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2024年9月21日 (土)

新聞報道の未来は?

少し前に衝撃的な新聞業界の動向記事を目にしました。産経新聞が9月末で、富山県内の発行を休止するというものでした。さらに毎日新聞も、同県内での配送を同時期に休止するのだと知りました。
新聞の全国紙は「全国で(地方版のページをのぞいて)同じ情報を伝えている」から全国紙でありました。地方紙やブロック紙は、その地域でだけ重要な話も扱いますが、全国紙はそうでない、というある種の客観性を担保した強い存在でした。それが…全国紙ではなくなるなんて。びっくりです。

さっそく、富山高等専門学校の親しい先生(会うのは10年に1度くらいですが、緩く切れずにつながっている相手です)に、背景を聞いてみました。すると、他の地方でも同様の傾向ではありますが、同県は特に地元新聞や、一般紙の中では読売が強いという状況を教えてもらいました。Webで調べると(読売新聞のPRサイト)、同県の世帯普及率は北日本新聞が50%弱、次いで読売が15%、北國新聞が10%と出てきました。残り25%を朝日や毎日や産経などで分け合っているのですね。「この県は読者が少ないのに、コストがかかるばかりで…」と、ストップすることにした、ということのようです。

東京近郊では地方紙(東京新聞や神奈川新聞)より一般紙の方が強いですが、新聞の部数自体が近年、激減しています。私の住まい近くでも朝日新聞の販売店の統合があり、これまでお世話になっていた販売店は吸収されたようです。これから、もっと進むことでしょう。日刊工業新聞は一般紙の販売店に託す形で配ってもらっているので、もちろん影響大です。

写真は読み終わった新聞回収の袋です。

Dsc_1842

私は朝日新聞の販売店から、朝日と日刊工業を、さらに身内がもう一つ、購読しています。その販売店がくれるのが透明な「ASA」と書いてある袋です。ひと月に2袋きていたのが、最近は一つになりました。古紙回収は、ビジネスというより読者サービスだそうなので、回収の負担も減らしたいのでしょう。この袋、底が広くて持ち手が付いているので、別用途(洗濯予定の季節終わりのセーターなどを入れておく)でも便利だったのですけれどね。あっ、邪道ですかね。

もう一つ、日経新聞をとっており、これは読売新聞の販売店から配達されます。袋は左上の白地に緑文字が日経のもの。左下の花の大柄写真で装飾している袋は読売のものです。

読売新聞の袋は持ち手が付いていないです。使いづらいです。大きな花柄というのもちょっとひきますね…。あっ、そんなことは小さなことですね。本日の記事タイトルは「新聞報道の未来は?」です。

私が、講演会などで伝えているのは「紙媒体としての新聞は将来、なくなるかもしれません。でも新聞社の報道としてのミッションはなくならないと思います」「報道とは、社会の重要なできごとを、それが正しいかどうかきちんとした手法で確認した上で、広く社会に発信することです。この活動は民主的な社会では、とても重要なことです」「この活動は記者がしっかりとした訓練を受け、取材相手や周辺関係者に信頼してもらって初めて、可能になることです」「Webニュースでよく目にするものは、大半が新聞など報道機関の記者による記事を転用しているのです」ということです。新聞なんて/新聞記者なんて、いらないのでは? という一般の人の思いに「いやいや、重要性を知ってください」と説明して回っています。

伝統的な報道機関でも、メディアを紙からWebに変えて、一部は成功していますが、まだまだ途上(他ビジネスと並行して、なんとか成り立っている形)です。未来は、どのようになっていくのでしょうか。このタイミングで、まもなく60歳を迎える私は、現場の記者をずっと35年間、し続けることができた幸せを今、かみしめています。

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