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2022年7月30日 (土)

大事な会見が吹っ飛ぶかも…それならリークで?

東京外国語大学、東京農工大学、電気通信大学は東京西部の近隣単科国立大ということで、サステナビリティをはじめとする教育連携を進めています。これを「これから研究の連携にも拡大します、新組織を立ち上げました」とお披露目する記者会見が開かれました。私は3大学とも親しいので「えーっ絶対、行きたい」と思ったのですが、会見案内がくるよりはるか前(笑)に、千葉の大学取材予定を入れていました…。複数の関係者が絡んだ取材のため、変更がしづらくて。広報に「会見は欠席で申しわけないのですが、後で資料と写真をいただければしっかり書きます」と伝えました。会見の数日後に記事掲載となり、それで完了。特に気に留めていませんでした。Dsc_2381 ちなみに写真は東京外大の本部事務の建物です。

ところがその後、一人の学長とやりとりをして「記事掲載、ありがとうございました! あの日は大事件があったおかげで全然、記事にならなくて閉口していたのですよ。会見には5社ほど記者も集まってくれたのですが…」との話が出てきました。そう、安倍元首相が殺害された7月8日(金)の会見だったからです。なんと。

そういえば、千葉の大学の取材を終え、昼食をとっている時に、支局の仲間が「安倍さん、撃たれたんだって」とスマホのフラッシュニュースをチェックして、話題になりましたっけ。その日、3大学のトップが顔をそろえた、それなりに張り切っての会見でも、ねぐられちゃったんですね…。むしろ最初から、日遅れで掲載の予定を組んでいたうちで、数日後に何事もなかったごとく(笑)、素直に掲載されたというわけです。

あ、さらにもう10日ほど後に、某紙の地域版(東京多摩地域版)で掲載されていましたっけ。署名の記者名は文科省記者クラブ詰めの人でした(多摩支局の人ではなかった)。本来は総合面で入れるつもりだったのが、日にちと面を変えての掲載になったということでしょうか。

この、「大物の事件と当たったら、大事な会見が吹っ飛んじゃう」というのは、運が悪かった、としかいえないですねえ。でも。一つ対策があります。会見にしないで、1社単独の記事にしてもらうことです。私はこれ、メディアコミュニケーションの講演の中で、大学側が「発表にするか、1社単独(その社のオリジナル記事になる)にするか」という思案を説明する時によく、取り上げます。1社のオリジナル記事だと、掲載日の変更など、融通が効くからです。日刊工業新聞的には「発表で一般メディアと一緒だと、読者はみなそっちに引っ張られて、うちが書いたところで見てくれない」わけです。だから「発表なんかにしないでこの話、うち単独で書かせてもらえませんか」としばしば、取材先に迫るというわけです。

「リーク」って言葉があって、これは書いてもらう方の意思が先にあり、好みのメディア1社の記者を呼んで、書いてもらう形です。実はこの言葉、ニュアンスが微妙です。「ブランド力のあるA社に書いてもらいたいから、担当記者を呼ぶ」という形で、記者の能力は関係ないことが多い。記者と面識がないケースもあります。「A社に所属していたから書けただけでしょ。スクープじゃないよね」と記者の間では、ひがみも含めてうわさするのです。

対して、「A社のB記者はいつも素晴らしい記事を書いているから、B記者に大きく書いてもらいたい」というケースがあります。そういうのは「リーク」って言わないんじゃないのかな。それはB記者の実際の評価に基づくものですから。一番、カッコイイのは唯一、ネタをかぎつけて話をきいて、「この件、発表予定なのですか? うち単独にしてもらえませんか。大きく書きますよ」と交渉して、OKをもらうことです。私も狙うのはココです。専門紙の専門記者の醍醐味です。メディアのブランド力がいまいちで、普通のリークはなくても、ひがんだりしませんよ~。

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