英語で授業を実施しました!!
某都内国立大学で技術コミュニケーションの非常勤講師を10年ほどやっています。授業のやり方がこのほど変わりました。新型コロナでの、オンライン授業でしょう、って? そうではありません。別の大学の非常勤講師はオンラインなのですが、こちらは対面です。変わったのは、言語です。英語の授業です。留学生が多く参加する形の科目に変わってしまったためです。
それまで使っていた日本語のPPTを、昨年度に担当の先生が訳してくれたおかげで、英語のPPTができていました。私は博士課程でも、論文は一つ、多大な苦労をしながら英文で発表しましたが、国際会議での英語発表経験はありません。それで訳してもらったPPTシートをみて、「箇条書きになると、英語でも主語がなくなるんだな。あたりまえかあ~」などと関心していました。昨年度はそれを提示して留学生に見てもらうものの、授業は日本語で通しました。でも、それってやっぱり、好ましいものではないですよね。非常勤講師に対しては、大学側も厳しいことはいえないって感じだと思うのですが、留学生にはやはり申し訳ない状態です。
そんな状況を気にしながら、今年度の授業準備を始める時に、気づきました。「これ、まずはPPTに書いてある英語を”読めば”いいんじゃない?」と。それにちょっと説明を加えるくらいならできるかな、と。幸い今年度は、仕事が忙しい時を外しての日程で組めました。それにスピーキングは、ヒアリングと違って自分本位なので、準備が可能です。何度もお伝えしているので恐縮ですが、ベルリッツに2年で100万円を投入して身に付けたスピーキングです。だから、「これくらいはやらなくっちゃ!」と奮い立ちました! それでPCのグーグル辞書と、情報通信研究機構(NICT)の音声翻訳スマホアプリ「Voice Tra」(ボイストラ)を使って準備をしました。ちなみにどちらのソフト・アプリもおすすめです。特にNICTは私たちの税金で研究して開発しているのですから、大いに使わなくてはもったいないです。
そして。座学を2回、実施し終えたところです。関門は、なんといっても質疑応答です。留学生もネイティブではないので、ゆっくり話してくれるのですが、私を含めて担当の日本人3教員が固唾を飲んで、質問に耳を澄ませます。理工系なので多くの先生は、「自分の専門領域なら、専門用語も慣れていて対応できる」というレベルです。専門外だとやや心もとなく、3人で「こういうことを聞いてるんですよね?」と相談しながら、回答するという状態でした(笑)。初日は2件とも私も聞き取れて、少し自信がついたのですが、昨日のは実は手こずったんですよ~。
さらなる問題は次回の演習です。技術コミュニケーションに関わるミニプレゼンを各人にしてもらうプランです。事前に英語または日本語のテキスト文で提出してもらうことにしていて、私は事前にそれを読んで、コメントを考えなくてはいけません。表向きには「議論をする」といっていますが、聞き取りが怪しい中で私が議論をリードするなんて、実際は難しい。ですので私が、時計を見ながらベラベラしゃべる割合を増やそうと考えています。あっ、でもさっき思いついたんです。その場での質問や発言は、私がさっとスマホを留学生に差し出して、先の翻訳アプリ、Voice Traを使って、そこに話してもらえば、日本語の文章がさらさらと流れてくるのではないでしょうか! さて、どうなるやら。当初、ブログには全部が終了してから書こうと思っていたのですが、変更しました。最後の週になって、壊滅的になるという可能性もかんがみて、「今のうちに書いてしまおう」と考えたのでした…。