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2022年7月

2022年7月31日 (日)

2022年7月第5週。教育未来創造会議・第一次提言の反応

実はこの件、最初は書くつもりなかったんですよ。政府の教育未来創造会議の第一次提言。出世払いの奨学金など、途中段階から一般紙がよく書いていたので、「うちはいいワ」ってほおっておいたのです。でも、複数の大学取材先がどうも「この内容がよくわからない…。だけどこの方針にあった計画を出さなくてはいけない」と悩んでいると知って、「それじゃあ」と取材に動いた結果の【作品】(解説記事)なのです。

例えば提言の中の規制緩和は、新たに学部学科をつくる時などを意識しています。国立大は原則、学生定員が増やせないので、私立大学向けの支援か? と見えます。全体にかぶさっている「理系学生を5割へ」の話とあわせてみると、「私立大に理工・情報系を増やしてもらおうという話なのか?」と、国立大の幹部は考えるわけです。でも文理横断や、理工農系の理系女子増については「文系も理系も、国立も私立も頑張ってやってくださいよ」といっている。ちょっと錯綜した感じでした。

私の方も永田筑波大学長のコメントを聞いた6月の段階では、よくわかっていませんでした。写真は国立大学協会の記者会見で、この案件の質問を受けた永田先生です。Dsc_2281 「これは個人的な見方だが」と断ったうえでの発言だったにもかかわらず、某紙は国大協会長としての発言として記していましたよ。まあこれはどちらでも大差ないでしょうけど、この辺の線引きがいい加減な記者は、ちょっと危ないですね…。取材に回って理解したところは、三重大の西村教授のコメントのような感じです。こちらも本当はもう少し長く、書いておつたえすべきだっのですが、わかりにくいかなあ。説明のご希望あれば、個別に私にご連絡くださいね。記事はこちらから。

お盆が近づいてくると、紙面の制作をどうするのか気になります。なぜなら連動してニュースイッチへのアップが変わり、それを受けてのこのブログの記事配分にも影響が及ぶからです。これって取材のどこかで聞いたことのある言葉…、カスケード(滝)方式の一種かしら?! 

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2022年7月30日 (土)

大事な会見が吹っ飛ぶかも…それならリークで?

東京外国語大学、東京農工大学、電気通信大学は東京西部の近隣単科国立大ということで、サステナビリティをはじめとする教育連携を進めています。これを「これから研究の連携にも拡大します、新組織を立ち上げました」とお披露目する記者会見が開かれました。私は3大学とも親しいので「えーっ絶対、行きたい」と思ったのですが、会見案内がくるよりはるか前(笑)に、千葉の大学取材予定を入れていました…。複数の関係者が絡んだ取材のため、変更がしづらくて。広報に「会見は欠席で申しわけないのですが、後で資料と写真をいただければしっかり書きます」と伝えました。会見の数日後に記事掲載となり、それで完了。特に気に留めていませんでした。Dsc_2381 ちなみに写真は東京外大の本部事務の建物です。

ところがその後、一人の学長とやりとりをして「記事掲載、ありがとうございました! あの日は大事件があったおかげで全然、記事にならなくて閉口していたのですよ。会見には5社ほど記者も集まってくれたのですが…」との話が出てきました。そう、安倍元首相が殺害された7月8日(金)の会見だったからです。なんと。

そういえば、千葉の大学の取材を終え、昼食をとっている時に、支局の仲間が「安倍さん、撃たれたんだって」とスマホのフラッシュニュースをチェックして、話題になりましたっけ。その日、3大学のトップが顔をそろえた、それなりに張り切っての会見でも、ねぐられちゃったんですね…。むしろ最初から、日遅れで掲載の予定を組んでいたうちで、数日後に何事もなかったごとく(笑)、素直に掲載されたというわけです。

あ、さらにもう10日ほど後に、某紙の地域版(東京多摩地域版)で掲載されていましたっけ。署名の記者名は文科省記者クラブ詰めの人でした(多摩支局の人ではなかった)。本来は総合面で入れるつもりだったのが、日にちと面を変えての掲載になったということでしょうか。

