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2024年9月

2024年9月29日 (日)

最後の研究もの記事は森林動態& ”卒業”コラムは雇用機会均等法に自らを重ねて

日刊工業新聞の退職を控えて、9月は「あと何を取材して、何を執筆して、紙面掲載後にニュースイッチとフェイスブックとブログともっていくか?」で大わらわでした。

退職を話した何人かが「有休消化は?」と聞いてくれました。答えは「数週間などのまとめての休みはとれないけれど、まあここ1-2年は仕事のペースを落として(シニアだからと言い訳して)、休みを多めに取ってきたから、大丈夫」という感じです。なんとかソフト・デパーチャー(ソフトランニングの逆)ができたのではないでしょうか。写真は35年間、務めた日刊工業新聞社の玄関先です。
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1.研究もの記事の最後は、「先端技術」という紹介コーナーで、森林動態について取り上げました。地味に思っていたのですが、なかなかおもしろかったです。実は取材対象者は、親しい若い女性の身内でした。私が辞める直前の滑り込みで、取り上げられてよかったです。

仕事が変わることで一番、悩ましいのは、「私に期待してくれた人たちに対して、もう取材・記事掲載をしてあげられなくなる」ことです。最近、記事も絶好調。自分でも記者を辞めるのがもったいない気もして(未だに自画自賛、笑)残念です。でもまあ、35年間も記者をやってきたので、ね。次の環境で、これまでの蓄積を生かして参ります。記事はこちらから。

2. 「”卒業”のコラムは、最後にどうかこうかな」と1年くらい前から思案していました。自身が「体力のない均等法第一世代」との思いを入社前から退職まで持っていたので、女性という切り口を入れたいと考えました。

実は今回の論説委員コラムでは、「少し前の日本社会では生き残れなかったタイプ(職業人としての女性の多くはこれ)こそ、新しい時代に向けた潜在力を持っている」というメッセージを、潜ませています。

今、社会は大きな大きな変化を迎えています。詳細はこれまでのコラムなりブログなりでも、書いてきましたので少しはしょりますね。働き方改革の重要性増や、20年前には当たり前だった言動が「パワーハラスメントだ」と問題視される事件などが、変化を裏付けています。

ですので、世代や男女、マジョリティー・マイノリティーなど、対立しがちなグループの存在感が、以前と逆転する傾向がみられます。男性でもヒエラルキーや競争を重視する昔タイプの人よりも、コミュニケーションが上手で社会全体の幸せを考えられる人の方が、これからの社会にフィットすると思うのです。どちらかというとこれまで、経済や組織のパワーゲームになじめなかった人ほど、チャンスがあるのではないでしょうか?! 女性をはじめ新しい社会を築こうと考える皆様と、私は一緒に頑張ってまいります! 記事はこちらから。

9月末でしばらく、本ブログ「産学連携取材日記」は休止しようと考えています。10月最初に、次の仕事について本ブログでお話しますので、詳細はその時に。どうぞよろしくお願いいたします。


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2024年9月28日 (土)

日刊工業新聞社を退職します 

「もうすぐ定年退職だなあ。皆はどんな風に挨拶しているのかな」と、気にし始めたのは2年ほど前でしょうか。というのは、社内で再雇用の場合はそのままシフト、だけど少ししてあるタイミングで辞めていくため、「えっ、◇先輩って▽カ月前に社を辞めてたの?」と思うことが、何度かあったためです。また若い人の転職も、同業他社の場合(ライバル社だったりする)などの場合は挨拶なしも仕方がありませんが、「知らない間にいなくなっている…」というのは、ちょっと寂しいですよね。

私は9月末で日刊工業新聞社を退職します。親しい相手には、退職日より少し余裕をもってお知らせしたいと思って今回、メールなどで先に動きました。なお次の仕事に就いては10月に入ってからご案内します。本ブログを含むWebは不特定多数に向けたのものですので、ね。

35年の間、何度も「新聞記者、向いていないかも…」と思いました(軽く、ですが)。大半は記事で、訂正レベルのミスをした時です。記事のミスの心配をもう今後は、しなくていいというのは、代えがたい心の平安です。ずっと”憧れ”を感じていました。

今回、職場の荷物を片付ける中で、訂正願いとか始末書(記事ミスとは別のものを含む)とかが出てきて、「こんなにあったのね…」と改めて思いました。根がおっちょこちょいで慎重さに欠ける(なぜか、心配性の面もあるのですが)ため、「失敗を忘れないように」と殊勝(しゅうしょう)な心がけで捨てなかったわけです。「ここまでしなくても」と思いつつ、懐かしさ半分で眺めました(笑)。紙面の記事を通してご迷惑をかけた皆様、申し訳ありませんでした。

ちなみに直接は使わなかったのですが、保存していた取材先相手の名刺が、写真です。けっこうありますね。

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蓋をした下の箱にもぎっしり詰まっています。もちろん途中で随時、処分してきての量です。ちなみに手前に置いてあるのは、今の自分の名刺です。

皆様、そして新聞記者だったこれまでの自分にも向けて。本当にありがとうございました~!!!

