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2023年7月

2023年7月30日 (日)

企業人の記事取り上げ、役員以外なら& ITでなくデジタルの人材育成& 面識ない大学もシンポからアタック

1.「論説室から」というコラムのテーマに、私はいつも頭をひねります。「社説のような堅い話は止めて、でもなるべく仕事と関係ある話に持っていく」と、自分で条件を課しているためです。今回は、企業文化施設を取り上げました。

コメントを活用した相手は、半年ほど前に親しくなった人です。その方のパートナーが大学関係者だったことから、プライベートでつながりました。「コラムで取り上げるギャラリーの館長なら、TOTO役員でなくてもよいのでは」「機会をみつけて取材に行こう」と狙っていたのです。記事はこちらから。

2.理工系強化の文科省新事業。一般紙もかなり紙幅を割いて取り上げました。私が注目したのは「半導体」です。大学担当記者が、半導体と聞いて瞬間的に「記事にしよう!」と思うのは、弊紙くらいのものでしょう(笑)。

あと、定員のスクラップ&ビルドの文科省決まり事について書いたメディアも、あまりなかった気がします。私大は規制がかかっている23区以外で、学生募集に自信があれば、定員増のプランでも構わないんですね。…大丈夫かなあ?

この事業、「デジタル・グリーンの人材育成」と称していて、当初「なんでITでなくてデジタルなんだろう」と疑問を持ちました。答は、「デジタル、と表現すれば、ITもデータサイエンスも半導体も、広義にカバーできるから」。半導体ってハードですからね。ソフトのITではないけれど、デジタル社会を推進する上で欠かせない技術、として支援を得た形です。

「支援1」「支援2」の両方で選定された大学のうち、「これ、気の毒だけど記事で取り上げにくいな」と思ったのは、「山陽小野田市立山口東京理科大学」。字数が多すぎ。4-5大学分の文字数でしょうか。

対して、取り上げることにしたのは昨今、文科省事業採択が相次いで気を吐く横浜市立大学(データサイエンスは、医学との掛け合わせが売り)でした。同大で選定をアピールするHP写真を使わせてもらいましょう。18 各大学についてのおしゃべりは、まだまだ書けるけどこれくらいにして、記事はこちらから。

3.取材が初という愛媛大と和歌山大、プラス三重大で、地方国立大の地域連携の注目事例をまとめました。きっかけは、この切り口でのシンポジウムの出席でした。「どれもおもしろいやん!」。取材の申し込みはHP経由の広報ルートより、「シンポの内容が魅力的で、関心を持ちました」と声をかけた方がスムーズだろうと考えました。

それで、幹事をしていた和歌山大の職員宛に、メールで「恐縮ですが、他2大学の取材の窓口も紹介いただけませんか」とリクエスト。すべてWeb取材で進めました。「面識がないのに、ずーずーしい」と思われないように、「文科省にいらした時など、対面の機会が出てくることを楽しみにしています」と、次につながることを強調しつつ。記事はこちらから。

文科省の幹部職員(次官など)の人事がようやく発表されました。中央官庁の人事はそのシーズンの、重要な役所から決まっていくのだと以前、聞きました。最初に公表された中央官庁から日にちがたって、「あれっ、文科省はまだ? 今年は悩ましい人事ではないんだな」と思っていましたが、果たして? 近年は文科省主担当でないので詳しくない私に、どなたか教えてくださいな。

 

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2023年7月29日 (土)

ひまわり畑に職業人としての個性を思う

ひまわりフェスティバルに行ってきました。Dsc_0656
ひまわり畑には30歳頃の取材時の思い出があります。取材相手が、私の撮影のように一面そろったひまわりの中で、一本だけ他の倍くらいの高さに、すっくと突き出た「とんがったひまわり」(笑)の写真を見せてくれました。取材テーマは、科学技術人材の在り方についてでした。幸い、自身が撮影した写真(あまりに魅力的な題材なので、プロ撮影かと思った)だったので、一面の連載記事でその写真を使い、読者の目を引くことに成功したのでした。