この、「大物の事件と当たったら、大事な会見が吹っ飛んじゃう」というのは、運が悪かった、としかいえないですねえ。でも。一つ対策があります。会見にしないで、1社単独の記事にしてもらうことです。私はこれ、メディアコミュニケーションの講演の中で、大学側が「発表にするか、1社単独(その社のオリジナル記事になる)にするか」という思案を説明する時によく、取り上げます。1社のオリジナル記事だと、掲載日の変更など、融通が効くからです。日刊工業新聞的には「発表で一般メディアと一緒だと、読者はみなそっちに引っ張られて、うちが書いたところで見てくれない」わけです。だから「発表なんかにしないでこの話、うち単独で書かせてもらえませんか」としばしば、取材先に迫るというわけです。

「リーク」って言葉があって、これは書いてもらう方の意思が先にあり、好みのメディア1社の記者を呼んで、書いてもらう形です。実はこの言葉、ニュアンスが微妙です。「ブランド力のあるA社に書いてもらいたいから、担当記者を呼ぶ」という形で、記者の能力は関係ないことが多い。記者と面識がないケースもあります。「A社に所属していたから書けただけでしょ。スクープじゃないよね」と記者の間では、ひがみも含めてうわさするのです。

対して、「A社のB記者はいつも素晴らしい記事を書いているから、B記者に大きく書いてもらいたい」というケースがあります。そういうのは「リーク」って言わないんじゃないのかな。それはB記者の実際の評価に基づくものですから。一番、カッコイイのは唯一、ネタをかぎつけて話をきいて、「この件、発表予定なのですか? うち単独にしてもらえませんか。大きく書きますよ」と交渉して、OKをもらうことです。私も狙うのはココです。専門紙の専門記者の醍醐味です。メディアのブランド力がいまいちで、普通のリークはなくても、ひがんだりしませんよ~。

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2022年7月24日 (日)

2022年7月第4週。林真理子氏の社説を書くなんて

1.日大、林真理子新理事長を社説で応援しました(ニュースイッチ紹介まで、時間がかかり失礼しました)。林氏は小説家ですからね。企業でも官庁でも大学でも、大きな組織の上層部どころか管理職経験もない人です。私もそうですが芸術系など、個人の創造性を重視する職業人は、そういうものです。

その中で林氏のような、私が(理事長を)やってみせる!! という熱意は、他のだれにもみられない、貴重なものです。いくら大学経営の経験が豊富でも、ほとんどの候補者には特別な思い入れなどなく、「こんな非常時の案件に対応はちょっと…」と大役を引き受けないのが普通ですから。

 林氏は賑やかな著名人で、私よりほぼ一回り年上です。女性誌などメディアでも本音で、つまり普通なら公式に言わない内容や表現を選ぶ様子に、「良くも悪くも、すごい人だ」と以前から気になっていました。男女雇用機会均等法前に社会へ出て、活躍した女性はどの人もパワフルですが、林氏はさらに組織人ではなくて自力で成功した人です。

ヒットした「野心のすすめ」という著書(エッセー)がありますが、まさにこの人ならでは、と感じました。そんな驚嘆を持って眺めている、別世界の有名人だったので、自分の仕事の上でつながるなんて(会見に出ただけですが)ちょっと不思議な気分で驚いています。写真は会見スタート前の様子です。記事はこちらから。Dsc_2340

2. 電通大、DS/AIの6年一貫教育&女子推薦枠設定。アファーマティブアクションですからね、女子枠というのは。試験による一般枠は男女完全に同じという仕組みを置いたうえで、これを設定するというのは正解でしょう。

ケースによっては「片方の性に寄っていても、別に問題ないんじゃない」でしょうし、「アファーマティブアクションをしなくても、少しずつ変わっていけばいいじゃない」という意見が強い。ですが、理系人材はイノベーションの源泉ですからね。「均一な人材だけではだめだ、意識して異質な人をどんどん取り入れよう」と考えるかどうかが、賛否の分かれ目でしょう。記事はこちらから。

3. 10兆円ファンドの国際卓越研究大学、事業成長3%はどうなった?! 政府も「3%」があまりに一人歩きしてマズイと思ったのでしょうか? 実質、取り下げた感じです。

各大学は「国が変な数字を挙げて言っているが、あれは本質的なものではない。重要な部分はもっと別のところにあるだろう!」と信念を持って、対応すべきだったということですかネ。今回の件に限りません。組織でも個人でも、資金源の顔色を見て動くのではなく、自立して自信を持って動くためには、信念も経済力も(大学も自ら稼ぐということで)必要なんだな、と改めて思います。記事はこちらから。