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2024年9月22日 (日)

科技コミュといえば北大CoSTEP& 電通大学長の読書ツール& 東京科学大の2トップインタビュー

1.リカレント連載で北大CoSTEPを取り上げました。発足の20年前から時々に、付かず離れずでお付き合いいただいている機関です。

久しぶりに「いかがですか」と取材したところ、デザインやイラストに対する人気が高まっているとのことで、以前と違う傾向だなと思いました。SNSでも文章だけよりも、動画などが人気という視覚重視の社会動向があるのかなあ、と思いました。写真は受講生にとって嬉しい、発表の場であるウェブマガジン「いいね! Hokudai」のサイトページです。記事はこちらから。33

2.電通大の田野学長の読書ツール、おもしろいですね。VRのヘッドセットは、商品や空間を立体的にとらえたり、ゲームで楽しんだりするものだと思っていたのですが、ここでは「寝転がって漫画を読む」のに使うそうです。そして家庭ではパートナーと二人、それぞれ自分のヘッドセットを持って、好きに使っているそうです。さすがですね~。記事はこちらから。

3.東京科学大、大竹理事長と田中学長候補の同席インタビューです。この2トップの取材は、同時期にいくつものメディアも申し込んで実施されています。ところがなぜか、即時の記事が出てきませんでした。私は新たな研究院設置のニュースを取材翌日に掲載。数日置いての記事は、私の一つのQに、お二人それぞれがAを出す、という形式で書きました。

そしていよいよ「統合まであと10日」となった今、ちらちらWebで他メディアでも見かけるようになってきました。統合直前の雰囲気づくりに使ったのでしょうか。実はなかなか、他メディアがどういう戦略で動いているのか、わからない面もあるのですよ。弊紙は一般紙とも、ウェブだけのメディアとも違うので、いまだによくわからない面があるのが実感です。まあ自分の媒体にあった独自の判断で動くしかありませんね。では記事はこちらから~。


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2024年9月21日 (土)

新聞報道の未来は?

少し前に衝撃的な新聞業界の動向記事を目にしました。産経新聞が9月末で、富山県内の発行を休止するというものでした。さらに毎日新聞も、同県内での配送を同時期に休止するのだと知りました。
新聞の全国紙は「全国で(地方版のページをのぞいて)同じ情報を伝えている」から全国紙でありました。地方紙やブロック紙は、その地域でだけ重要な話も扱いますが、全国紙はそうでない、というある種の客観性を担保した強い存在でした。それが…全国紙ではなくなるなんて。びっくりです。

さっそく、富山高等専門学校の親しい先生(会うのは10年に1度くらいですが、緩く切れずにつながっている相手です)に、背景を聞いてみました。すると、他の地方でも同様の傾向ではありますが、同県は特に地元新聞や、一般紙の中では読売が強いという状況を教えてもらいました。Webで調べると(読売新聞のPRサイト)、同県の世帯普及率は北日本新聞が50%弱、次いで読売が15%、北國新聞が10%と出てきました。残り25%を朝日や毎日や産経などで分け合っているのですね。「この県は読者が少ないのに、コストがかかるばかりで…」と、ストップすることにした、ということのようです。

東京近郊では地方紙(東京新聞や神奈川新聞)より一般紙の方が強いですが、新聞の部数自体が近年、激減しています。私の住まい近くでも朝日新聞の販売店の統合があり、これまでお世話になっていた販売店は吸収されたようです。これから、もっと進むことでしょう。日刊工業新聞は一般紙の販売店に託す形で配ってもらっているので、もちろん影響大です。

