10年前に取材した若手研究者に再会する
少し前に理工系大学の改革もの取材で、理事クラスを取材しました。事前に連絡のあった同席の先生の名前を聞いて、「もしかして!」。10年ほど前に紙面の若手研究者を取り上げる連載で、確か私の番で初回にとりあげた先生の名前が出てきました。
当時、研究者としての研究のテーマや姿勢を聞く取材で、「これは…かなり優秀な人だな」と引きつけられていました。旧帝大クラスの終身雇用型の助教ポストに就いていたのに、その講座は成熟分野だったため、自分の独自研究手法を生かすには適さないと判断して、こちらの大学のテニュアトラックに応募した、と。テニュアトラックは任期付き雇用で、期間中に成果を上げれば終身雇用ポストになるとはいえ、安定性としては微妙なポストです。それに一般社会が思う大学ブランドとしても、移転元の方が移転先より上なので、普通は選ばないキャリアです。なので、そんな選択をしたと聞いて「第一印象は控えめだけど、相当な自信を持った希有なタイプだな」と頭に残っていました。当時31歳の准教授でした。
かつての新聞記事をデータベースから引き出して確認。果たして取材時、相手もこちらを覚えていました。今は42歳の教授、理事クラスを補佐する経営企画的な仕事をしての活躍です。当時の予想は正しかったのだなと振り返ります。今回の取材時のコメントも、なかなかよいものでした。まあ本当に優秀な人は、短時間のやりとりでもそれがすぐにわかるもの。私に先見の明があったというよりも、自明のことだったのでしょう。
というわけで写真は東京農工大学の工学部キャンパスです(笑)。
ちなみに、かつての取材時の印象、当時のブログでも書いているんですよ(笑)。組織における仲間でもないのに、若い研究者の成長を実感する、専門記者ならではの楽しみといえるかもしれません。
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