半導体系で日米の大学・企業を経験したアグレッシブな先生ですが、研究者としてというより、言論人として出版業界など「知る人ぞ知る」存在でした。地方の私立理工系大学に勤めていて、きっと原稿執筆の時間が確保できてよかったのでしょう。

懐かしいですね。やっぱりまだ、生きているでしょうね。ひまわりのような、パワーの塊(それゆえトラブルも多かった)でしたから。

「そんなひまわりはそうそうはないよね」と思いつつ、畑を歩く中で、こんなのを見つけました。

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ほとんどのひまわりが背中を見せている(私がそういう位置にいた)中で、チラとこちら(斜め)を向いています。

倍の高さでそびえたつほどの勢いではないけれど、皆と違う方を向いています。なんと一人きりでなくて、仲間までいます。なかなかいい感じです。私もこれくらいの意識で、意義ある仕事をしていこうと思います。

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2023年7月23日 (日)

研究者が航海中で原稿完成に黄色信号& カーボンニュートラル資料使い放題& リカレント東大の強さ

1.私は研究成果ニュースをたまにしか書きません。難しいのが苦手だからです(笑)。親しい研究者がアピールする独自案件(発表ではない)に限定して、「しようがない、書きますか」と腰を上げます(笑)。今回は環境中の有用微生物の研究をする中で、その濃縮法を開発したという内容でした。「プレプリントサーバにアップしたら、ダウンロード上位になったんですよ!」という推しから、その気になってA氏とB氏を取材しました。

問題が勃発したのは、「原稿がないので、待っています」とデスクのラブコールを受けて執筆している中で、確認がどうしても必要になったことでした。主の研究者A氏へ、時間的な余裕を持ってメールするも反応なし。電話もつながらない…。ま、間に合うかな。今日、原稿組むっていわれているのに。一縷の望みをかけてB氏に電話したところ「今日、(私は微生物収集の)船から降りてきたところなんですよ」「そういえばA氏も、航海に出るって言っていましたから、それでメールも電話もつながらいのでしょう」との返事で。なんと…。

メールに携帯電話、最近はスマホで随時、メールチェックをする人も増えています。取材先が地球の裏側へ海外出張していても、一日に一度くらいはメールを見ているのでしょう、これまで問題があまりなかったことで、油断していました。海の上では衛星通信を使ったメールやネットができるけれど、高額なので利用を限定しているってことでしょう。

結局、海から陸に上がったばかりのB氏が急遽、確認に動いてくれて「間違いないと思います」と。おかげで無事、記事が掲載になりました。ありがとうございました!

ちなみにこの記事、「裏話もおもしろいし、ニュースイッチとブログと、余裕を持って後で書こう」と思っていました。そうしたら。ニュースイッチは編集部のセレクトによって(研究成果ものなので、私以外の記者が書いたと思ったのかもしれません)、紙面掲載の翌日に掲載なっていました…。で、私のコメントのみ、うんと日にちがあいて追加の上で、再びアップとなりました。記事はこちらです。

2.技術同友会から声をかけてもらったのは、記事だけでなく弊社との関わりがいろいろあるためだと思います。あと少し前に、ポストコロナ社会の分析・提言で私が書いた記事が、お気に召したのがあったのだと思います。

でも「報告書をまとめました!」と記事にするには、取材を企画したタイミングが遅くて…。「どう書こうかなあ」と悩みました。写真は報告書の目次のスクショです。17 悩むままに出稿も遅れ…。すみませんでした、取材に応じてくださった皆様(すごい会社の元役員の面々でした)。結局、向こうもアピールしたがっていた「カーボンニュートラルのかなりしっかりした分析結果に加え、資料が著作権を気にせず使いたい放題です!」という点にフォーカスして書きました。記事はこちらから。

3.東大エクステンションを初めて取材しました。企業が本気でお金を出して幅広く社員のリカレントをするのって、どんな感じ? 最近、企画しているものは? と記事を書きました。生成AIのセミナーは、まだ他機関が準備できていない早い時期(4月末)の企画だったため、「無料ならともかく、有料なのに800人もの申し込みがあった」と、山本社長もびっくりでした。その時はそこまで多数の対応ができなかったのでしょう、6月まで3回の実施で1000人の受講となりました。