写真は読み終わった新聞回収の袋です。

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私は朝日新聞の販売店から、朝日と日刊工業を、さらに身内がもう一つ、購読しています。その販売店がくれるのが透明な「ASA」と書いてある袋です。ひと月に2袋きていたのが、最近は一つになりました。古紙回収は、ビジネスというより読者サービスだそうなので、回収の負担も減らしたいのでしょう。この袋、底が広くて持ち手が付いているので、別用途(洗濯予定の季節終わりのセーターなどを入れておく)でも便利だったのですけれどね。あっ、邪道ですかね。

もう一つ、日経新聞をとっており、これは読売新聞の販売店から配達されます。袋は左上の白地に緑文字が日経のもの。左下の花の大柄写真で装飾している袋は読売のものです。

読売新聞の袋は持ち手が付いていないです。使いづらいです。大きな花柄というのもちょっとひきますね…。あっ、そんなことは小さなことですね。本日の記事タイトルは「新聞報道の未来は?」です。

私が、講演会などで伝えているのは「紙媒体としての新聞は将来、なくなるかもしれません。でも新聞社の報道としてのミッションはなくならないと思います」「報道とは、社会の重要なできごとを、それが正しいかどうかきちんとした手法で確認した上で、広く社会に発信することです。この活動は民主的な社会では、とても重要なことです」「この活動は記者がしっかりとした訓練を受け、取材相手や周辺関係者に信頼してもらって初めて、可能になることです」「Webニュースでよく目にするものは、大半が新聞など報道機関の記者による記事を転用しているのです」ということです。新聞なんて/新聞記者なんて、いらないのでは? という一般の人の思いに「いやいや、重要性を知ってください」と説明して回っています。

伝統的な報道機関でも、メディアを紙からWebに変えて、一部は成功していますが、まだまだ途上(他ビジネスと並行して、なんとか成り立っている形)です。未来は、どのようになっていくのでしょうか。このタイミングで、まもなく60歳を迎える私は、現場の記者をずっと35年間、し続けることができた幸せを今、かみしめています。

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2024年9月15日 (日)

専修大学のジャーナリスト大学院& 東京科学大学の新研究組織

1.専修大学を取材したのは、メディア懇談会で2回目でしょうか。文系単科大学だと出席に迷うことが多いのですが、今回は大学院のジャーナリズム専攻の設置というので興味を持って出向きました。大学側は、ジャーナリズム関連で「本学の教員が毎日のように、メディアに取り上げられている」とご自慢の様子で、そうなんだ? とびっくりしました。

ジャーナリズムの世界は、暗黙のヒエラルキーがある気がします。あっ、以下は新聞業界における私の印象に過ぎません。「失礼なことを言うな!」と抗議がきたら即、記事削除とか文面改変とかに走ると思うので、先に宣言しておきます。あとテレビや雑誌はよく分からないので、言及していません。

トップクラスは朝日新聞、読売新聞、日経新聞など、昔からの全国紙の大手メディアです。その次が有力ブロック紙(北海道新聞とか西日本新聞とか)や、日刊工業新聞ですかね。文部科学省での大臣インタビューなどで一緒のグループになります。特定の地域や分野で存在感がある新聞、という理解かと思います。

さらに小規模なところとして、業界紙(日刊自動車新聞とか化学工業日報とか)や、県紙(例えば高知新聞は高知県の新聞でシェア7割というので、地元では朝日や読売より、ステイタスがあると想像します)。その先にWeb専門メディア(数人、場合によっては一人でも運営できる)があるのかな、と思っています。

それで、専修大学でいうジャーナリズムです。ジャーナリズム(報道)といえば新聞が中心なので、上記のような規模も多様なメディアが研究や就職の対象か、と想像していました。でもこれだと雇用と就職の需給バランスがあまりよくない(希望者が全員、メディア記者になれるわけではない)ので、どうなのかなあとも思っていました。

そうしたら。同大のジャーナリズム学科卒業生の就職先は、新聞や放送が2割ほど。記者に限定せず、営業なども入っていると想像します。対して半分超が、映像プロダクションや広告・ITのデジタルマーケティングなどの「メディア系」なのだと知りました。なるほど、そういう広がりで捉えているんだ~。

学生は学びとしてオールドメディアの社会的役割などに触れつつ、社会ニーズが急進して市場が成長しているデジタル特化のメディア関連で、社会人として活躍していく…。会見に出席して、そんな様子を知ることができたのは収穫でした。記事はこちらから。

2.東京科学大、10月発足を前に2トップインタビュー。
写真は統合後の本部が置かれる、現東工大の大岡山キャンパスです。Dsc_1437-1 いつもの本館写真ですが、少し撮影の角度を変えて。学生も授業時間の変わり目なのか、いつもより多く見られました。 

