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2026年6月

2026年6月27日 (土)

私大の理事長選出、法改正でどう変わった?

早稲田大学の次期総長候補者選挙が6月頭にあり、大学(教育・研究側)としては理工学術院(三つの理工学部の教員が所属する組織)の教授で、学校法人(経営側)では常任理事を務める本間敬之(たかゆき)先生が選出されました。私は正規の専任教員でないので選挙権がなくて(残念)、その意味では以前の新聞記者の気分~。少し遅くなりましたが、本ブログで解説をします。写真は早稲田の本部建物、大隈会館です。260618162556363

まず、選出と聞いた時のメディア人の最大の関心は「これ、新総長の記者会見あるの?いつ? 原稿、大急ぎで出す必要があるの?」だったはずです。ところが。今回はホームページで「本選挙結果をもって次期総長の就任が決定するものではありません」「次期総長は、2026921日に開催予定の理事会において選定されます」と記載されています。……とりあえず、まだ決定していないのなら会見はないよね? というのがメディア人の最初の安堵でしょう(笑)。

それで次です。「この文章、どういう意味なの?」と、大学畑に精通していないメディア人や一般の人は悩むでしょう。校友(卒業生)にしても「前回まで、学内選挙結果だけでストレートに決まっていたのに」と思うところです。これは2025年に私立学校法が改正されて、私立大学を運営する学校法人において、トップである理事長を確定するプロセスが大幅に変わったためなのです。どういうプロセスかといいますと…。

1)まず理事(いわゆる役員)を選任する評議員会(学内17人、学外52-60人。つまり外の人が中の人の3倍以上!もいます)が、「理事選考諮問委員会」(評議員のほか学外有識者など7人で構成)を設置します。

2)同委員会が頭をひねりにひねって、役員となる理事の候補者を提案します。これは21人以内、うち学外理事3-9人。どんなに学内者で固めようとしても、1割以上の学外者が必須となります。

3)評議員会がその案でよいか議論して、選びます。疑惑の影があるような理事候補者は、ここでふるい落とされます。

4)新たな理事で構成される理事会が発足し、その中で理事長(早稲田は理事長兼学長で、総長と呼びます)を選びます。この時、「総長候補者選挙の結果を十分に考慮して選定する」ことになっています。

つまり通常は(特別に揉める点がなければ)、「選挙で支持された人が理事長に就くのがリーズナブルですね」となり、候補者が総長に就任します。でも圧倒的な票を集めた候補者が、総長候補者選挙後に判明した事実やなんらかの事案によって、「やっぱり社会的な常識からみて具合が悪いのでは?」 と議論が紛糾すると、総長就任には至らない、あるいは理事にすらなれない…という仕組みなのです。法改正は複数の私立大で、不適切なガバナンス(組織の管理運営)が問題になっていたことを背景になされました。

そもそも早稲田の場合は、選挙時点でかなりの学外の意思を問う形ですので、民主的といってよいでしょう。有権者は約2200人の専任教職員と、約1000人の学外者(評議員や、早稲田特有の制度による商議員)ですから。私は8年前、田中現総長が選出される選挙を前にして、鎌田前総長を取材。この学外有権者数の大幅引き上げ(それまでは約200人でした)など記事にしたことを思い出しました。

私立学校の理事長の選出法はこれまで本当に様々で。日本私立学校振興・共済事業団の調査では、理事長の約4割が創設者一族だそうです(出典:現代の高等教育「IDE202510月号p43)。けっこう多いですよね。一方で、創設者の思想は受け継がれつつも、一族の経営ではなくなっている学校法人では、選挙が活用される傾向です。大隈重信侯に対する信奉が著しい早稲田も、その一つです。でも法律としては全部ひっくるめて、社会の目がしっかり入る同じ仕組みで運営することにしましょう、となったのです。普通、私立大関係者を除くと細かくは知らないですよねえ。私も今回、改めて確認し直した次第です。

実は改正法によって、就任後も同様の手続きで理事や理事長の解任・解職ができるようになっています。なのでどの学校法人でも、役員は皆、就任までも就任してからも、“そこはかとない緊張感”を持ち続けることになります。教育機関は私立であってもある意味、社会における公的な存在ですからネ。学校関係者の皆様(私も一員です)、社会がどのように自分たちを見ているのか、常に意識してシッカリと行動してまいりましょう~。

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2026年6月21日 (日)

理系女性の本、重版になりました!