東大は、内閣府の大学支援フォーラム(PEAKS)の支援事業でも、リカレントをテーマに動いています。本気度が感じられますね、怖いですね…。ブランド力があるだけに、他が追随できない中身がどんどん出てくるようになったら。各大学がリカレントを頑張っても、対象となる社会人を根こそぎ持っていかれてしまうかも?! 記事はこちらから~。

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2023年7月22日 (土)

筑波で警察&交通安全協会にもらったグッズがすごい

今日はちょっと以前の、「いつでも使えて、おもしろいので置いておいたネタ」でブログを書きます。筑波に取材に行った時のこと。駅ターミナルからバスの発車まで余裕があったので、近くを歩いていたら、安全パトロールをしている風の男性から、「どうぞ」と何かいろいろ入ったビニール袋をもらいました。PRのグッズが入っているようです。

帰宅して開けてみるとびっくりです。中身がとても充実していたのです。写真はその同封グッズです。Dsc_0360

まず右下。交通安全を訴える文字とイラストが入ったウエットティッシュ。手拭きに加え、今の時期なら汗拭きにも使えて、「有用だわ~」って、これだけでも嬉しかったです(笑)。

右上の小さいものは、自転車のタイヤのスパーク、いや違いました、スポ―クに付ける反射板です。夜間の車のライトで光って、装着した自転車と乗り手の存在を知らせるものですね。

すごいと思ったのは、その二つの間、丸まっている紫のグッズです。これは定規のような大きさの、細長い反射板なのですが、最初はなんだかよくわかりませんでした。なんで丸まっちゃうのかな? と。皆様、わかりますか?  どうやらカバンの持ち手などに、巻き付けてくるっとさせて使う反射板なのです。「具合のよいところにどうぞ」「シールではないから、付け替えられるんですよ」というわけです。丸まるだけの強い弾力性(ですよね?)の素材、なんて呼ぶのでしょうね。さすが研究学園都市・筑波です。高機能(というほどでもないかな)かつ、無料で配れるくらい安価な物質材料を使っているんですね(笑)。

最後に左のパンフレットです。ここの記載により、「茨城県警察・茨城県交通安全協会」による啓もう活動グッズだということが判明します。パンフレット裏に安全大作戦の内容が載っています。横断歩道を渡ろうとした時は、車の運転手が「あ、渡ろうとしているんだな」とはっきり認識できるように、挙手をしましょう、とあります。

そう、運転手側と歩行者側と、意思疎通のタイミングって難しいですよね。私は急いでいる時は、挙手しながら渡り始めて、無理やり車を停めてしまいます。歩行者優先ですからね。でも挙手って子どもみたいで、あまりカッコよくないイメージですかね。皆、あまりしませんし。それで急いでいない時は、車の流れが途切れるのをさり気なく待ちますが、そうすると何台も止まってくれなかったりします。悩ましいですよね。…と、ここまでは普通の感覚です。

ところが。衝撃的だったのは「挙手をして停まってくれた車の運転手さんの方を、しっかり見て頭を下げて、感謝の気持ちを伝えましょう。そうしたら運転手さんは、これからもよい対応を意識してくれるでしょう」といった文面を目にしたことです。そうか…。もちろん私も、停まってくれたくれた車に向けて、軽く会釈をしていました。けれどまあ、わりと機械的に、でした。

意思疎通が難しいのはお互いさま。だから互いを思いやりながら、コミュニケーションしていきましょう、というわけです。取材先とメディアを含む、コミュニケーションの基礎中の基礎、ですよね。最近は道を渡る時、このことを意識して行動するようになりました。




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2023年7月17日 (月)

若手向け、研究広報の無料セミナーに出ます!

若手研究者のSNSを運営するtayoと、取材で親しくなり、同社セミナーに出ることになりました。「科学記者と考える研究広報のススメ」、8.2(水)18時から1時間、無料のオンラインです。Webの案内はこちら。写真はそのスクリーンショット(スクショ)。ちなみに研究者モデルの画像は、AIに描かせたと熊谷社長がいっていました。さすがですね!

