J-PEAKSと国際卓越の2年目& 女子枠だけでない入試改革の議論を& 農工大ベンチャーの牛群創出
1.J-PEAKSの2年目申請状況の発表については、前回のブログでも書きましたが、「うっかり記事にしそびれて」いました。お盆前は多忙でリリースをきちんとチェックしていなかったためです。
以前にもブログに書きましたが、「休みの前の駆け込みリリース」はボツになりやすいので、避けた方がよいです。やる気のない公報で、「リリースを出したら、私は後は関係ないです」というのなら、それでよいのでしょうけれど。メディアに取り上げてもらいたいなら(タダで書いてくれる)、リリースのタイミングは思案した方がよいと思います。
あっ、それで自分を正当化するつもりはありません。チェックしそびれていたのは私が悪かったのです。見つけて、慌てて執筆しました。そうなると現金なもので、「他のメディアは全然、注目していない様子。お盆前でスルーされやすい時期のリリースで、ラッキーだったかも」とも思っています。
記事のポイントは、判りますよね? 2024年の第2弾において、J-PEAKSの申請状況が固まったことにより、国際卓越の申請予定大学も連動して判明した、ということです。8大学が競います。2023年は10大学だったのから、たいして変わっていません。
再度の申請ですから、各大学ともかなりの変化を仕掛けなくてはなりません。そうでないと審査委員は皆、怒り出しますよ。「去年とあまり変わらないけれど、申請を諦めたなんていうと格好がつかないからやっているだけ」みたいなのは、きっと3度目のチャンスはないことでしょう。
もちろん私は委員ではありません(私が入り込めるようなレベルではありません)。でも他の事業とは別格の注目度ですからね。おそろしく手間な審査であり、「また、同じ8大学でする」のだと考えると…。皆様、頑張ってください。記事はこちらから。
2.理工系の女子枠というテーマは、私の取材・執筆活動のひとつのエポックになったかもしれません。入試は一般社会の関心が高くて、大手メディアも教育の記事の中では最重視していますよね。大学入学共通テストに関係があるのは、国民全体のごく一部にも関わらず毎年、実施の翌日に全問題を、大手新聞が掲載するくらいですから。
対して日刊工業新聞社では、まったく取り上げないテーマの一つでした。なので私も、「AO入試って言っていたのは今、何に変わっているのだったっけ?」というレベルから始めました。そして女子枠の取材を進めるうちに、「これは男女の問題ではなく、未来に向けて入試改革をどのように進めていくかという話だ」「けれども受験生もその親も、10数年先に進学する子を抱える家庭も、卒業後0‐80年たつ卒業生も皆、よく理解していない」と気付いたのです。そんなギャップを感じたのはある意味、私が入試業界の「よそ者」で入って取材したからだ、と振り返りました。
この「外からの視点」という意識は、多くの活動において重要になります。というのは、「内からの視点」は、社会の1コミュニティーにしろ、企業や大学のような1組織にしろ大勢、そこにいるのだから。外にいるだけ、の人も大勢います。その結果、大学人は入試に限らずあらゆるテーマで、「大学改革の取り組みを、納税者が理解してくれない」と嘆きます。産業界は、「世の中のニーズを、大学はわかっていない」と批判します。もう何十年も、その状況が続いています。
「外の立場や経験を踏まえて、中を見たり経験したりし、これからの社会としてあるべき方向性に向けて考え、発言できる人」は、なかなかおらず、貴重なのですね。メディアのように内と外にまたがる経験をしてきた人は、双方の懸け橋となる活動が、ある種の任務だと改めて感じます。「一度、自分には関係ないと考えても、懸け橋がミッションなのだから、少し無理して頑張って、取り組もう」。その意識を持つようになったという意味で、自分にとってのエポックになったと位置づけています。記事はこちらから。
3.「研究開発成果を事業化し、大学改革につなげていく」という流れを、一つの事例で示すならこんなかなと思うのが、こちらの記事です。東京農工大は千葉学長が突出していて、優良企業のカリスマ社長のようです。その先見の明を、学内の教職員がうまく受け継いで伸ばしていかなくてはいけません。さらにはそんな次世代の人材が、育ってくることが大切です。
まさに優れた社長ゆえ、先が心配な中小企業という感じです。今回の取材先の一人は、卒業生でベンチャー役員で同大の特任教員でした。こういう人の成長が、効いてくるのでしょうね。
ちなみに同大の府中キャンパス(本部と農学部がある)で、午前と午後の二つのアポを入れ、生協食堂でのランチの後に農場へ足を延ばしました。写真です。
実は今回の取材に関わる牧場にも行きたかったのですが、さらに奥にあり、残念ながら鍵がかかっている(部外者は入れない)とのことでした。動物なんて、見るだけでも楽しいじゃないですか。記事に子牛2匹の写真(子どもかどうか、成牛が近くにいないとサイズ的にもわかりませんが)を載せられたのだって、嬉しいです。農学部や獣医学部を持っている大学に行く機会があれば、見学をお願いしてみると、よいかもしれませんね。記事はこちらから。
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