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2022年10月

2022年10月30日 (日)

白内障④ ガチャ目で取材、対応は日によって違う

白内障の手術は私の病院では左右で2週間、間を空けます。手術後の左目の視力は1.2、手術前の右目は0.04というかなりのガチャ目です。それを知った当初は「いったいこれでどんな風に仕事ができるのだろう…」と途方に暮れました。原稿執筆はなんとかなるとして、件数を抑えたとはいえ、いくつか入れた取材は相手があってのことですし、移動もあります。手持ちのグッズをあれこれ使ってトライ&エラーの2週間でした。

パターン1. ガチャ目のままの移動(取材先との行き来)は、慌てなければ意外に大丈夫でした。よく見える左目がリードしてくれるのでしょう。写真はこの状態で一橋大学に出向いた時の、JR中央線の国立駅、駅前に再建された旧・国立駅舎です。Dsc_2784 普通なら商業施設を置く一等地に、コミュニティー施設的な建物をゆったりと配置するところが、さすが国立市です(町に対する意識がとても高いのだと、取材時に聞きました)。

取材もこれで、うまくいく気がしたのですが、そうはいきませんでした。メモを取ろうとすると、机上のノートに対し、5cm㍍まで顔を近づけることになりました。高さを変えられない椅子だったので、これで1時間強の取材では、腰が変になるに決まっています。

そこで以前から使っている眼鏡(近視と老眼に対応した累進焦点タイプ)を取り出して、かけました。左目は当然、へんてこになるのですが、眼鏡で矯正した右目が頑張ってくれて、取材を進めることができました。

パターン2.1日用コンタクトレンズが使えるのでは? と気づいて数日分、残しておいたのが正解でした! 右目にコンタクトを入れると視力が0.8くらいになります。左右のバランスは少々、悪いものの、合わせて「遠くが見える」ようになり、移動はばっちりです。

対して、取材時のノートをメモする手元は完全にアウトです。そこで、これまで左右コンタクト(眼鏡をはずしたいおでかけ日の状態)に使っていた出来合いの老眼鏡を、取材時にかけました。

オフィスに一人で、資料を読み込んでいるのなら、これでよいのだと思います。が、取材なので目は、相手の顔とノートの間を頻繁に行き来します。顔を上げるたびに視線は、細いデザインの老眼鏡の枠をはずれます。みっともないけど、まあどちらも見える。そうかあ、時々見かけるシニアの鼻眼鏡って、こういう感じなんだと気づきました。

パターン3. 片目だけ視力がよくなるってどんな感じ? 活動できるのかな? と、病院で相談した時に返ってきた返事は、「皆さん、そのままで過ごしていますよ」でした。「家の中では、片側レンズをはずして眼鏡をかける人もいますね」というものでした。ところが私はこのパターンはまったくダメでした。眼鏡屋さんで外してもらって試すと、向かいの相手には目が三つ! つまり額の真ん中にも、目がある状態で写りましたから。まあ眼鏡もこれまで、特殊な細工をしてきたからだろうな、と諦めました。

そして現在。もう片方の目の手術を終えて、静養の週末です。見え方、素晴らしいです! 眼鏡やコンタクトは、遠くも近くもそこそこ見える、中途半端な状態でした。それを視力1.2が出るレベルにがっちり焦点を合わせたのですから、「遠くがくっきり、鮮やか。世界はこんなにも、美しかったのね」という驚きになったわけです。同時に「スマホは文字の大きさによって、読める場合と読めない場合が出現する」ことになりました。そうか、これが「元々、目がいい人が年長になって、老眼を発症した状態」なのですね。私もそちらに仲間入りです~!