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若手研究者にとって「リリースを書くのって、普通のこと」だそうです(!)。でも、論文が発表になる時点で、所属機関で「書いてください」と言われるから書いている、という状態(!)。どんなふうにリリースが記事になるのか、記者がどんな形で関わってくるのか、知らないまま(!)。…なのだそうです。

そこでセミナーでは、まず私がリリースについて20分ほどイロハを解説。その後に日経BPの女性と記者二人、それにtayo代表の熊谷社長(いずれも博士人材)でディスカッション(QA含む)をするというものです。

実は最初の案では「ディスカッションだけ」というのもありました。でもそれで1時間というのは、間延びしないかな、思って。「若手が状況を知らないというのなら、先に私が導入編を話しましょうか?」と提案しました。「通常、私が年長研究者や広報向けに話す時は、1時間ほどの講演内容ですよ」と付け加えて。そうしたら! 驚いたのは「それでは、早送りできないWebイベントという感じで、飽きてしまいますよ」という反応が返ってきたのです! そんなこと考えもしませんでした。もちろん若い人だって学会の著名人の講演なら、1時間そのまま聞くでしょう。でも並の講演者では、ずっと動かずに視聴するなんて耐えられない、ということなのですね。

思うに、新型コロナでオンライン授業やWeb講演会に慣れるも、オンデマンド型(いつでも接続して、聴講者が好きに見られる)が多いのでしょう。そうなると若い人は耳もいいので、倍速や3倍速で見てしまうということでしょう。そういえば東京工業大学(私も大学院の授業を少し持っています)では、オンライン授業は原則リアルタイムです。その理由の一つが、「(成績さえ、まあまあならよいので)倍速で、適当に見ればいいや」と、学生が安きに流れるのを防ぐためだ、と聞きましたっけ。

というわけで年長者にとって、若手メーンのセミナーは刺激が多い、と大いに予想される状況です。さあ、当日はどんな驚きの質問が来るでしょうか!?

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2023年7月16日 (日)

総研大新学長は自然科学研究機構理事長と学生時代から& 寄稿タイプの記事作成法

1.私は遠方にある大学などでも、相手が初対面の場合、なるべく現地に出向きます。神奈川県葉山町(最寄りはJR逗子駅)にある総合研究大学院大学の、永田敬新学長の取材を計画した時も、最初はそのつもりでした。片道3時間強、かかるとしても、です。

ところが文科省記者クラブの幹事期間と重なってしまい、余裕を持って出向くのが難しくなりました。というのは緊急の大物案件の記者会見などが入った場合、幹事社が仕切りをするのですが、弊社では各テーマの担当記者が行うことになっているからです。つまり「すわ、一大事件!」となった場合に、なんとか駆けつけられる場所にいることがある程度、求められるのです。

となると、往復6時間はどう考えても遠方すぎます。そこで私から、総研大が連携する大学共同利用機関法人の本部が置かれている、東京都港区虎ノ門(最寄りは地下鉄の神谷町駅)のオフィスを、活用させてほしいとリクエストしました。事務方の間だけでは依頼しづらい雰囲気だったので、「自然科学研究機構の川合真紀理事長に、私からお願いしてみますから」と伝えて、メールで事情を説明して、その形が実現しました。

永田学長の取材当日、川合理事長もオフィスにいらして、3人でのおしゃべりまでできてしまいました。なんとお二人は東大の大学院生(理学研究科化学専攻)時代に、同じ物理化学系で隣の研究室に所属。当時から一緒に食事をしたり、親しかったのだそうです。

実際、永田学長からの呼び方は「真紀さん」(たぶん当時は旧姓で呼んでいたと想像しますが)で、川合理事長からは「永田くん」でしたから、ね。「そんなに親しいのだったら、お部屋を借りるのに躊躇なんて全然、いらなかったのですね!」って感じです(笑)。

総研大の教育のこれからについても、川合理事長が「こういうことが重要でしょ」と口にしたら、永田学長が「(そのことも)書いて、書いて」と続ける、という息の合い方でした。インタビュー記事はこちらから。

