1.今年の私の新年企画は東京医科歯科大と東京工業大学の統合です。どうも両大学の間では、大学名をこの順で表に出すことにしているらしいので、それに従って書いています。10月の会見時は白内障手術と重なり、また一般紙も再度、両大学長のインタビューを掲載する中で、私としては「いったい何を書くべし」と悩んでいました。メディアのブランド力も劣る方が、より遅く記事を掲載するのですから。おまけに「両大学の正面からは2学長として、周辺ではこの辺りで」と考えた複数の取材先が、両大学の意向で不可になるという、普段は経験のない形になり、ますます悩みました。正直いって、こんなに取材企画に苦労したことはありません~。
医科歯科大は、田中学長が就任した時の新学長インタビューで行ったくらいで、親しい教員もほとんどいません。今回は知り合いに紹介してもらって、もう一段の紹介を挟んで取材に行く…という状況でした。一方、東工大は母校だけに、ほぼ全理事・副学長に面識があるし、卒業生の反応も耳に入っていたのですが、「もうちょっと外からの声を入れたい」。某卒業生から「日本医療研究開発機構(AMED)の三島理事長(前東工大学長)は取材しましたか?」と言われて、「そうか! それはコメントをもらうのにももってこいだ!」と気づきました。
それから文科省です。一般メディアの秋の記事では、役人の名前なしの匿名コメントしか見当たりません。「取り急ぎ、役人のコメントを」となって、そうすると匿名ならいいよという課長クラスなのかと想像します。私の正月記事でそれはないよね、と選んだのは池田高等教育局長です。直前は研究振興局長で、国際卓越研究大学の担当だったことを知っていたので、ベストチョイス! と判断しました。
具体的に記事では、池田局長コメントで、今回の統合が他の大学を大いに刺激しているということを出しました。「どうして東工大学長だった金属材料研究者が、医療研究で重要な機関のトップに?」と言われまくった三島先生には、医×理工の期待を語っていただきました。医科歯科大OB(医学部)の水島教授には、東工大の生命理工学院が、医科歯科大の基礎医学部局にとってどのように魅力的かという点を。同じく医科歯科大OB(歯学部)の一條教授には、教養教育での両大学の相乗効果を。いずれもあまり、他メディアでは取り上げられていない切り口・コメンテイターで、仕上げることができました。ヨカッタ…。なんとか面目が立ちました(笑)。
写真は医科歯科大のお茶の水のキャンパス。 紙面に使ったのと違い、右に工事の資材が映っています。下部は蔭になってもいます。これは実は、JRお茶の水駅のホームから撮影したものです。周辺を歩くも、なかなかよい構図で写真が撮れなくて。隣接する順天堂大学の建物で間違えてもいけないし、気を使います。それにしてもお茶の水駅のところの神田川の工事って、永遠に続くのでしょうか? 工事していない時の記憶が出てきません。スペインのガウディのサグラダファミリアみたいです。
そして両大学学長のインタビュー。向こうが指定してきたのは霞が関ビルの上層階の貸し会議室でした。その後に両大学の打合せが控えているとのことでしたから(18時半からの会議って、今時の働き方改革に反しますけれど、笑)ここを選んだようですが、借りるのも高そうです。そういえば10月の会見も都心の貸会議室で、司会はアナウンサーでした。カツカツの予算ではない&どちらかの大学に片寄らないで、という意識なのでしょうかね。記事はこちらから。
2.東洋大学、日本語ビジネス講座で存在感。新型コロナウイルス感染症でオンライン授業が広まって、大学が手掛ける講座でもっともメリット大なのが、このような受講希望者が散らばっているケースではないでしょうか。私が本件に気づいたのは、大学コンソーシアムのJVキャンパスのイベントからでした。が、同大としては「JVキャンパスに提供してはいるけれど、中身は自分たちオリジナルの自信作です!」という意識が強いようです。記事はこちらから。
いよいよ厳冬期。もはや、遠方取材には出向かない体勢に入っています。例年、寒さで体調を崩すため、このシーズンはかなり慎重に行動します。いくつかの大学は、12月に滑り込みで近郊に取材に参りました。これから2月一杯は都心か、自宅から遠くないところに限定です。片道2時間以上かかるところにある大学の皆様、春からまた、よろしくお願いいたします~。