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社会人教育、多摩美と事業構想大学院大のユニークさ

1.多摩美術大学の取材は「初めて」か、もしくは「覚えていないくらい以前と合わせての2回目」です。「多摩美というから多摩地域での取材かな。八王子キャンパスになるかな」「そういえば六本木のミッドタウンにも拠点があるんだっけ。イベントをやっていた覚えがある。そっちにも行ってみたいな」と思っていたら、そうではなくて。世田谷区の上野毛(カミノゲ)キャンパスでの取材でした。こちらが本部なんですね。ついでに言うと、カミノゲという読み方も今回、初めて知りました…。

この件、別の大学の取材で知り合ったPR会社の人が、同大のこの社会人教育の講師役を務めていて、取材をアピールされたといういきさつでした。いつもと違ういきさつ、あまり知らない大学、どっちも楽しいです。美大のデザイン思考ということで、参加者も他の社会人教育以上に多彩なようです。記事は、こちらからです。

2.事業構想大学院大学は、「いくら専門職大学院だといっても、こんなに企業寄りでいいんだろうか」とちょっと気になるくらいの活動を、展開しています。でも教育カリキュラムとしては設置認可や認証評価を受けているのだから、問題ないはずです。それに加えての企画が、企業や自治体に受けているわけですね。そんな力があるのは学校法人の幹部が、広告ビジネスなどの業界で存在感のあるメンバーだからなのです。記事はこちらから。  

ちなみにこの2記事の掲載日(10.6付大学面)、もう一つは東大工学系研究科のメタバース工学部の開講でした。三つとも社会人向け、つまりリカレント(学び直し)教育ものです。もっとも大半の社会人教育は、リスキリング(職業能力の再開発)教育という方がマッチします。リカレントは仕事を離れての、本格的な学び直しを指すようなのですが、米国などではともかく、日本ではほとんどそういうケースはないでしょう。

私が手掛けた博士研究はどっちとも言えない、かな。職業に関連する領域の研究でしたが、記者という職業能力を高めるものではなかったから。写真はその研究室の指導教員(向かって私の左側)の退官記念式(7年前)での撮影です。1503-mozaiku 私が同教員(本来の専門は化学工学)が手掛けた、技術経営(MOT)系社会人博士の第一号。一緒に写っているのはその後に、社会人博士号を取った研究室の後輩たち(年齢は上下さまざま)です。懐かしいな。新型コロナも収まってきたことだし、同窓会を呼び掛けてみようかな?

 

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2022年10月23日 (日)

理系進学と聴覚の関係 & 文系院DSで理系素養人増へ

1.理系女子増を含め、理系強化がいわれる昨今。「理系進学になっていたかもしれない文系人」の傾向が明らかになると、理系後押しにプラスになるはず。その意味で注目の調査結果を記事にしました。大々的に発表されたものではないので、記事の独自性も高い点も注目ください。「数学が得意だったら理系だったかも」の思いは、男性より女性の方が高いという数字が出ています。さらに情報収集の手段としてもっとも得意なものを考えると、「図や表や写真を見る」「文章で読む」「音声情報で耳から聞く」のうち、理系だったかもという人では「音声情報」が他より多い、という結果になりました。聴覚を使った学びが向いている?! ようなのです。

その話を聞いた瞬間には「そんなのある? 文章や絵より音がいいなんて」と感じました。が、語学の得意・不得意がまもなく思い浮かびました。日本語にない音をキャッチしたり真似して発音したりできる人は、聴覚が優れているに違いありません。音楽が得意な人も同様でしょう。これがどう「理系に近い文系」と関係するのでしょうか。そこまで解明されていませんが、気になりますね!

写真は古い携帯ラジオです。Dsc_2761 今ならインターネットラジオが強いのですが、Wi-Fi環境でないと私は実際には使えません。そのため身内に借りて、引っ張り出してきました。アンテナを兼ねた巻き取り式の内臓イヤホンは切れてしまい、アイフォンのヘッドセットで聞いています。ラジオに注目したのは白内障治療がきっかけです。目を使わない方がいいだろうから、手術や検査で待ちの時にラジオを選んだのです。あっ、記事はこちらから。

2.文科省新事業、文系大学院にデータサイエンスを取り入れた高度人材育成。早くにDS学部を新設してリーダー格の滋賀大の採択は、納得のところ。一方で地方私立2大学の取り組みもおもしろい。こういう個性・特徴を強化する大学院改革は応援したいですねえ。記事はこちらから。

月内(といってもぎりぎりで)新連載をスタートします。第一回の原稿を出稿したところですが、事情が少々変わりまして。週明けに提出する、変更タイトルをどうしようかと考えているところです~。

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2022年10月22日 (土)