2.東京都市大の三木学長に、「主張」というコーナーにて理工系強化を語ってもらいました。写真は同大世田谷キャンパスの管理部門が入る1号館です。

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この欄は「寄稿」の形態をとっています。といっても記者が取材し、一人称で執筆して、原稿の確認と赤字を本人にお願いして、完成させるという手法をとっています。

本当の寄稿は、特定の人に連載(週1回など)で原稿を書き続けてもらうもの。なかなかハードルが高いです。おそらく担当デスクが、各回のテーマや内容をやりとりして、またどんな書き方をする人か頭に入れた上で(依頼する前に多少の文章は読んでいることでしょう)進める。なので、なんとかなる。

だけど毎回、別の人が寄稿する、同コーナーのような形だと、どうなることでしょうか。「…どうするんです? この原稿。既定の字数の倍で出てきましたよ。おまけに何を言っているか全然、わからない…」とデスクが悩むケースが続出となる。だから各回、人が変わる寄稿は、聞き取り型で進めるのだと私は理解しています。

三木学長は大胆なことをバンバン話します。積極的に語ってくれる人は、記者にとって嬉しい相手なのは間違いありません。ただ「これ、書いて大丈夫かな? 書いたらトラブルになりそうだな」と悩むこともあります。報道の新聞記事は、原稿を相手に見せないのが鉄則なので、この点での判断は結構、難しいです。

対して寄稿のスタイルだと「その人の発言・責任で執筆した文章」ということです。当然、原稿もお見せします。そこで確認して赤字を入れてもらうことで、大事な内容はそのままに、誤解のない表現で記事になる。この点で、記者としても心安い仕事なのですよ。記事はこちらから~。

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2023年7月15日 (土)

国立研究開発法人審議会のJST部会、委員として興味津々

今年度から新たな審議会の委員が始まりました。国立研究開発法人審議会の科学技術振興機構部会です。写真は初回、対面で参加した時の省内の会議室案内の張り出しです。
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 同部会で取り上げるテーマは数種類がありますが今回は、2022年度の業務の実績に関する評価ということで、非公開です。よって、運用実績が604億円の赤字と発表された大学ファンドを含め、どんな議論がなされたのかはヒミツです~。でも私にとっては「とても有意義だった」ことをお話します。

まずJSTは橋本理事長をはじめ、大学・産学連携を担当する私にとって、興味深い活動をたくさん実施しています。私は各活動の実態も、それなりに知っている、というベースが安心材料としてあります。加えてJSTや文科省側の資料や説明も、上手でわかりやすい。これでだいぶ、委員としてやる気になります。以前、別の機関の評価に携わった時はつまらない上に、宿題としてそれなりのボリュームの資料を読み込んで点数を付けるという、私の性格上、辛い業務だった(笑)とは段違いでした。

そのため会議でも説明を聞いて「なるほど、そうか」と声を出して笑ってしまったり、「おお~、これは今度、取材しなくっちゃ」とメモしたり、「あっ、このテーマなら発言できる」と挙手したり。すること満載で忙しかったのです。発言は、初回は2時間強の中でそうだなあ、8回ほど。けっこう多く発言できて「委員としてまずまずだな」と、嬉しかったです。

昨日の2回目は、評価に踏み込んだ議論でしたが、議論の進み方もなかなかすばらしくて。感動ものの展開でした。こういう委員なら私、いくらでも引き受けちゃいますよ~!


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2023年7月 9日 (日)

理工系強化の「主張」& 東大・メタバース工学部& 若手研究者SNSに強いtayo

1.今年度は研究を重視する大学にとって政府の大物3事業が公募・審査・採択で動いています。随時、取り上げてきましたが、「ちょっとバラバラで、読者も全部を見通せていないな」と、気になっていました。そこで東京都市大学の三木学長による「主張」の記事(寄稿の形)で、全体像に触れてもらってから、理工系強化の支援事業に言及してもらう、というスタイルを取りました。

復習しましょう。A.【国際卓越研究大学】 10校が応募、うち現在、サイトビジットに進むことになったのが3校です。ただし文科省は「3校に絞りました」とは発表していません。大臣の閣議後会見でも、頑なに発言を拒否しているようです(笑)。もしかしたら追って、「もう1校のサイトビジットが入りました」な~んて可能性も、あるのかもしれません?!