3. 産業DXの大学教育。以前にニュースで書いた工学院大と、東京都市大に、新たに山口大を加えてのまとめ記事です。実はこれ、少し前に紙面で掲載し、その時はニュースイッチをパスしていたものでした。8月頭の、ニュースイッチ記事を使った「ボイシー」で、このテーマを思案した段階で、「あっ、スイッチに書いていないわ」と思いだして。編集部に対応をお願いした形です。

私の発信メディアはまず印刷媒体の記事の日刊工業新聞、次いでニュースイッチ、週末のブログ、2月に1回はニュースイッチ活用のボイシー…ということで、やや錯綜することがありますけれどご理解くださいね。記事はこちらから。

ちなみに今週のニュースイッチ4本、掲載日が連日になっております。絶好調です、笑。お盆前の駆け込み締め切りもあるのでしょう、社内も社外活動も案件が多くて多忙ですが、大丈夫。私、「何事も上手くいかないときは、おとなしくしている」けれど、「調子がいい時は(いい気にならないよう気をつけつつ)張り切ってがんがん動く」がモットーなのです。

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2022年7月23日 (土)

農工大近くの和食屋が…!

東京農工大学の本部(府中)へ取材に行ったときのこと。近くに和食店があるのですが、あれっ、なんか変な感じ…。通り過ぎてから戻って確認、状況を把握しました。写真がそれです。Dsc_2355 分かりますか?

和食屋の店構えのまま、インド料理屋に変わっていました。写真では、看板でその雰囲気が出ています。それからウインドーをのぞいてみると、メニューの写真を貼っていますが、「▽カレー」「□カレー」などあまり差のない画像でした(笑)。

ピリ辛がだめだった私ですが、近所のインド料理店へ「子どももOKのメニューもあるはず」と行ったのをきっかけに、大丈夫となりました。5段階のうち下から二つ目くらいの辛さなら、食べられる。ナンも好きで、たまに行くように変わりました。夕方からコンサートで食事の時間が半端なケースで、「遅い昼ごはんとして、ボリュームたっぷり食べておきたい」なんていうにピッタリです。

それにしてもインド料理店って多いですよね。外国人ならではの技能を生かした仕事なら、ビザがとりやすいし、身内も呼び寄せられるし、という理由があるのかな? 日本と母国の物価差を考えれば、めちゃくちゃもうからなくても(競合するお店が多いし、日本人はそんなに毎日はカレーを食べない)、それなりに仕送りが多くなって歓迎されるとか。想像ですが。

ということで次回、取材前後のランチでここにも入ってみることにしてみます~。

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2022年7月17日 (日)

2022年7月第3週。”もらい写真”と著作権

今回は1本だけ。東京理科大、日本ゼオン、同大発ベンチャー、地震による建物損傷診断のシステム開発で連携協定です。 大きな地震に遭遇して、マイホームは大丈夫?  と不安な人は少なくないことでしょう。この危険度判定を即、してくれるシステムです。多分野の研究者が連携するという、東京理科大の風通しのよさを生かした研究開発&物理学科の教授による建築系ベンチャー&日本ゼオンのカーボンナノチューブ&ドローンで空からのチェックも(これは記事では触れていません)と、おもしろい点がてんこ盛りです。ニュースイッチのコメントに書いたように私個人の関心は「大学発VBが、大学と大企業をつなぐ点が、大学発VBの理想の形ですね!」というところです。大学発VB関係は秋にかけて充実させていく計画があり、同大の別のベンチャーも取り上げていくつもりです。_2118 写真は神楽坂の校舎です。記事はこちらから。

今回はアップが1本だけですが、記事を書いていないわけではないんですよ。むしろ絶好調! ただニュースイッチへのアップが滞っている状態です。本当はもう2本ほど紹介するつもりで、そちらの写真を用意していたのですが、記事が紹介できない以上、写真は他で対応せざるを得ないわけです。で、「東京理科大は確か、神楽坂で角度を変えて、建物すぐそばだったり、通りを挟んだりして(今回のはそれ)たくさん撮ってあったはず」と探して、アップしました。

取材時は「記事に付けるグラフや図や、もらい写真(先方が撮ってあったのをもらうという意味)はあるかな」ということは気を付けるのですが、その他の写真も広く意識し始めたのは最近のことです。ブログで使うようになったからです。もらい写真は先方の著作権で、「当該記事で使うのは構いませんよ」ともらうわけなので、「私のブログで使ってもいいですか?」とは聞きづらい。ので、そういうリクエストをせずにすむ写真手配を、自分で考えるわけです。学生の顔が入るなど、肖像権にかからない写真をストックしておけば安心です。ので最近は取材時に、「帰りに建物やキャンパス風景を撮影して帰らなくちゃね」と頭に入れておくよう心がけているのです。