郊外の取材で出てくる「行き止まり」表示

取材先と最寄り駅の行き来は、時間がある時にはなるべく歩きます。先日、某大学での帰りに「駅まで歩くのは、こちらですよね」と尋ねたら、中堅の女性の広報さんが「15分、かかりますよ? 私、歩いたことないです」と返されて、びっくりしました。15分は片道ならちょうどいい具合なのに。都市部でバスの本数が、大学専用のものを含め多いし、まだ若いから逆に、歩かないのかもしれません。年長になったら歩きを意識するのは当然のこと(笑)。筋肉維持のために私は、のんべんだらりと歩くのではなく、早い速度とのんびりとを交互にする「インターバルウォーキング」を意識していますから。

が。先日、やられました。郊外の大学で、やはり歩いて15分の行きのケースです。時間に余裕があって、道路工事に当たったので、「こっちから回ってみよう」と曲がって行ったらジャジャーン、写真のような表示が出てきました。

Dsc_2754

この「行き止まり」の表示。計画都市ではなく、元農地だったのが少しずつ宅地に変わっていった場所だと、時々出てくるのだと思います。仕方なく戻って回って、時間ぎりぎりの到着となりました。

現在、白内障手術が片目だけ終わった状態です。治った方の見え方は素晴らしく、天気もよかったため、自然を楽しみながら歩く気になったのです。が、片目は裸眼だったりコンタクトを入れてみたりで、いずれにせよ目の左右バランスは悪い状態。「遅れちゃう!」などと慌てて、無理をしないよう、もうしばらく注意をしなくてはいけませんね。

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2022年10月16日 (日)

復興を率いる日大学長インタビュー

今回は日大の酒井学長インタビューを。掲載はちょっと前なのですが、記事出稿・掲載とニュースイッチコメント掲載の割り振りに、白内障手術・検査の大物が絡み合って、ここにはめる結果となりました。林真理子理事長にもインタビュー、もちろんしたい気持ちはあったのですが、今回は見送りです。弊紙の科技・大学面で取り上げるのは基本、教学トップの学長(経営トップの理事長ではない)というのもありまして。いつか林理事長にもアタックしたいですね。記事はこちらから。

最近は「家で執筆をしていて、夕方になってから出かける」というケースが、ノーベル賞の時など何回かありました。国立大学協会(国大協)の論説委員との懇談会も、昼間に国大協の幹部と文科省などの情報・意見交換会(?)があって、その後の場だったので、【夜のお仕事】的な出勤になりました。久々の立食の懇親会にも出席したかったけど、手術前日だったので諦めました。それどころか手術日は東工大と医科歯科大の統合決定の報道が出て、手術翌日に会見というバッティング状態です。手術後の気落ちがありましたが、なんとか会見には出向きました。執筆はすべて、部の記者仲間にお願いできたのが幸いでした。Kさん、本当にありがとうございました! 

ちなみに、自分が出かけていく夕方に、前方から帰宅の人々の流れがぐわっと来ると、不思議な気分です。写真はそのシーンです。 Dsc_2642_20221015181901  いやもっと「流れがすごい」という写真にしたかったのですけどね。「あっ、写真を今、撮らなくちゃ」と気づいてから、スマホを取り出していじっていると、すうーっと流れがおさまってしまい、これくらいになってしまうのでした…。

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2022年10月15日 (土)

白内障③ 手術を受けました!

白内障手術、最初の片目で受けました。もう片方の手術は2週間後です。詳細は追って書きます(白内障⑧が2023.2にあります)が、一大イベントですので即のブログ掲載にしました。この週末は「あまり目を使わないで、静養する」ことにしました。読んだり見たりして構わない、と言われているのですが、人よりも複雑な私の目で無理をするのは止めよう、と。なのでブログも最低限とします。

写真は手術直後の眼帯姿を当初、アップしましたが変更しました。病院で受け取ったパンフレットに差し替えです。母に「痛々しい姿を見せたくなる気持ちも、わからなくもありませんが…」と注意を受けまして。「そうだなあ、身なりの整っていない姿をさらすのは、よくないな」と考え直したためです。