講談社ブルーバックスから「理系女性の人生設計ガイド」を5年前に出した時、「なんてよいタイミングかしら。理系女性の理工系は、医療系と違ってまだまだ少数派。女子学生は採用で奪い合い、リケジョ応援の機運もデータサイエンス・AIブームとともに絶好調なのだから」と思っていました。でも、自分で思うほどは売れませんでした。6月、12月の出版社からの印税報告で「売れた部数って、これだけ?」とがっくり…ばかり。まあ細くても長く続けばよしとしよう、と解釈していました。

それが。ここへきて「重版になりました」のお知らせがきました! ヤッホー!嬉しいです。写真は書籍の表紙(1刷と同じですが)と、2刷となったことを示す後ろのページです。778e78b8f5a84545ab7c12578256248a1 F026e26125a64c8e823defd4e33aa8eb1

共著となっている大隅典子先生、大島まり先生、講談社の編集者の須藤寿美子さん、私と書籍作成に関わった4人とも理系女性です。前者二人は完全理系の大学研究者で、後者二人は理系の学びを修めて文系寄りの仕事をしている自称元リケジョですが。当時は全員が(ほぼ)50代でした。今は全員が60代。ほぼ全員にキャリアの変化が生まれています。

理系女性の書籍・Webは、女性研究者(ほとんど大学人)か、若手・中堅の企業人を複数、扱ったものが多いです。でも私は、「自分のキャリアを踏まえると、こんな点を伝えたい。もっと多様な視点を盛り込むと、読み手には有用なはず」と張り切ってしまいまして。日刊工業新聞の記事の取材・執筆と重ねるという、超ラッキーな仕事環境を整えたことで、もう少し突っ込んだ書籍を完成させることができたのです。

本書でもモデルとして、先の2先生のキャリアを詳細に追っています。加えて、女性活躍の実態データや近年の社会ニーズを解説し、産業界がITやデータサイエンスの領域で(数学物理がちょっと苦手な、軟弱な)理系女性も求めている状況を紹介し、研究室選びの注意点を挙げるなど、「あれこれ検討するうえで役立つはず」という内容に力を入れました。理系キャリア全体に明るくない人(若いリケジョや文系の親御さんなど)には「そうなんだ!」という点が多いかと思います。また取り上げた理系女性は、国立研究開発法人の研究者、メーカー管理職から中年期に大学へ転身した教員(男性と異なり今なお、めったに遭遇しません)、中高一貫女子校の教諭、大企業の執行役員(投資家や経済団体の圧力がまだなかった当時、取締役女性は稀有でしたので)は印刷とガスと化粧品の業界で。それに人事部長、上場ベンチャー社長、国立大学学長…と広くカバーしました。ね、もっと売れてよいはず、でしょ?自画自賛で恐縮です。理系女性が当時よりさらに期待されている時だけに、この本を通じて世の中に役立ちたいなと思うのです。

もう一つ、自分のキャリアと重ねて感慨深いのは、「書籍を執筆することはこの先、もうないだろうな」と思うためです。新聞記者のフルタイムでの仕事と重ねてでないと、これだけの密度の濃い内容は書けません。一方で、本の原稿は新聞記事とはけた違いに分量が多く、大変な時間とエネルギーを費やします。私にはこの先はちょっと無理なのです。過去、数冊の書籍(単著は2冊)に関わってきたけれど、これが私史上の完成形といえるでしょう。この先は(60代から90代?までは)、本ブログのような短くて、でも社会の役に立つ文章を紡いでいこうと思っています。

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2026年6月13日 (土)

双子PCで公私とも心新た

なんというタイミングでしょう。先日、大学PCを購入したことをブログに書きましたが、それを追うかのように自宅PCが不調になり、買い替えることになったのです。まるで長年一緒の老夫婦で、一方が昇天したらもう一方もまもなく…みたいな。あ、ちょっと違いますかね。自宅PCは購入から約10年。さほどハードに使ってはいなかった(リケジョの書籍執筆で原稿を書いていた時以外は、週末だけ)ので、途中のメンテナンスもなし(普通は10年の間に不具合が生じて、修理することが多いとか)で、ここまできました。寿命といってよいでしょうね。お疲れさまでした。

再びKさんに相談して、「前回とまったく同じでいいのでは」との結論に。同じWebサイトの同じショップから、同じ製品をほぼ同額同条件で購入しました。写真は二つを並べたところです。Pc-futago 双子ですねえ。当たり前ですが。なぜWindowsの待ち受け画面だけ違うのかわかりませんが。どちらも状態
ランクSを選んだものの、最初の方は蓋側のきれいさが今一つ、とブログに書いたせいか(?)、今回はなかなか美しいものが入手できました。古いままだったWindows10が11になったことも大きく、ボリュームのある資料のダウンロードもうまくいくようになった気がします。公私ともウキウキ、心新たです。