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2022年7月16日 (土)

今夏の買い物

今夏の買い物の戦利品紹介です。「何それ、産学連携取材日記で?」といわないでください。大半は仕事に関わるものですから~。集めて写真をとりました。Dsc_2357 いずれも機能+デザインで満足したものです。左上から左回りで解説します。

1.ドライヤー。 暑くなる前に購入してよかった、というのがこれ。今までのものは温風しかでないため、「今年の猛暑をこれで過ごすわけにはいかない」と。仕事に出る日も休みの日も連日、使う(私は夜のみ)ですからね。 セレクトはまず「海外対応」で、対象商品がぐっと絞られました。ポストコロナの海外出張は私にはもう、振ってこない(来たとしても若い人が優先)だろう。けれどその分、海外旅行を入れて行こうと思っているのが背景にあります。次いで冷風対応。さらに、それなりのパワー(パワーがないと渇きが遅い)、それなりの軽さ(パワーがあると重くなる)ーと選びました。

2.日傘。 外取材が増え、以前からの日傘を「さあ出番ですよ~」と広げたところ、UV防止の裏のコーティングがボロボロとはがれました…。流通ビジネスの記事で「6月の△デパートの日傘売り上げは前年比◇増で大人気」とありましたが、理由は6月とは思えない日差しの強さだけでなく、私と同様の発見をした人が多かったため、とみています。 セールが始まってすぐデパートに行きました。金曜夜とあって女性陣で大混雑です。イチオシ最新商品の説明プレートに「軽い・小さい・コーティングが白(黒が主流)・UV高遮蔽率」とあって引き付けられました。「対象はどれですか?」とお店の人に尋ねると、なんともう2本しか残っていません。ちょっと高いけれど、セール前から大人気だったのね。この薄黄色のデザインが珍しくていいかなあ。すると隣でお客さまが「あら、これセール品じゃないんですね」と確認しています。なんと、この期に及んで(セールで大混雑の中)値引きなしとは、自信たっぷりの商品です。それを聞いて「買い」(買うべき品物)を確信しました。残り2本、隣の人にとられる前に「これ、いただきます」。あっという間に決まりました。

3.トートバック。 真夏や真冬の外取材で、背中のデイパックとは別に持つバッグです。何を入れるかというと定期入れやスマホに加えて、夏ならハンドタオルとか、中くらいのPETボトルとか、ミニのハンド扇風機とか。悩ましいのは折り畳みの日傘を、とりあえず閉じてバサッと入れられる大きさ、というニーズです。大きいものはカジュアルタイプばかりの中、ついに見つけた花柄のバッグ。小さめに見えながらも幅は14センチメートルあります。

4.コットン(綿)100%の薄手パンツ。 外取材&冷房緩めの取材先オフィス向きの、涼しいボトムを探していました。天然素材派の私ですが、涼しいをうたう麻は苦手で。高級品であっても肌にチクチク感じてしまうのです。となると、なかなか見つからない。「ラフだけど、カジュアル過ぎない」という条件(程度問題なので人に依るのですが)もあります。その中で見つけた今回のもの。色のセレクトに悩んだ末、安かったこともあって、結論はカーキとパープルの二本買いです。めったにしないことなので「ヒュー!」。

  最後は…ちょっと仕事とは関係ないのですが、
5.水着。 泳ぎは苦手で古い水着を箱に入れたきりでしたが、「水着を買うのは生涯、最後かも」と思いながら新しいものを探し回りました。年長女性向けのスイミングスクールで着る露出の少ないタイプ。でもたまにの着用だから、着て嬉しい年相応の模様のもの。めったに着ないのだからあまり高いのもちょっと…と最も難しい買い物でした。若い人のレジャー用と異なり、最初は「どこに行けばいいの?」。5店ほど回りました。結局、スポーツ用品店の安いのは超地味なのしかないと分かり、デパートで高いものを入手しました。これも試着して「いただきます」といった上で、「お安くなりますか?」と聞くと、ならないという答。セール期間に行ったのに意味なかったのね…。ちなみに着用予定は、会社の健保が契約しているリッチな宿泊施設を8月に利用する予定で、そこにジャグジー付きプールがあるから、でした。会社の健保、っていうことでいちおう、仕事絡みの買い物の話題ってことで締めることにします。