Dsc_2709_20221017174001そういえば以前、年長の知人が大きな病気で入院していたと、後に知ったことがありました。「お見舞いに行きたかったのに、どうして連絡してくれなかったの? 私ならみんなに『お見舞い、来てきて~』と宣伝しちゃうのに」と私は言いました。対して相手は「ヨレヨレした姿なんか、見られたくないから。来てもらいたくなかった」との返事でした。それと同じで「見せない方がいい」って判断ですね。

私は手術時の痛みが、乱視矯正のレンズのために、他の人より少し強かったようです。片目が眼帯になったため、段差を踏み外しそうになるなど、ナイーブになる事柄がいくつもありました。ですので、本日は途中報告のみで、失礼します~。

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2022年10月10日 (月)

芝浦工大、完成お披露目で「やるなあ」。

芝浦工大の豊洲キャンパス完成のお披露目に先日、参りました。大々的な式典も含め、「台風直撃でも決行」との決意だった様子。実際は、直撃はしなかったけれど、いろいろと変更多数…ということを、職員や館内案内の学生らの話で知りました。企業などお客様へのお披露目とは別に、メディア懇談会を設けてくれたのも嬉しかったです。だって「豊洲が完成」は今春にすでに記事にし終えているので、「別のネタがほしいよ~」というわけでした。実際、この懇談会を活用して担当支局長と私は、新たな記事を各1本ずつ、書くことができました。

またお披露目というのに当てて、学内活動を多数、実施してくれたので、私は「やるなあ」と感心しました。今すぐ記事にしなくても、理解が深まるし、人を動員してくれたおかげでよい写真が撮れました~。例えば今回、移転となったデザイン工学部では、オシャレな赤い椅子も備えた新フロアで、いくつもの研究室がゼミをしていました。これは記事に添える写真として即、活用です。それから留学生の日本語研修後のディスカッションのシーンも、よかったです。予想以上に外国人学生が多くて、「そういえば同大はグローバル30採択校で、国際化は力を入れているんだったな」と多い起こしました。これは後日、国際化の記事を書く時に活用しましょう。

それからブログで使ったこちらの写真。Dsc_2592 いかがです、何かわかります? 体育の授業に用いる、VR(仮想現実)による球技スポーツです。ゴーグルをつけて、手に握ったコントローラーで、架空の球を打ち返すんですね。任天堂のWiiって今もあるのかな、そういったスポーツゲームと似ています。本当の球技とはどんな違いがあるのかな、ちょっと取材しそびれました。運動音痴でも、実際より「競技ができた感」があって、コンプレックス解消になるだろう、と想像しました。こういうのを高校生が見学すると「わああ、ここの大学に入りたい!」って反応しちゃうでしょうねえ~。そういえば日大のeスポーツ施設を取材した時も、この狙いを耳にしました。

それで、芝浦工大発祥の芝浦キャンパスですが、そちらはついに貸しビル業になったそうです。寂しいような、でもより都心の地だけにリーズナブルなような。ニュースイッチでもその点をコメントしました。記事はこちらからです。

 

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2022年10月 9日 (日)

白内障② 眼内レンズの選択法

今回は最初に、眼内レンズの働きと白内障のメカニズムを説明します。医師が記した本などを読んで理解したものの記述です。その後に、機能と価格に大きな幅のある眼内レンズの種類、選び方を説明します。手術を考える場合、こちらがとても重要になってきますので、思案する方の頭の整理をお手伝いします。

自然の目では眼内の水晶体が、カメラの凸レンズと同じ働きをしています。外界の対象物との距離に合わせてレンズの厚さを変え、外部の光を曲げる屈折距離を制御して、網膜上に焦点を結んできれいな像が写し出されるようにします。視力が適正な若い人だと、遠くも近くも、それぞれの距離に適応できて、いつもくっきりとした見え方になります。懐かしいですね(笑)。

40代など年長になると老眼が始まります。これは水晶体の柔軟性が低下して、近いモノを見る時のレンズの制御がうまくいかなくなるためです。そのため手元の近距離で、老眼鏡を使うようになります。遠くがよく見えていた視力のいい(遠視気味の)人ほど、老眼の始まる時期は早いし、きつい(全然、見えない)ことになります。

