の経営改革の要として活動されてきた点について聞きました。その後の質問は、そうだなあ7社・件ほどでしたが予想通り、すべて総長選びの手続きを問題視したものばかり。よかった。もっと難しい案件だったら、最初の質問を獲得するため「ハイ! はいはい!」と立ち上がることを次回は考えましょう、笑。

そして最後のハードル、原稿の送信です。会見場に入って、スマホの通信機能を使ったテザリングをいじったのですが、うまくいかないくて、ちょっと気になっていました。「ちょっと」だけです。結局、会見室を出て屋外で試すも、だめ。前後に部の仲間と、会社のシステム担当者に連絡して相談して、その途中で要因に気づいて対処したところ、うまくいきました。やったあ~。以前はこの原稿送信が「鬼門」だったのです。締め切りに余裕がないときに、トラブって頭に血が上った経験が何回かあって。そのため「会見場からの即は嫌」と、できるだけ避けていたんです。「シニア記者はITに弱いねえ」なんていわれるのは、いけないなあと思いつつ。

ところが。今回は心に余裕を持って対処できました。時間的な余裕を別にして、なぜか。それはテレワークにより自宅で何回か、通信に苦労するも対処するという経験を積んだからです。ズームがダメで電話取材に変えたという、先のブログで書いたローテク対応もその一つです。やっぱり大変な思いを経験して、余裕を獲得するように変わるのって大事なんですね。今、女性リーダーのキャリアを聞く取材が多いのですが、そこでも「心配性の女性は多いけど、やってみればほとんどはなんとかなるもの。挑戦すべし」っていわれて、そうだなあと思ったのも重なりますね。多少のトラブルに慌てふためかない姿勢を、これから確固とさせていきたいなと思っています。

ちなみに、東大次期総長と現総長を比較した、ニュースイッチでのコメントはこちら。https://newswitch.jp/p/24045
やや突っ込んだコメントをできるかどうか(突っ込みすぎのトラブルは避けながら)も、上記の姿勢と重なります。上手にやっていくぞ~!

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