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2022年7月10日 (日)

22年7月第2週、GIは国立女子大の存在意義かも

今回の一つ目は久しぶりの技術ネタ、早大の所千春教授(女性)の研究成果です。環境と材料に関わる話を近くすることになり、少し前に親しくなった所先生に声をかけて、リチウムイオン電池からのレアメタル回収の成果を取材をしました。所先生は金属リサイクルなどが専門で、まだ中堅世代なのに、JX金属の社外取締役というのは驚きです。東大の教授のクロスアポイントメント(正規の東大教授でもある)というのも珍しい。こんな著名な産・学2ブランドで大事な役割を負っているなんて。文系研究者は別として、理工系は研究や研究室運営にエネルギーがかかるので、年長世代や男性を含めてもそうはいないでしょうか。記事はこちらからです。

もう一つは今春から書いてきたお茶の水女子大学のジェンダード・イノベーション(GI)、本格化の記事です。私がGIを何度も取り上げている第一の理由は、今の日本社会に重要なテーマであること。第二は他メディアがまだあまり注目していない(重要性を理解していない)こと。第三は、母校である同大の存在意義として、将来にかけて重要性が高まってくると思うからです。

というのは以前にも書いたのですが、お茶大は「どうして今の時代に、国立なのに(私立ならともかく、税金を使って)、女子大(男性は入学できない)なの?」と一般社会から問われるなあ、と感じているためです。佐々木泰子学長も、室伏きみ子前学長も「共学は実社会の悪いところもそのまま取り込んでいて、女性が十分に活躍しづらい面がある。対して女子大であれば、女子学生だけの環境でぐんぐん成長し、力を付けたうえで、男女差別がまだまだ残る実社会へ送り出すことができる」と強調しています。本当にそうだと思うのですが、そうすると「じゃあもう少ししたら、国立女子大の存在意義はなくなるんですね」となる。「もう少しって、あと5年くらい?」なあんていわれると、辛いじゃないですか。私は室伏学長時代に学長特命補佐、次いで学長特別顧問をしていたので、このことはずっと気にしていました。自分で調査レポートもまとめました。でも学内の教職員にはあまり響かないままだったので、大丈夫かなあと思っていました。

そんなわけでGIの発想は、室伏前学長との議論の中で数年前に知りました。今春のGI研究所発足は「うわあっ、来たあ!」って感じ(笑)。GIを全学的に推し進めるというのは、女子大でないと難しい(共学だと「全学でするほどのものではない。やりたい研究者が勝手にどうぞ」で終わっちゃう)と感じるからです。でも大学でも企業でも、社会ニーズに敏感な幹部なら「GIを手がければ女性活躍推進やSDGSの点で社会的評価が高まるし、他にない新しい製品・サービスを生み出せるかもしれない」と考えるでしょう。そうなると、(私学はどうしても研究より教育に比重があることを考えて)国立女子大のお茶大(奈良女子大もありますが)がハブになる。他大学や産業界を、普通の大学にはない切り口で引き付けられる、というわけです。

それで今回の記事です。「GIで、こんな八つの具体的テーマの研究をスタートしました」という内容にプラスして、設立記念シンポの情報も入れました。写真はDsc_2295 その風景(Web併用だったので混み方はsoso)です。すごい顔ぶれが並びました。野田聖子大臣といった政治家・官僚の来賓はともかく、「各大学からのメッセージ」って壇上で挨拶したメンバーがすごい。東大は相原筆頭理事(ダイバーシティ担当で著名な林理事も、もちろん同席)、横浜国立大は梅原学長、東北大は大野総長、九大は玉田副学長(女性)、立命館大は仲谷総長です。よくこれだけの方が時間を合わせてくれたものです…。

もう一つ、おもしろかったのは、官僚も学長らも【メッセージの中で、自分やその周囲と、お茶大の関わりをチラっと披露した】という点です。例えば立命館大は、筆頭の松原副総長がお茶大出身者だ、といった紹介です。普通のシンポ挨拶なら、一人くらい言及する人はいたとしても、あの人もこの人も、とはならないでしょう。やはり皆、女子大という特異性を意識しているからの現象、といえるでしょう。私は三つの母校の大学の中でも、最初の学部生で過ごしたのがお茶大ですからね、やっぱり応援に熱が入ります。もっとも春からの一連の記事は一区切り。引き続き細く長く見守ってまいります。記事はこちらからです。