一方、近眼の場合は遠くの画像に対応するのが苦手です。なので遠く(道路標示など)がちゃんと見えるよう、近視用の眼鏡やコンタクトレンズを使います。ところが近くの画像には対応がしやすいのです。そのため老眼が始まると、遠近両用メガネ(近年はコンタクトもある)に変えるようになります。普段は近視の眼鏡のままに、手元を見る時には眼鏡をはずして見ちゃう、という対処法も、よくありますね。視力がもとからよい人に比べると、老眼による不具合を感じる時期は遅く、程度も軽くなります。

では、白内障です。基本、加齢によって水晶体が濁ってくるという現象です。白内障による視力低下は60代で7ー8割、70代で9-10割だそうです! 少しずつ症状が進むので、実感していない人も多いのですが、かなりの罹患率ですね。白内障の手術は、この濁った水晶体を崩して吸引して取り除き、人工の水晶体(眼内レンズ)を入れるものです。レンズといっても堅いものではなく、小さな丸いシート状のものです。手術時間自体は数分と短いのですが、目を2mmなど切開するため感染防止の注意もいるし、大きなトラブルが起きる可能性も、人によってはあります。

眼内レンズの一般的なものは「単焦点」です。どこか一つに焦点が絞られたレンズです。夜間に車を運転する人の場合は、事故を起こさないのが第一なので「遠く」を選びます。一般的には、通常の生活に具合のよい「やや遠く」を選びます。単焦点のレンズなので、生体の元々のレンズのように、遠近に合わせて焦点を変えることができません。そのため近距離には、手元用眼鏡を使うことになります。年長でも遠近とも裸眼ですごしている人もたまにいますが、その場合は、手術をしたために眼鏡が必要になってしまいます。手術の費用は、眼内レンズ代も治療代も「保険診療」なので、収入が少な目の高齢者でも大丈夫、というところです。費用の詳細は後日、説明します。

ちなみに単焦点レンズで、手元に焦点を合わせることも可能です。この場合は逆に、遠くが見えなくなるなので、遠方用の眼鏡を使うことになります。普段は眼鏡をしていて、手元を見る時にははずすという、老眼が進んだ近視の人と同じ形です。想像するに、手元の細かな作業が大事な精密機器の技師とか、刺繍作家とかが、選ぶのでしょうかネ。

そしていよいよ、超魅力的な「多焦点レンズ」です。複数の距離で焦点を結べる高機能品です。「2焦点」なら「手元と遠方」に焦点を結ぶようにして、「中間はまあだいたいでいいワ」とすれば、眼鏡ナシでいけるわけです。一番、高度な「3焦点」なら、近くと中間と遠くと、です。かなりの割合で眼鏡ナシの生活が実現するといいます。素敵ですよね! 

なんでも光を2カ所や3カ所に振り分ける仕組みで、目には複数個所の画像が入っている。けれど、ピントがあっていない方の画像を、人間の脳は無視するように働くため、「ピントを合わせよう」と意識した場所のあたりだけが見えるそうです。すごい仕組みですね。

もっとも単焦点なら、バチッとその距離に合わせてクリアに見えるのに比べると、多焦点の場合はそれほど明瞭ではない。コントラストが単焦点に比べて弱くて、くっきりしない面がある。となると多焦点でも「やっぱり見づらくて、手元用には眼鏡がほしい」といケースが出てくるようです。…結局、手元の文字はよくみえるのかどうなのか、わからない…。

この、「結果は必ずこうなる」と言い切れない状況に私は悩みました。人による、ということなのでしょうけれど。その人の年齢やアクティビティーによって目の使い方は違いますし、どの点を重視するかでも選択は変わってくるから、との説明です。でも私としては、「3焦点を選べば、眼鏡をかける時間はパソコンと読書の時くらいで、後は眼鏡も(コンタクトレンズも)なし、という生活になる!!」という可能性が、とてつもなく魅力的に思いました。

問題は、多焦点レンズでは健康保険が適用にならないことです。保険制度としては「常に視界がぼやけている白内障の治療なら、一般的な支援対象として保険適用で」「それ以上の優れた見え方を望むなら、保険適用外で」という判断なのでしょう。考えてみれば眼鏡も保険適用ではないわけですし、ね。