思案したのはこれからのコンテンツ(ドキュメントとフォト)のバックアップの管理です。早稲田では大学が契約しているオンラインストレージBoxに、個人使いできる分があって、容量無制限だと判明。仕事関連のバックアップはそこに入れておくことにしました。これを使うと、作成途中のファイルを大学からも自宅からも(そのほかのPCからもログインさえすれば)引き出せて、サクサク仕事が継続できるということを知りました。実は、オンラインでの資料保存は初めてなのですよ。Boxは前職のScience Tokyoでも使われていたのですが、私は送られてきたものをクリックするだけで「なんでこの資料、出てこないのかなあ。使い方、わかんないけど、まあなんとかなるだろう」というレベルでしたから…。

個人PCは、旧個人PCのコンテンツを大きめのUSBメモリーにコピーしており、それを移し替えました。私は40代半ばで博士号をとった時点で、「記者以外のキャリアをこれから開拓していこう」と決意し、講演や非常勤講師のPPTなども捨てずにおいていたので、かなり溜まっています。写真はもらったまま、つまり巨大なサイズで他を圧迫しそうなものも、ほおり込んでいます。なので、これらを少しずつ見直して、削除したりサイズを小さくしたり、していこうと思っています。そうですね~、1年くらいかけて、かな。まだまだ遊びたい盛りなので(笑)、片付けに割ける時間がそうは多くないものでして。遊びたい&遊べるうちが華。シニアは年月が経つにつれ、体調や予算の点から遊びづらくなっていくでしょうから。さて、1年後にはきれいなPCと、そのバックアップですっきり! とブログで報告できるでしょうか?

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2026年6月 7日 (日)

変形性膝関節症の体調不良も、シニアならではの幸せを見つけて乗り越える

4月に膝が痛くなり、整形外科を受診したところ、変形性膝関節症と診断されました。それは私(61歳)の母(85歳)が半年前に、「脚が痛くて、佳世子さんとの外出予定をキャンセルする」と言ってきて、初めてもらったという病名でした。年長女性に多いとは知っていましたが、まさか母とほぼ同じ時期に、シニアの病気で一緒に診断されるとは…。ショックです。思い当たる行動は特にないのに、と思ったのですが、コロナ下から始めたWebエクササイズが若い人向け(飛んだり跳ねたりがある)だったと振り返ります。「自宅マンションの8階を毎日、昇り降りしていました」と話すと、医師に「それ、健康のためだったんだよね?ははは」と苦笑いされました。私の年齢や体力を鑑みると、やりすぎだった、ということなのでしょう。

薬で治療してすぐ治る病気ではないですから、長くお付き合いすることになるのでしょうねえ…。 あちこち調べていたら、「加齢によるもので、白髪のようなもの」と表現した医師コメントが出てきました。白髪、ですか。それなら私はラッキーな方でした。同姓の同級生で、30代から白髪を隠す染めを始めた人がいる一方で、私は60歳までカラーリングせずに(写真ではまったくわからないレベル)で来られましたから。髪も膝も個人差が大きいということなのでしょう。

新しい職場に移って怖かったのは通勤時のラッシュでした。私は育ちも仕事の対象も中心は国立大、しかも理工系だったので、大規模私立大学の学生が授業時間とともに一斉に動く環境に慣れていません。写真は夕刻、授業終了でどっと学生が移動する、地下鉄東西線の早稲田駅改札付近です。駅には朝の混雑時間ピークが「7:40-8:20」だと示し、その時間帯を避けることを促すポスターも張られていました。Wasedaeki Photo_20260607102601

 私が直面するより早い時刻が記されているのは、付属校の中高生などが多い時間帯の方が、より激しく混むためでしょう。ちなみにJRの高田馬場駅にある同様のポスターでは、「7:25-8:55」とより長くなっていました。私は一か月半ほど脚を引きずっていたのですが、もちろんなるべく時刻をずらしました。大げさに手すりにつかまって、「近寄らないでね」のメッセージを出して、巻き込まれないよう(転んだら踏みつぶされるカモ)気を付けました。

実は情けないことに、手も怪しいのです。右手の親指あたりの違和感に気づいたのは1年半ほど前なのですが、時に痛みが走るようになっています。膝と一緒にX線をとってもらったところ、「親指を使った作業が今後、しにくくなってくるかもしれませんね」と医師に言われました。脚も手も、いかに大切なものか改めて感じます。