B.【地域中核・特色ある研究大学】 今年度と来年度を中心に採択は約25校。文科省に確認したところ、「この2年度のみと決定したわけではない」とのこと。国際卓越もそうですが、文科省には「フレキシブルに対応できるよう、決め打ちの発表にはしない」という傾向があるのかもしれません。

C-1.【理工系強化 デジタル・グリーンに重点を移す私立公立大の再編後押し】 10年かけて約250校。対象数が多いだけに、もっとも多くの大学(主に私立大)の関心が集まります。 あわせてC-2.【理工系強化 情報系大学院中心で国公私立・高専問わず】 3年で60件の採択に、初年度だけで57件が応募で激戦に。…という具合です。

どうやら、AまたはB(AとBは今年度の同時応募はできず)、C-1のそれぞれに応募している大学が、重ねてC-2にも応募しているようです。激戦になるのは当然ですね。こういった状況は東京都市大をはじめ複数の理工系大学(または総合大学内の理工系部局)を取材する中で、見えつつあります。まったくもって複雑な、けれどもチャンス満載の今夏です! 記事はこちらから。

2.東大工学部・大学院工学系研究科による「メタバース工学部」。これ、染谷前工学系研究科長の肝いりで、昨秋のスタート時から「取り上げてほしい」コールが激しかったのですよ。他メディアにも同様にアピールしているのでしょう、一般紙もそれなりの大きさで取り上げてきました。

私はあまのじゃくなところがありまして。「うちなんかより立派な大手メディアにアピールするなら、そちらで取り上げてもらえばいいじゃない?」って思ってしまうのです。もっともこれは私だけでなく、弊社の特性ゆえの傾向でもあります。「大手に載った案件は新鮮味がもやはない。産業専門紙の弊紙の読者には、載せたところで読んでもらえない」と、考えるためです。「そうだな」って思うでしょ?(笑) とはいえユニークな活動なのは間違いないので、ようやくの記事化となりました。その中で、弊社読者にも改めてシッカリ伝えたい、「Webのフル活用で、人気ぴかイチのAI講座は1500人が聴講」というあたりを意識して書きました。

工学部を卒業する学生は、大学院で学内他部局に進学するケースも少なくないので、「メタバース工学部は他部局の先生にも協力いただきたい」とのことです。例えば情報学環(学生の所属としては学際情報学府)など。写真は情報学環の建物、ダイワユビキタス学術研究館です。記事はこちらから。Photo_20230709144701

3.tayoとつながったのは、文科省の審議会委員で若手研究者育成を議論する場でした。ヒアリングの中身がユニークだったので改めて、取材を申し込みまして。メタバース(おや、偶然に2と重なりました)を使った大学院生ならではの就活イベントを紹介しました。

今、興味を持っているのはtayoのSNSです。Facebookは私を含めて年長ユーザーが多く、官庁や大学でつながる人も管理職系が中心です。なので、「若手の研究者だとどう感じているか?」などを知るのに、tayoはよい場ではないか、と考えています。まだFacebookもうまく使いこなせていないレベルですが…。記事はこちらから。

夏の遊び予定も固まって、ワクワク嬉しいこの頃です。「うまく仕事に絡められれば、土曜のブログに書けるのだけど、どうかな?」と思案しています~。

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2023年7月 8日 (土)

取材と朝顔市、待ち合わせは駅のどこでする? 