もっとも多焦点レンズは、保険行政的にも過渡期です。少し前までは先進医療の対象だったようなのですが、今は「選定療養」(レンズのみ自己負担、診察その他は保険)に変わっています。ちなみに、診療その他も自費で行う「自由診療」もあるようですが、特殊なので説明を省きます。


写真は今、使っている眼鏡2本です。Dsc_2636

累進焦点の眼鏡は50歳から始めました。2本目は、片目で遠くを、片目で近くを見る「モノビジョン」を取り入れたのではなかったかな。正直いってどちらも見え方が中途半端で…。後に医師に言われて知ったのは「このレンズ幅で、私のような強い近視から老眼まで対応するのは難しい」「老眼が進行している年代はなかなかピタッといかない」ということでした。写真にあるような黒いパーツは、ずり落ちを防ぐ耳掛け補助具ですが、近視が強いためプラスチックレンズで薄型のを選んでもなお、重くて安定しないのですよ…。

いずれにせよ手術後は、この眼鏡は使えなくなります。コンタクトレンズに続いて、いよいよ残りわずかの命となっております。

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2022年10月 2日 (日)

リカレント大学院「経営」と、大学のベンチャーキャピタルの人材育成

1.文科省概算、今夏もおかげさまで数多く、情報発信できました。これで最終です。社会人向けリカレント教育の文科省支援事業。「18歳人口減の中で社会人学生を集めて…」と多くの大学が考える中、今は企業側ニーズがDX、DSやAIで急上昇。この機を生かしてください! というものです。記事はこちらから。写真は「ぴったり」ではないのですが、文科省関係ということで。8月の大臣交替の時に、文科省幹部に見送られて車で去っていく前大臣見送りシーン。Dsc_2517 初めてみました。2階の文科省EVホールから、外の下りエスカレーターに向かう時に、役人が手を広げて制止してきたのでびっくり。いっつも(大臣の就任期間が短い時、けっこうありますよね)こんなイベントをやっていたんだ、と気づき、2階から下に向けて撮影をしました。

2.大学発ベンチャーを支援するベンチャーキャピタルの、人材関連の活動です。VCの世界で活躍する人材を育成するのが前者、VBを支える人材のマッチングをするのが後者で、どちらもおもしろいです。紙面はお盆の掲載だったのですが事情があって、ニュースイッチ掲載はこの時期になりました。記事はこちらから。

ふと気づきました。これまで「ブログで紹介するのは、今週のニュースイッチ掲載分」と思っていたのですが、何もこだわることはないな、と。元記事は有料だから、なるべく「情報は早く」。ですが、これを受けてのニュースイッチも、ブログも、無料の転載だもんね(笑)。多少、遅くても問題ないでしょう。ということで、ニュースイッチ編集部に「ブログにアップするから、この二件は今週中にお願いします!!」と無理に頼まなくても、いいかなと思い直しました。。もう少し気楽に参りますね~。

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2022年10月 1日 (土)

白内障➀ 手術で近視を矯正する?!

2022年の10月は大プロジェクト、「白内障手術月間」です。手術後の経過をチェックする検査も頻繁にあるため、有休を何日もとって対応します。

「白内障手術って、もっと高齢になってからのものでは?」と思う人が多いだろうと思います。私は50歳の時に、区の節目無料検診で眼科へ行き、「緑内障は大丈夫」など見てもらいました。「網膜分離」(剥離だと大変ですが、そこまでには至っていない)があることが分かり(強度の近視の人では起こりやすい)、定期的に通院して検査するようにその後、なりました。合わせて「白内障も始まっている」といわれました。少し前の母の白内障手術は、視界に霞がかかって不具合がひどくなってのことでしたが、私は自分で明らかに感じるような症状はありませんでした。

ところが。同僚の20歳ほど年下の女性とのおしゃべりで近年、浸透してきた眼内レンズ(IOL)の、ICLといわれるタイプで「施術を受けた」と聞いたのが、転機になりました。これは、コンタクトレンズが目の表面に置くのに対して、目の中に挿入する(挿入したきり)レンズという感じです。保険適用ではないので自費で70万円?などかかりますが、近視が矯正されて裸眼と同じように過ごせる、というのです。