でも思うのは、〈違和感〉にまず気付いて、痛みが出た段階ですぐにクリニックに行って対処ができるのは、ある意味、ラッキーだということです。私は元々、〈頑強でない新聞記者〉で20代から不調をあれこれと抱えていました。でも急ぎの原稿出稿と一日3件のアポがある有様では、「体が痛い時はその部分を使わないようにして休ませる」なんて、容易ではないですからね。

だからシニアになって、シニアらしい体調不良が出てくることについては、一方でシニアらしい時間の余裕が生まれてくるのと併せて、受け入れようと思うのです。考えてみれば、重篤な病気など若くして患ったり亡くなったりする人がいるわけです。努力によらないラッキーさを含めて、いかに個人差が大きいものか。…と、若い時には難しいけれど、年長者には〈悟り〉があるのです(笑)。今の自分のラッキーな点に感謝をしつつ、社会のためになる活動と、プライベートを充実させていけば、よいではないですか。人生100年時代。幸せな人生のために、その考え方を大切にしていきたいと思います。

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2026年6月 1日 (月)

「去る者、日々に疎し」のホームカミングデー

東京科学大学(Science Tokyo)のホームカミングデー(26.5.23)に参加しました。主催はST、共催は理工系(元東工大)同窓会の蔵前工業会です。ホームカミングデー、私は2年前は日刊工業新聞の記者として取材もし、ST統合前の全体会議で卒業生らがどのような反応をしているか、読み物記事を執筆しました。1年前はSTの社会連携担当理事として、全体会議の司会を引き受けました。そして今回はいち卒業生(修士が東工大ゆえ)としてです。改めて、わずか2年の間に、立場が激しく変わっていますね…。

目玉の「Science Tokyo Meeting」(全体会議)は、前半が室伏広治副学長のスポーツ研究談義。東京医科歯科大時代から教員として所属していたのですが、スポーツ庁長官を終えて大学が主となって初めて(特に理工系は認識が薄いはず)の、卒業生へのお目見えとあって大人気でした。写真は簡単エクササイズを皆でやっているシーンです。260523154722587 後半は国際卓越研究大学の主軸、分野横断の「ビジョナリーイニシアチブ」でのパネル討論。その後に全体交流会の立食でした。

そのほかの時間帯のイベントは、学生サークルの発表とか、理工系女性卒業生の集まり(くれない工業会といいます)とか。でも自分が好みの領域の発表は、いつも同じサークルなので新鮮味が乏しい…。と、その中で価値があったのは、統合によって仲間となった医歯学系学生の救命救急サークルにおける、実演講習でした。

周囲で人が倒れた時の胸骨圧迫やAEDの使用法を体験しました。以前にもやってはいるのですが、使う機会は乏しいので、復習のチャンスがあれば再びトライします。だって身近な人が倒れた時に、皆で遠巻きにして救急車を待つしかなくて、それで重い結果になってしまったら、辛いでしょう? 家族や友人などであれば、なおさら悔やむかと。その意味で、救命救急のイロハは、成人であれば全員が知っておくべきではないかと思うほどです。

とまあ、堅いことをいうのは止めて(笑)、楽しかったのはもちろん皆との交流です。通常よりハイな気分の同窓会、という具合でした。これは職場や仲間のよしあしとは別の現象ですが、正直いって「去る者、日々に疎し」。去っていった私に対する皆ももちろん、そうでしょうし、新しい職場に移った私もそうです。仕方がないことです。でも、なにしろ2ケ月前まで私はSTのメンバーで、統合と国際卓越の山を一緒に越えた間柄ですからね。「みんな、どうしているかな!」という気持ちが多々、ありました。

実際、キャンパス入り口などで、広報やダイバーシティーの女性職員が、「きゃあ、山本さ~ん!」と声を挙げて、笑顔で寄ってきてくれたのは本当に嬉しかったです。同窓会は寄付を含めた大学の支援元として重要なので、理事ら役員も多くが参加していました。経済学を修めて工学系に活動を広げてきた(経営工学のような分野)の役員には、「早稲田の経済学って、どんなふうに見てますか?」と伺っちゃいました。

さらに理工系の某教授に、早稲田の理工を尋ねたところ、「以前は早稲田の学部を経て、大学院で来る学生が時々、いたけれど最近は少ないかなあ」「体育会系って感じ。元気があって、先生の言うことをちゃんと聞いて」。なるほど~。早稲田出身者がどのような業界でも歓迎されるのは、「明るくて積極的だけど、尖がりすぎてはいない」「目上の指示に反発してひねくれるのではなく、ちゃんと受け止めて成長していく」というあたりで、それは理工系も同じってことなんですね! なかなかの視点です。ST関係者に限らず、しばらくは私から、「早稲田ってどう見えています?」って、外部の友人知人に質問して周ることにいたしましょう。

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