取材で他の記者と同行の時に、待ち合わせをどこでするかを思案します。道すがら、取材先の情報を話した方がよいなという場合は、最寄り駅で待ち合わせすることが多いです。大学の最寄り駅、改札口も一つとか、複数あってもさほど迷わないとか、という状況が多いため、この形が可能です。

ところが大きな駅の場合は悩みます。今週末、プライベートで入谷の朝顔市へ出向きました。上野駅から日比谷線で駅一つなので、連れとの待ち合わせは上野駅にしたのですが、巨大な駅のうえ、互いにあまり詳しくないエリアです。「山手線で上野駅へ行って、日比谷線へ乗り換えるもっとも一般的と思われるルートで移動して、日比谷線の改札口で」と決めたのですが、時間になっても会えません。

携帯電話でやりとりできたので、「では日比谷線に入って、入谷駅に向かうホームの、真ん中あたりで」と合流となりました。どうやらホームのちょうど逆側の改札に、それぞれいたようです。この、「ホーム真ん中あたり」という待ち合わせは、さほど混んでいない地下鉄なら有効だな、と振り返りました。山手線のような混んでいるホームでは、真ん中あたりといっても巡り会えない可能性があるので、ちょっと考える必要がありますけれどね。

というわけで写真は、朝顔市で購入した4色咲き(各色の株が4つ、植わっているそうです)の鉢です。Dsc_0547 コロナ後で、4年ぶりのお祭りで、予想通りすっごく混んでいて。また価格は定番2000円など、店に依らず同じだったので、若い女性の売り子さんが一生懸命説明してくれたお店で、あまり思案せずに購入しました。

でもその後、「私の鉢は葉が茂りすぎ(持ち帰った段階では、鉢に密集して巻き付けて、押し込めているイメージ)ではないかしら…」と不安になりました。他のお店で、花がたくさん外側に付いて咲いている鉢を、目にしたためです。私の鉢、大丈夫かなあ…。

でもその不安を話した相手は「大丈夫だよ」と気にしません。そう、考えてみると朝顔って、小学校低学年の理科で取り組むじゃないですか! それも種から。きっと、「こんなに世話が簡単な植物は他にない」のでしょう、笑。

ということで今夏は毎朝、「朝顔さん、おはようっ」と声をかけて楽しみ、来夏は種からチャレンジいたしましょうかね!

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2023年7月 2日 (日)

東北大の新会社は何をするか& 筑波大は150億円投資の産連施設& 電通大VBは困窮学生にも学内事務にもプラス

1.東北大の4つ目の出資会社は何をするのか。一つは、大学の研究成果の実用化に向けて、さらに手掛ける研究開発の企画です。もう一つは大学の研究施設の管理(これは近年、大学マネジメントとしても重要性がアップしています)や外部組織の利用促進の活動です。

これまでの出資会社(子会社を含む)はそれぞれTLO、VC、コンサルティング・研修会社なので、何をするかが想像しやすいですよね。でも4つ目の会社のミッションはわかりにくい。「いったいどんなことができるのかなあ? 大学によってかなり違うのでは?」という点で、もっとも気になる存在です。

設計も難しいのだと思います。他の国立大ではまだ、出てなかったのではないかなあ。それくらいですからね。 4つ目出資会社、次の先進大学の事例を狙って、取材して回りましょうかね。記事はこちらから。

2.筑波大、産学連携の大型拠点を2027年に開設、大学債から150億円を投資。 写真は筑波大の提供です。

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7000平方㍍の広い実証実験スペースの使い道として人気が出そうな、ドローン飛行イメージです。


次いで新拠点全体の俯瞰図パースを見てみましょう。

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実証実験スペースを中央に、周囲の「研究スロット」と書いてある三つの建物に、企業のB2A研究所が入居します。「オープンスペース」は大学発のスタートアップや起業前チームなども交流する場。筑波大は大学発ベンチャー数もランキング上位ですからね。有効に使われることでしょう。記事はこちらから。

  3.電通大ベンチャー、学生がパートタイムプログラマーとして働き、大学事務や研究室の支援。一般アルバイトより少し高めの収入で、学生を経済的に支援、という枠組みです。

これ、情報系を持つ他大学でも可能ではないでしょうか。ぜひとも参考にしてもらいたいところです。記事はこちらから。

6月末までの文科省記者クラブ幹事が終了になりました。今回はクラブの準加盟者(社)の報道でトラブルが発生。クラブ運営における最大レベルの面倒な案件だったのですが、中堅の仲間が奮戦して解決なりました。お疲れさまでした~!