インタビューだけでも2人そろってで価値があると思っていたのですが、ここから研究機構のニュースが出てきました。このうちの新産業創成研究院の中に置く、「医療工学研究所」は私が去年、1面ですでに取り上げています。今回はちょっとしか触れていないのは、1年前にがっつり書いているからです。


この医療工学研究所、実は今年6月の理事長予定者会見の後に取材をした某大手新聞に、デカデカと出ていました。先のメディアヒエラルキーでトップに位置する新聞です。以前なら「日刊工業新聞はステイタスが低いから無視されて、後から書いた大手に負けちゃって悔しい」と思うところです。ですがまあ、20年も大学担当を、科技と両方にわたるところで専門記者としてやってきた私ですからね。もう、そういうのは卒業しました。といいながらブログで解説しているので、完全にはコンプレックスから脱却していないのでしょうけれど(笑)。

それに近年は、弊社の無料サイト「ニュースイッチ」で記事を紹介しているのが大きいです。弊紙を購読していない、場合によっては新聞名も知らない人にも、「この話、おもしろいね」と見てもらえるようになっていますから。ニュースイッチは私のキャリアの上で、ものすごくプラスで、この点は社にとても感謝しています。ということで、記事はこちらから~。


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2024年9月14日 (土)

いろいろな大学でもらった手提げ袋

取材や会見で、出向いた大学の冊子やグッズを入れる手提げ袋をもらいます。大学名がデカデカとあるのは恥ずかしいので使いませんが、さりげないものは再利用します。不織布のものはシッカリしていて、重たい書類を入れて時々、取り出したりするなどで、長く使えるのが利点です。逆に欠点は、へたっとして自立しづらいことでしょうか。

先日は「紙の手提げも、けっこう保管しているじゃない」と気づきました。こちらは買い物のブランド袋と一緒に、別の置き場に置いていたため、忘れていたのです。ブランドといっても私が買うものですから、グッチとかクリスチャンディオールとかではありません(笑)。こういうブランドの手提げは、自慢するために持ち歩くそうで、リサイクル使用としてメルカリなどで売ることができるそうです(びっくりですね)。うちには文明堂とかモンテールといった菓子(もらいもの)か、鎌倉屋とかユニクロなどの洋服関連(自分で購入)の紙手提げになります。

母が「最近はお店で袋をくれないから」(たぶんスーパーマーケットなど、レジ袋の有料化に伴って、紙袋も有料化されていることを指しての発言だと思います)と言っていて。「じゃあ今度、うちに来た時に少し持っていってね」と引っ張り出しました。そうしたら、大学の紙手提げもあることに気づいたというわけです。並べて写真を撮ってみました。Dsc_1815_20240910175201

果たして、思った以上に多くの紙袋が大学ものも含めて、母の家に引き取られていきました。嬉しい。何にも使わずに捨てちゃうのは、もったいないと思って置いていたのですから。どこかで活躍してくれるんだ、となれば嬉しいですよね。

うちでも紙袋のうち、模造紙ふうのものは、紙ゴミ(冊子体だったり、A4印刷紙だったり)を詰め込む紙袋となる傾向があります。対して大学の袋はしっかりしていて、使いでがあります。オープンキャンパスで志願者に配ったりするからでしょう、さすがに模造紙ふうの情けない容姿のものはありません。

私の好みは、持ち手がプラスチックで、その持ち手付け根のボタンでしっかり閉じられるものです。雑誌や新聞の切り抜き(私はこれが多い)を分類したり、A4版の書類を保存したりするのに、便利です。写真でいうと右真ん中の、カラフルなタイルにアルファベット模様が入ったものです。それなりに活用していたのですが、忘れていたものも紙手提げ袋置き場にはあった、というわけです。

これ、某文系単科大学のものだったのではないかなあ。小規模で地味な文系単科大学は、東京にあっても弊紙で取り上げる機会が少なくて。就活支援の連載企画をしていた時に、「出向くのは最初で最後、という大学にも、この企画なら行ってみることができるな」と思いながら、アポをした記憶があります。

新聞記者の魅力の一つはやっぱり、普通ならあまり行かないところにも取材で出向けてしまうところですよね。いったい、いくつの大学のキャンパスに足を踏み入れたのかな、と60歳を前にしみじみ振り返っています。

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2024年9月 8日 (日)

国立大の監事の常勤化& 山口大、野良猫共生のSDGs& 東工大、技術職員キャリア後押し

1.本ブログのPVチェックは月1程度の頻度なのですが、今回は目を見張りました。これまでに見たことのない高い数字が表示されていたのです。こ、これは……。国立大の監事の記事のせいとしか考えられません! 