 

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2022年7月 9日 (土)

理研や自然科学研究機構の入館で驚く

東京中心部の高級(とみられる)オフィスビルに入居する2法人訪問で、エレベーター(EV)やセキュリティーで驚いたケースを2件、紹介します。

一つ目は自然科学研究機構の本部がある神谷町のビルです。外資系が多いせいかコロナ前から、入館時に身元のカード記入や、IC型カードでの出入りなどありましたが、今回は写真のようにこちらDsc_2205 Dsc_2206 です! EVのドア部分に動画投影があり、テレビのようにCMが出てきました。ニュースも流れています。

山手線など電車での動画(CMやニュース)は近年、増えていて、私もよく見ています。満員電車の時に苦労してスマホをいじらなくても、これをみていればまあ、たいくつしないと思います。でもEVとは…。このビル、そう高層ではないんですよ。わずかな移動時間に、ねえ。ドア上部に付いた大きな投影機などのコストを考えると、どうなのかな? 高層のビルだとしたら移動時間は長いものの、EVがシースルーの筐体で見晴らしを売りにしていたりるから、CMには集中してくれず、やはり効果が薄い気がします。

二つ目は理研の東京連絡事務所です。日本橋にある「コレド日本橋」(下の階はファッションビルで、私も時々、買い物します)の上層階、セキュリティーが厳しくてびっくりしました。まずアポが決まったらQRコード(2次元バーコード)付きのメールを受け取り、それを印刷するかスマホに保存してで、持参します。地上階の入り口とは別に6階にセキュリティーゲートがあり、そこへ行きます。 そこで驚いたのは! EVのドアが開いて真正面に警備員が立っているのはともかく、すぐ横の大画面スクリーンの動画がすごいです。警棒を持った3人ほどの警備員が「えい! エイ! えい!」と大声を出して迫ろうとしてくるのです! この威嚇力はすごいです…。

そしてこのフロアの機械で、先のQRコードをタッチすると、入館の1日券が発行されます。これについては他のビルでも経験があります。先日、ブログで書いたサイバーエージェントの渋谷スクランブルスクエアがそうでした。 けれどもこのビルでは、「一回券」という限定が付いています(そのためプラスチックではなく紙の印刷カードです)。途中、都合が生じてこのゲートを出たら(忘れ物で引き返すとか)アウトです…。とにかくこれをゲートの読み取り部にかざして、理研のあるフロアへのEVに乗り込みました。

話はまだまだ続きます(笑)。同じフロアでも、EVホールから会議室へ移動するのにまた自動ドアのセキュリティーがあり、ここは理研職員が持っているICカードでないと作動しません。入る時はまだわかるのですが、帰る時にも職員カードで送り出してもらわなくてはなりません。「空港の国際便セキュリティーは、悪者が入るのを防ぐことに重点を置いており、悪者が出ていく時には気にしない(自国にはもはや被害が及ばない、とハードルが低い)ですよね」と以前、聞いたのですが、そんな甘いことはいいません。さすが研究開発法人の中でもピカいちと思われる、ガードの堅い理研、帰っていく人さえ選別します(笑)。さらに! 取材前に化粧室を借りるのにも、部屋を出る時と戻る時と、職員ICカードがないと動けません。次回からは「忘れ物で引き返すことはないよね? トイレも事前に行ったよね?」と慎重に準備して、参ることにいたします。


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2022年7月 3日 (日)

22年6月第5週から7月第1週、サイバーエージェントが初登場

私が書く記事の主語として、「へえっ」て思うでしょう? サイバーエージェント、Web広告業界のトップ企業です。今日はこれから。写真は同社の本拠地、渋谷スクランブルスクエアの建物フロア案内です。Dsc_2226 駅&スクランブルスクエアすぐの場所で、著名IT企業が多数入っています。これが渋谷ビットバレーかあ。初めて実感しました。