長年、強度の近視で苦労してきた私。近年は遠近両用メガネの常用(コンタクトはオシャレ時のみ)です。彼女の手術に興味を持って調べたら、「ICLは老眼が始まっていない(始まるまで間がある)若い世代向け」と判明。一方で「白内障手術で入れ替える人工水晶体のIOLでは、近視、乱視、老眼など一度に直せる多焦点レンズが出始めている」と知りました。

なんと! 白内障手術を近視その他の矯正に活用できるのです。矯正技術としての【レーシック】や【オルソケラトロジー】の手法は知っていましたが、もっとずっと一般的な手術ではありませんか。それで今回のプロジェクトをスタートさせたのです。

まず、書籍で全体像を、Webでポイントを調べ、信頼できる眼科の病院(診療所)を見つけ出すことに注力しました。「白内障手術を多く手がけている」「多焦点眼内レンズを扱っている」「自宅から遠くない」という条件です。「白内障手術って意外に簡単」とPRされていますよね? 確かに、手術自体は数分で終わります。ですが検査頻度は病院によってばらつきがあるようです。私が選んだところは最終的に20数回の通院になり、医師に確認したところ「標準よりはちょっと慎重かもしれない」とのことでした。目のトラブルが多い私としては、「適当な病院に当たってはいけない」と慎重に取り組みました。

大きな案件で新たに病院を探す時は、別の症状で診察を受けて、調査するのがキモですよね! 私は網膜分離を抱えていたので、その案件で見てもらいに行きました。そして複数の医師やスタッフの対応を含め、信頼できるなと確信しました。数度の通院の後、「白内障手術による多焦点眼内レンズも希望しています」と伝えました。医師は「網膜分離がひっかかるかもしれないけれど、それは手術執刀者の院長に判断してもらうとして、ではまず手術日を決めて、その前後の予定を組みましょう」と、すぐに話が進みました。

とはいえ、この病院は白内障の難しいケースでの実績も高く、予約が埋まっており、手術は数カ月先ということに。それで概算取材も夏休みもノーベル賞も終えた、この時期をリクエストしました。唯一、心配だったのは話がサクサクと進んでしまい、レンズの選び方など複雑なのに、思ったほど詳細に説明されなかったことです。最初から私が「多焦点レンズで」といったから、「分かってるな」と先生は判断したのかなあ、と振り返ります。

写真はこれまで使ってきたコンタクトレンズ、ワンデー(1日装用)のコンタクトレンズです。Dsc_2634

 一番上のマイナス表示の数字が、近視の強さを示すそうです。「ひ」と書いた左目が-7.00、「み」の右目が-9.00です。裸眼視力0.01程度です。中学生の時から常用してきたコンタクトレンズ。「残り△個」と書き出して、装用日を調整して、ついに生涯の、明るいお別れに向かいます~。

この「白内障手術で近視矯正」プロジェクトの話を、ブログで随時、書いていきます。本来の【大学・産学連携】の内容とは異なりますが、世の中全体でいうと関心を持つ人は多いと思うためです。ちなみに自分の過去のブログを「眼鏡」で検索して振り返ったところ、使いづらさを訴えたものなど、10件近い記事が出てまいりました…。その経験を踏まえて、皆様に深くて役に立つ情報を発信していきたいと思います。

(後日の加筆)年明けにかけて全10回の白内障ブログを掲載しています。「白内障」キーワード検索などでいらしてくれた方のために、全体を見通すためのリストをここへ記しますね。

➀手術で近視を矯正する?!(2022.10.01) ②眼内レンズの選択法(10.09) ③手術を受けました!(10.15) ④ガチャ目で取材、対応は日によって違う(10.30)  ⑤手術でQOLが大幅に向上しました(11.19) 【以降は後日、振り返っての執筆】 ⑥医療費は制度が分かれば怖くない(2023.01.14) ⑦急転直下、多焦点から単焦点へ変更に(01.28) ⑧「目の手術って怖くないですか?」に答える(02.04) ⑨手術後の制限と目を使わずにできること(02.18) ⑩まとめ (0225)
どうぞ参考にしてください。

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