国立大の監事の多勢が9月1日付で交代・再任になります。これまで常勤なし(非常勤のみ)でもよかったのが、だめになったことで各大学は対応に追われました。 解説記事、日刊工業新聞では8.29木付。ニュースイッチ記事は8.31土付。フェイスブック投稿も同日付。そして9.1は、文科省発表の任命の監事一覧が解禁日でした。

不思議なのはニュースイッチのPVは、まったくもって上がっていないことです。ブログに来てくれた人の多くは、国立大の監事の当事者や関係者だと思うのですが、どういうルートで広がったのか不明です。いずれにせよ、下記URLは文科省発表の9.1着任の監事名簿です。常勤を中心に、やはり今でと異なるタイプが多い気がします。https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houjin/06042714/002.htm 

おっとっと、メーンの記事はこちらです。ちなみにこんなに多く見てもらえるのなら、記事は署名入りの形にしておいて、本当によかったです。署名なしだったら、どれだけ悔やんでいたことか…(笑)。
 
2.SDGsの連載で、山口大学の共同獣医学部の学生らの活動を取り上げました。野良猫対策とヤギによる除草です。どちらも動物ものでかわいいのですが、野良猫対策では取材した学生から釘を刺されました。かわいいだけで終わらないよう、原稿にご配慮をお願いします、ということです。そう、そうなんですよ。「かわいいからって餌をあげることは、野良猫再生産に手を貸すことなので、厳禁です」と社会に発信することが、記事のポイントの一つになりました。

ちなみにこの「おもプロ」は約30年前、当時の広中平祐学長の発案で、学長のポケットマネーで動き出したそうです。国立大学法人化よりさらに10年も前のことなのですね、すごいです。記事はこちらから。
写真は山口大の吉田キャンパスです。Photo_20240908182501

3.東工大、技術職員キャリアアップの独自資格を全国に拡大。 東工大は研究大学として旧帝大と同格に扱われる一方、全国の理工系単科大学のリーダーでもあるという、絶妙な立ち位置にあります。片方をおろそかにするのではなく、どちらの立場も大事にしていってほしいですね。記事はこちらから。

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2024年9月 7日 (土)

大学・研究機関のキャラクター、私が好きなのは…

大学ではよく、その大学のイメージキャラクターを使いますよね。実は弊社でもあります。「ものたん」という、耳を大きく広げて(情報をとるため)、手に取材手帳とペンを持っている犬(たぶん)のキャラクターです。以前は私、「どうしてこんな、子どもっぽいことをするのだろう。恥ずかしいじゃないの」と思っていました。

でも。コロナ禍でより学生に響く授業PPT作成の話を、大学人としていて、心を入れ替えました。ある男性の教授が「息子に言われたんですよ」と披露してくれた話です。「お父さんは絶対にやらないと思うけれど、PPTの端に動物の絵が入っているようなものは、受けるんだ」と。

そうなんだ…。女子学生だけでなく、男子学生もどんな感性なのだと知って、ちょっとショックでした。確かに近年は、若い男性も人形をいくつもリュックにぶら下げていたりしますからね。

私は管理職経験もないし、15歳下の記者仲間にため口で話されるし(?)、自分の同世代よりは感覚が若い人に近いつもりでいたのです。でもやっぱり、だいぶ違っていました。それで心を入れ替えたのです。

大学キャラクターが出てきたら、関心を持って観察するようにしました。確かにその大学に親しみを持つ上で、プラスかもしれません。オープンキャンパスに来るのなんて、高校生ですからね。でも私が「いいな」と思うものは、なかなかありませんでした。

その中で「これはいいじゃない!」と気に入ったのは、統計数理研究所のキャラクターです。取材時に「(施設公開などで)来訪者にプレゼントするセットです」ともらったものが、写真です。Dsc_1685-1

賢そうな(シャーロックホームズみたいなかっこうをしている)猫の容姿に加えて、グッズがまたいいんですよ。特に今夏、活躍してくれたのはうちわです。私は仕事では扇子を持参しますがが、アウトドア系だとうちわの方がカジュアルでフィットします。といっても、家電量販店の宣伝モノでは今ひとつです。でもこのキャラクターなら。最適ではありませんか。「一般人のフリをして施設公開に出向いて、もう1セットもらっちゃおうかしら」と一瞬、考えたほど(笑)気に入りました。

