東工大時代の研究室同門会が大盛況
7月に東京工業大学の修士学生時代の指導教員、淵上寿雄先生の喜寿お祝い会、兼その有機電気化学系研究室同門会に参加してきました。前回も出席しましたが7年ぶりで、とても楽しみにしていました。場所は大岡山キャンパスの新しい食堂、つばめテラスで、総勢80人ほどでしょうか。写真はその時のものです。
私は先生が助教授になって最初の頃の学生だったので、もうすっかり「上から何番目」の年長世代です。指導教員が中堅だったというのはラッキーです。というのは、指導教員が大教授だとその時はいいでしょうけれど、すぐに先生が退職を迎え、研究室と疎遠になりがちだからです。
また、はっきり私の面識があるのは、八つほど下の世代まででしょうか。たぶん、日刊工業新聞社に入社して6年間は、化学とライフサイエンスの担当で、当該研究室にもしばしば顔を出し、取材もしていたためでしょう。
「同門会」としているのは、たぶんこの有機電気化学研究室は、継いでいる教授の稲木信介先生が、京大から助教でいらした背景があるからでしょう。東工大は確か相澤学長時代に、「東工大の同じ研究室を卒業して、そのまま教員になって教授まで昇進してはいけない」という決まりになって(人材の固定化を防ぐ目的でしょう)、その他にタイミング(昇進は十分な業績を、適切な年齢で出していないと叶わない)もあって。今回、広い枠で卒業生が集まれるように、同門会という設定にしたのだと思います。
淵上先生は相模中央化学研究所(ノーベル賞候補ともいわれる東大の藤田誠教授は、ここの出身だそうです)の理事や、企業の顧問を今もされています。驚いたのは論文を直近5年で12報発表している上に、昨今の有機電気化学の研究ブームもあって2023年に、英国王立化学会で招待の基調講演をされたということです。77歳にしてそんな活躍だなんて、研究者をしてきた同世代に、どれだけうらやましがられることか…。会の中で頼まれた挨拶で、私は「研究は競争の面もあります(厳しい分野では論文発表の一カ月差を競う、など)が、まとめていなかった研究成果を何年も後に論文に仕上げるといった、まさに”知の財産を築き、次世代に伝えていく”息の長い仕事なのだな、と改めて感じました」と述べました。
そして、同級生や前後の仲間とのおしゃべりの、楽しいことといったらありません。大学院大学(学部がくっついていない)形の研究室で、私は修士課程だけだったので2年間なのですが、実験系は朝から晩まで研究室で過ごすから、まさに青春時代をともにしたかけがえのない仲間です。
また下の世代を含めて、それなりの数の卒業生があちこちの大学の研究者になっています。大手製造業なら部長や役員になって、(地味だと私が思っていた)有機電気化学をそれなりにビジネスに導入していたり、卒業生を何人も採用していたり。ちなみに上の世代では、アキレス会長(元社長)の伊藤守さんも参加していました。メディアに就職してしまった”はぐれ者”の私(笑)としては、「これが同門の強さか…」と実感です。
はぐれの私ですが、思っていた以上に皆に記事を読んでもらっていて、嬉しいです~。また「今度、うちの学生に講演してください。周囲も案内しますよ」と声をかけてもらって、ウフフ。私の記事もさあ、次の同窓会開催は、いつかな~?
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