1.インターネットでの効果分析などでサイバーエージェントはエンジニアの雇用が多く、そこから社内で「AI ラボ」という組織を数年前に立ち上げています。メンバー50人、その6割が博士人材(博士課程在籍中の社会人を含む)で、2025年までに陣容を倍にする、という話です。 中身だけでなく、ネタ元もユニークです。文科省の科学技術・学術審議会の人材委員会で出てきたのです。博士人材活躍を議論する上でのモデルとして。私は委員の一人として話を聞き、説明者の雰囲気もよかったので、取材を申し込みました。通常のネットワークからは得られない取材先&ネタというのが嬉しい。委員の役割と、本業の取材との相乗効果です。私は博士号取得の時も研究活動と本業と重ねて動きましたし、産学連携の取材案件もWinWinが基本なので、【相乗効果】といういう言葉が大好きなんですよ(笑)。記事はこちらから。

2.10兆円ファンド vs/and 地方大学振興パッケージ。最終面にてこの2テーマを半々で書きました。大手を含めほとんどのメディアは10兆円ファンドの国際卓越研究大学の件しか書いていません。「世間ウケする派手な事しか書けない」というのが理由の一つでしょう。もう一つの理由は、地味なことには関心を振り分けられないために「地方大支援については、知らない」のもあるでしょう。でも前者は全国で数大学のみの話。後者は「研究に力を入れます」という姿勢なら、国公私立大すべてが対象ですからね。振興パッケージの方が大切、ともいえます。メディア的にいうなら「そちらの方が読まれる面もある」というところです。記事はこちらから。

あっ、そういえば省内の夏の人事が出ましたね。局長は里見さんが横滑り、西條(にしじょう)さんが高等教育局で局長入り、と指定職(局長以上、だったと思う)は小幅です。もっとも国立大学法人支援課や人材政策課など、上記案件でも重要な課の課長が替わっています。概算に向けて「どのように省内取材に回ろうかな」と思案してまいります~。

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2022年7月 2日 (土)

隣室冷房+ネック用クールリングがちょうどいい

土曜ブログは【仕事とプライベートの中間テーマ】です。仕事に重点があるテーマを書かなくちゃと思うも、「今夏の猛暑対策として急ぎの案件を」と考え直し、本日のブログです。首に巻いて暑さを抑えるグッズです。似たものは以前からあって、複数を試しておりました。「冷凍庫で溶媒を凍らせるタイプは、結露が激しくてびしょびしょになる」「化学繊維のスカーフ風は蒸発熱での冷却狙いだけど、たいして涼しくない」(科学系の記者なので一応は分かっているつもり、笑)など一長一短でした。

そこへ今年見つけたのが、「SUO」(スオ)というブランドの、ネック用クールリングです。柔らかい首巻きチューブの中身、冷媒の凝固点が28度Cのようです。シャーベット状の冷媒が、首に巻いているとじんわり液体に変化し、そこはかとない涼しさです。液体になってしまったら冷蔵庫で少々(流水にあてるのでもいい)で、すぐまた固まります。これがなかなか、いいのですよ! 自宅での原稿執筆時など自室(6畳)のエアコンを使うと足元など寒すぎるためです。隣室のエアコンを稼働させて、サーキュレーターでそちらの冷たい風を自室に送り(複数の部屋をワンルーム化している)、これにクールリングを首に付けて…というのが、ここ数日の猛暑でもちょうどいい具合です。価格は3500円くらいでした。商品のHPも載せますね。私は記者なので、広告費をもらってブログでモノやサービスを宣伝する「アフェリエイト」はもちろん、しないのですが、読者にプラスの情報ならあったほうがいいかと思って、こちらからです。

これ、駅ビルの店舗で見つけて。具合がよいのでもう一つ買い、母に送りました。熱中症になって倒れないように、とプレゼントです。贈り物は相手の好みに合わないと双方にとって不幸なので(笑)、「使ってみて、いらなかったら私が引き取るので気にしないで」と伝えました。もう一つ、自分用にはシート状(椅子の上に置いて座るなど)のものを買いまして。実際に今、両方を使ってブログを執筆しているわけです。Dsc_2349 写真はその二つです。

お店の人によると「去年も大人気だったんですよ」と。気を付けてみると街中でも、若い女性で2人、首に巻いている例を見かけました。それから本日、SUOのHPあけてみたところ、トップに「ご注文殺到による発送遅延のお詫び」というのが載っています。入手難になりつつあるようです。

バーゲンも今週末から一斉に始まりました。コロナが落ち着いて「久々のお買い物を満喫する」人が多そうです。もちろん、私もその一人です。出かける計画がいくつも出てきたので、それがなかった去年の夏とは購買意欲が異なります(笑)。男性読者を含め、なるべく広く働く皆様にお役に立ちそうな、セール【戦利品】情報を心がけてまいります~。

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