統数研は大学共同利用機関の一つなので、教育はごく一部ですし、大学院教育のみ(社会人など多い)です。また、専門も統計(数学の仲間)とあってやや敷居が高い。それでもデータサイエンス(DS)の専門教育(博士号を持つ助教らが受講する)を手がけていて、一般社会の情報収集で触れる機会が近年になく高まっている気がします。クールさと、お近づきになりたい印象と。このさじ加減を反映したキャラクター。といえるかもしれません。

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2024年9月 1日 (日)

電通大DSリカレント& R&Dアンケートから技術系のジョブ型雇用& 国立大の認定ベンチャーファンド

1.電通大のDSが産業界から人気の様子を、リカレントの連載から紹介しました。DSは理工系がある大学はいずこも、リカレントの主力と位置づけるので、競争が激しいのではないでしょうか。企業も社員を派遣する上で、複数の大学の内容を見比べていることでしょう。

私が電通大で「いいな」と思ったのは、初級・中級・上級とそろっていることです。社員のレベルによってあちこちを利用していると(例えば初級は、数ある研修会社の中で、とにかく安いところでいい、など)、人材育成に一貫性が持たせられないと思うためです。

これに対して受講候補生を全員、同大のコースでと決めてしまえば、順に上がっていくことも、中・上級から始めることもできて、質がそろうのではないかと思いました。「派遣したあの部門の若手も、そちらの部門の中堅も、みんな抜群に手が動くようになってきた!」となるのが理想ですよね。記事はこちらから。

2.恒例のR&Dアンケートから、研究者や技術者のジョブ型雇用に似た対応を尋ねた結果です。これは取材先から、こういったタイプの雇用が増えていると聞いて、「そうなんだ~。でも業種による差も大きそうだな」と気になったことがきっかけです。果たしてそのアンケート結果は。記事はこちらから。

3.国立大の認定ベンチャーファンド、3件のまとめです。VC系は昔も今も、取材先としてちょっと苦手です。バリバリのVB金融系のビジネスパーソンに”まくしたてられる”のが、好きではないというのが大きいです。次いで、記事に書く上で専門用語や数字の確認が多く、それでもなお、間違いないか心配で…というのも大きな理由です。

日経新聞など他メディアが取り上げるVC系は、「ほおっておいて、いい」としていました。私が無理しなくても、社会に情報が流れているのだから。でも。「私が取り上げないと、みんな知らないままじゃん?」という切り口の場合は、はやり始めてすぐではないのですが、様子見をした後に(笑)動きます。今回の認定ファンドはその典型です。あ、この姿勢は他のテーマでも同様ですね。

認定ファンド、いくつあるかということも当初は判っていなかったです。新聞の切り抜きなどを含めて「全部をフォローする気になれない」状態だったためです。「触らない(取材しない)でおこうかな」とまだ迷っていましたし。でも最初の文部科学省内の取材で担当の室の反応がよく、比較的、なじみのある3大学だと判明したので、取り上げることにしました。一つは農工大で、以前に会見がありました。関係機関も多く複雑だったので、理解できた範囲内(=無理はしないで)記事を執筆していました。

もう一つは金沢大で、5月の北陸スタートアップ支援のTeSHイベントで講演を聞きました。社長の人柄(立て板に水のVC系の人ではない)が分かった上で、名刺交換できたのが大きかったです。

だって苦手のテーマで、面識のない相手に、Web取材を申し込むというのは、やっぱり「不可能」です(笑)。失敗の確立が高いです。テーマが得意か、面識ある相手であれば、「今回はWebでお願いできませんか?」とお願いする気になれます。Webは対面よりどうしても、コミュニケーションの質が劣るもの。少なくとも私の取材活動ではそう感じます。ですが、三つのうち二つがOKなら、「取材しないより、頑張ってWeb取材した方がいい」と考えるわけです。

そして東工大。こちらは春に別テーマでVCを取材した時に、「東工大からの出資、リリースしたのですがあまり取り上げらていなくて」と紹介されたのが、頭に残っていました。というわけで事例すべての3案件、まとめ記事としてちょうどよい対象数で取材、執筆することができました。記事はこちらから。写真は農工大、府中キャンパスの農場です。畑での試験栽培より前の、小規模な研究のために小型のビニールハウスを使うようですね。Dsc_1710

 

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