22年8月15-21日 国立大定員抑制は理系増の施策に反する
1.一人称で語ってもらう「主張」のコーナーで、電気通信大学の田野学長が、国立大学の定員抑制をなくすべしと論を張っています。写真は電通大の講堂です。
国立大の学部生は、18歳人口が減る中で「私立大学の経営を圧迫しないように」と原則、増やすことが認められていません。各地の政治家が、地元の学校法人(私学)の声を重視して、国に働き掛けてきたのでしょう。そのため近年、私大は新学部を含めて文系の定員増を、経営上のメリットに合致するよう手掛けてきました。それを知って「18歳人口減だっていうのに、こんなに増やしていいの?」という感想を、多くの人が持っていたのではないでしょうか。
ところがここへ来て、デジタル革新(DX)やデータサイエンスで理系の素養を持つ人材ニーズが急増してきました。文系不要論ではないけれど、理系的な学びがゼロでは困る、との声が強まっています。理系人材育成で定評のある国立大、中でも「社会ニーズの低い文系定員を、理系の定員に振り替える再編」さえできない理工系単科大学としては、「定員抑制は見直してほしい」と強く思うというわけです。記事はこちらから。
2.リバネス、博士学生のトランスファラブルスキルの研修を強化。 この「トランスファー可能なスキル」は、博士人材が持つ専門性を社会で活用できるよう転換していく力、として付けられた言葉です。同社は「それ、うちの社内研修と同じ形で展開できますよ」というわけで、大学側の支援を手がけ始めました。取材で「一般の研修会社ではこんなのは無理ですよねえ? 他に手掛けるところってありますか?」と質問すると、「市場としては小さすぎて、普通は(人材育成のビジネスとして)無理ですよ」と言われました。なるほど。記事はこちらから。
主張の記事でも取り上げた、教育未来創造会議の提言関連は、文科省の概算であちこちから動きが出てきそうです。同会議提言の解説で私も触れた「学部再編のための基金」について数日前、大手メディアが大きく書いていましたね来週、再来週といろいろ表に出てくるところです。
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