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2023年7月 1日 (土)

「話題のナノテラスって、どこが主体なの?」

仙台で整備中の次世代放射光施設「ナノテラス」。私が取材をしていて、「これはどこが主語なのか、間違えやすいな…」と知ったのは、1年ほど前のことでした。実際にこの5月のG7仙台科学技術大臣会合に関連した、ナノテラス紹介の中で生じたと聞いています。準備や説明などメーンは量子科学技術研究開発機構(QST)でしたが、東北大学がリーダーなのだと勘違いした報道が複数、出てしまったそうです。この点、私も心を痛めていました。

この6月にメディアの懇談会が続く中、私は「日刊工業新聞社から質問をする」という形を取りながら、このことを他メディアにも伝えるという行動を思いつきました。つまり「ナノテラスの設置者が入り組んでいて、間違えやすいようなので、正しいところを教えていただけますか」という質問を、私から投げかけるという形です。

一つは文科省の科技系の論説懇談会。大手メディアの論説委員がずらり並びます。私の上記の質問に対し、科学技術・学術政策局の柿田局長が答えてくれたのですが、不完全だと思ったのでしょう、「担当課(研究環境課)から説明の連絡をさせます」と。翌日、私宛に電話がありました。同席していた他論説委員には電話はいっていないと思いますが、各自「複雑なんだな、執筆時に気を付けよう」と思ってくれた…ことでしょう。

もう一つはQSTの記者懇談会です。4月に就任した小安新理事長が登壇するほか、研究レビューのポスター発表もありました。記者も論説委員も、一般紙も専門紙もと広く対象とした企画でした。そこでも私は同様の質問をし、周囲に「注意しましょうね~~」とアピールしたのでした。

★★★それで、これらの回答をまとめて、正しいところの説明です★★★
ナノテラスは「官民地域パートナーシップ」という枠組み(仕組み。組織名ではない)で設置される。この枠組みのうち、国側の主機関がQSTです。もう一方に地域パートナーとして東北大、宮城県や仙台市、地元企業など多数がいます。産学官もろもろのパートナーなわけですが、これを代表してまとめているのが一般財団法人の「光科学イノベーションセンター」です。

設置する場所は、東北大の青葉山新キャンパス、同大の敷地内です。つまり同大はパートナーの一員(という意味では、ワンオブゼム)ですが、場所を提供している(という意味では、貢献度が格別に大きい)という形です。また地域で重要な大学なので研究開発や人材育成の点で、他のパ―トナーと比べて、大きな役割を果たすことになります。

研究開発に使われるビームラインは最大28あります。QSTが10程度を使い、その他を参加の産学官の希望に合わせた使い方をします。

よって記事にする場合にOKの表現は…

「QSTと仙台の地域パートナーによって設置されるナノテラス」
「QSTと光科学イノベーションセンターによって設置されるナノテラス」
「QSTが施設整備をするナノテラス」

ということになります。東北大で書く場合は以下がよいと思います。
「東北大の青葉山新キャンパスで整備が進むナノテラス」

…これ、自分のメモにしておきます。記事を書く時にこのブログを見に来て、活用します(笑)。

ところでQSTは先のブログで書いたように、私は金曜にQSTの「関西光(こう)量子科学研究所」の木津(京都府木津川市。他に同名を置く播磨のサイトもある)で、研究リリースの書き方ノウハウを講演する予定が先に入っていました。宿泊地の奈良まで京都から1時間かかるので、体力のない私は木曜にも有休をとり、前泊の木曜入りを予定していました。

ところがその後、QST本部の企画が、この木曜に開催される、となったのです。なんと…。し、仕方ありません。休みをとっているのですが、この懇談会だけ出席して、重要な質問をするという自分で作ったミッション(笑)を果たしてから、新幹線に乗車。幸い早めに到着でき近場で、初日から鹿と対面することができました。Dsc_0472

ところでこの移動、私一人ではありません。そう、木津の研究所で、金曜の講演会を企画した広報部門や聴講した研究者も、それなりの数が木曜の東京にて一緒だったのです。珍しい、もちろん初めてのパターンでした。

さまざまな形で関りができると、その機関にシンパシーを持ちますし、応援してあげたいと思うようになりますよね。そんな事例として紹介いたしました~。

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